実は私、前回3回目を見るまでは、制作発表も、初日映像も、now onも、敢えてなんにも情報を入れてませんでした。まっさらな状態で観ようと思っていたから。それで2月1日にはじめて、ようやくnow onの録画を見ました。
だいもんは、「この作品には愛がある」と何回も言ってましたね。物語は一般的には悲劇に分類されると思うけど、ファントムその人(だいもん)は、底流に愛を感じてるのね。父と母、母と息子、父と息子。そして、エリックと従者、オペラ座の団員たち。それぞれの繋りを大切に感じながらおとどけしたい、と。
そしてひとこは若き日のキャリエールを演ずるにあたり、幼いエリックと若い恋人たちのエピソードがあってはじめて、物語がすべてつながる。また、オペラ座の団員たちの支配人キャリエールに対するリスペクトや信任が、最後に親子の関係が明かされたことで、エリックへの追悼となって表れてくると語り、重要ではあるけど出ずっぱりの通し役ではない演者も、演ずる役の生いたちや背景を深く掘り下げてつくっているのを知って、改めて、組がひとつになってこの作品を仕上げていこうとするエナジーを感じました。もちろん、そこで語られなかった、もっとずっと下級生たちのそれぞれの人物像の作り込みもきっと様々あると思います。
なにがうれしいって、宝塚初見、あるいはキワモノのように思っていてあまり観ないという演劇フリークのみなさんが、「すばらしかった!」という評価をしてくれているのをあちこちで目にすることです。

そうよそうよ、そうなのよ~⤴️(*^^*)
\(^^)/(^^)v(⌒‐⌒) 
雪組最高~~

ということで、最後の観劇。

今日はe+の貸切公演。
毎回エントリーしてますが、当たったことありませんでした。去年の「ひかりふる路」から数えても、13公演連続の選外。こんなもの誰が当たるのか?と疑問を抱きながらもエントリーは地味にし続けていました。夜の部の時間も家をあけにくいので、避けてましたが、雪組のファントムだけはたとえどの時間帯に当選したとしても行く、と決めて、エントリーできるものはすべてエントリーをしました。当たると思っていなかったので、「チケットのご用意ができました」というメールがきたときには逆に驚いて、何回も読み直してしまいましたよ。
「ファントム」はe+を含め実に、39日程をエントリーして、当選は4つ、ざっくり1割の確率。チケット難ですね。(-_-;)
すべて、「購入する」とチェック入れてましたから、万が一すべて当たったら(手数料を含まず)チケット代のみでざっと30万円を超えるわけですけど、まぁそこんところは過去の経験から当たるわけはない、と見当はつけてました。せいぜい多くても5?まぁほぼ予想通りです。

しかもセブンで発券したら、なんと!4列目
\(^^)/こんなラッキーあるんですね~
平日の夜は平均年齢若いですね。若いかたたちも宝塚を観にくる方がいるのを見ると、どういうわけか(?)なんだかうれしいです。


一期一会という言葉の真実味が身に沁みます。
よくジェンヌさんが、「今の○組のメンバーでしかできない舞台をおとどけしたい」と言うのを、紋切り型というか、決まりきったご挨拶に過ぎないと聞き流していましたが、今回の雪組のファントムは、望海風斗と真彩希帆というトップが、同じ時に同じ組で出会っていなければ実現しなかったわけで、そしてこれは10日の千秋楽をもっておそらくもう二度と舞台で演じられることはないわけで、正に今限定の稀有な舞台でした。観終わったとたんに灼けつくような喪失感に襲われました。もう一度観たい。もう何度でも観たい。でも叶わないのです…
Kinki kidsの舞台のように1700回とか、放浪記のように森光子主演で2000回超とか、宝塚に限ってはあり得ない。
「一瞬一瞬を大切に」とよく彼女たちが言うのは、陳腐な慣用表現ではなくまさしく真実。今さら、改めて思い知らされた今日でした。

どこまでも伸びていくだいもんの声。(あたりまえですが)全く音の外れることのない正確さが心地よい。姿も見たいけれど、とりあえず声は聞こえるから、彼女がステージ中央で独唱しているときは下手や上手にいる従者や他の出演者をなるべく観ようとしました。もちろん、目が足りませんでした。
芝居の余韻に引きずられてショーを呆然と観ていた感のある前三回でしたが、今日は芝居の世界観から目が覚めて(笑)ショーも堪能しました。若手3人が銀橋を走り去ったあと、咲ちゃんが銀橋に現れた、そのバックのステージで踊ってる雪組の上級生がはじけてていいですね~
ツボでした。

貸切だったので最後にひと言だいもんの挨拶がありました。
あんなに重たい芝居をやってるのに、いつも通りのフラットなあいさつ。役者って偉大ですね。そしてまた明日は同じ演目を一から演じるんですものね。
「一回一回新鮮に」という、やはりよく聞くフレーズ。正直この言葉も流してました。ごめんなさいです。毎日演じていて感情の高ぶりや役への思い入れもあるでしょうから、盛り上がって終演したあと、また次の回で初めて観るお客さんに向けて、説得力のある芝居を観せるために、芝居が終わったら一度フラットに戻さないとならないのでしょうね。上がったり下がったり、その切り替えがうまくできないとやっていけませんよね。

ありがとう、だいもん、きいちゃん
雪組のみなさん。
感謝しかありません。