脇の香りで梅雨の終わりがわかる
強烈な日差しがさしている昼さがり。
私は異常な量の汗をダラダラ流しながら歩いている。
それもそのはず。
徹夜仕事を終えた私は
その足で職場から20分ほど歩いた先にあるバッティングセンターで
昼間からバットをブンブン振り回した直後だったからだ。
”あぢ~・・・”
その言葉を吐くだけで暑くなるので
私はあまり口にしないようにしているのだが
さすがにこの気温で運動すると
この言葉を吐かずにはいられない。
”あぢ~・・・”
とはいえ
暑いからといって
いきなり生まれたままの姿になるという蛮行はできやしない。
なので私は
汗をフキフキしながら
家路につくため駅へと向かう。
ヒーコラ
ヒーコラ
バヒンバヒン、と
やっとこさ駅についた私は
私は半ば放心状態で階段を下りる。
エスカレーターもあったが
ここまできたらもっと汗をかこうと思った私は
迷わず階段を選んだ。
で
階段を下りていると
下のほうから非常にキレイな女性が
エスカレーターで上ってきた。
その女性はモデルのような感じで
私は一瞬
”あれ…ここは東京?”と勘ぐってしまうくらい
キレイな女性だった。
私はケーキ屋のディスプレイに釘づけになっているガキのように
その女性をガン見する。
女性とすれ違ってからも
私はしばらく振り返ったままで
その女性の後ろ姿を見つめていた。
”広島にもあんなキレイなチャンネーがいるんだなぁ・・・”と
その後ろ姿を見つめながら
しみじみ考えていると
”おわあっ!!”
…。
気づいたら私は階段の一番下で尻餅をついていた。
そう。
あまりに見とれすぎたため
私は階段を踏み外し
そのまま階段を滑ってしまったのだ。
ケツを強打した私は
正直痛かったのだが
それよりは白昼堂々での出来事なので
恥ずかしさのほうが強かった。
私はすぐさま立ち上がってズボンのホコリを払い
何事もなかったようにスタスタ歩いた。
はたから見たら
非常に怪しい人物と思われたに違いない。
とりあえず8段くらいは滑り落ちたので
あまりの衝撃でケツが2つに割れてしまった私。
たぶん
徹夜明けで張り切ってブンブンバットを振り回したので
若干足腰の感覚が変わったのだろう。
なんにせよ
昭和のマンガや
昭和のアニメにありがちな展開を地でいってしまった。
相変わらず
ド天然な私だった。
くそ、キレイなチャンネーめ!
モデル体型ファック!
スーツ姿ファック!
広島にも、あったんだ・・・。
