2021年バイナリー人口が増加しており、
それに伴い「マーチンの恐ろしさ」を知らない方が増えているように感じます。
マーチンゲールの仕組み、危険性について解説します。
(※当記事は2019年12月掲載したものを2021年へ向けて一部改定したものです。)
結論から先に言うと
バイナリーで「マーチンゲール法」を使うことは絶対に推奨しません。
多くの初心者がマーチンゲールの恐ろしさや仕組みをロクに理解していないで利用しています。
そしてマーチンゲールは、ツール販売者があたかも「勝率を上げているように見せる」のに最適なので色んなツールでマーチンが取り入れられています。
今回は「ただマーチンってダメだよ!恐ろしいよ!」と頭ごなしに否定するわけではなく、1つ1つ順を追っていてマーチンゲールの仕組みを論理的に解説していきます。
■マーチンゲール法とは?
→バイナリーで使われる1つのベット額の戦略。
以下の2つのステップから構成されます。
1.負け判定だった場合に次回の賭け金を前回の掛け金の2倍にする
負けるごとに2倍、4倍、8倍、16倍、32倍、64倍、128倍、256倍...と賭け額を増やしていく
わかりやすくに言えば、ひたすら「倍プッシュ」していくベット戦略
2.勝負に勝ったら最初の投資額からリスタートする
非常にシンプルで世界的に有名な取引手法です。カジノなどで使われている場合も多いです。
よく巷のシグナルツール、配信グループで「1マーチン推奨」「2マーチン推奨」といったような設定がされている場合があります。
過去私がお話を伺った方で、最高300万のツールが入ったUSBメモリを買わされ、中身を開けてみたら2マーチンする手法だったという話を聞いたことがあります。
では、具体的に「バイナリーでマーチンゲールは何故やってはいけないのか?」を解説していきましょう
■設定されているペイアウト率の関係
バイナリーの場合は、どの業者の場合もペイアウト率(払い戻し率)が設定されています。
最も有名なバイナリー業者HighLowの場合を例に紹介しましょう。
HighLowのペイアウト率 一覧
- Turbo取引 30秒 1.95 1分 1.90 3分 1.86 5分 1.85
- HighLow取引 15分 1.85 1時間1.9 1日 1.95
以前「Turbo取引は推奨しない」と言う記事を書いたので、今回は15分取引を使って説明します。
・ペイアウト率1.88 1万円エントリーの場合
- 勝った場合は8800円しか増えないが、負けた場合は1万円とられる
という仕組みなっています。
つまり、「エントリーした時点で不利な状態に立たされている」んですね。
ということはバイナリーでマーチンゲールを行うためには、単純に2倍プッシュだと回数をこなせばこなすほど、利益がペイアウト率のせいで減るため、ペイアウト率を考慮した倍率のベット方法でないといけない。
ペイアウト率1.85(2021年現在のハイロー15分取引のペイアウト率)で倍プッシュしたければ
- 1マーチンで約2.2倍
- 2マーチンで約4.7倍
- 3マーチンで約10倍
する必要があります。
3マーチンする手法であれば、最低エントリー額の1000円ベットでも10000円以上資金がないとこの手法は成立しません。
9600円以上失うリスクを背負うにも関わらず、
勝っても850円しか利益を得られない。
このことからわかるように損大利小で
資金効率がめちゃめちゃ悪いんですね。
『スプレッド取引(不利な場所でエントリーさせられる代わりにペイアウト率2倍の取引)やればいいじゃん!』という声も聞こえてきそうですが、
スプレッド取引はスプレッドが相場のボラティリティ(変動幅)によって毎日刻一刻と変わるため、期待値が不安定になりますし、通常の取引より割に合わないくらい不利に設定されています。
■マーチンしたところで期待値は上がらない
そもそもマーチンというのは構造上、
破産確率はうなぎ上りなのに、期待値は一切上がらないという性質があります。
先ほども申し上げたようにマーチンをすればするほど大きな金額のリスクを背負うことになります。
ですが勝った場合には1回目の利益しか出ない。
マーチンしたところで目先の勝てる確率はもちろん上がるけれども、絶対に勝てる保証はどこにもない
つまりマーチンが崩壊した場合を考慮しなきゃいけない
例 1000円ベッドでマーチン3回ルールだったとして3回目のマーチンでも負けた場合
勝ち額が880円だったとしても負けた時に9600円以上
1回マーチンが崩壊したら、取り戻すためにはは約11回勝つ必要がある
これが何回か続けば、資金がショート(破産)してしまう。
今回は、わかりやすく1000円で説明しましたが、バイナリーをこれからやっていく以上 1回1000円エントリーのままで終わるはずがないわけで。
これを5000円でやったり、1万円でやったり、さらに資金が減るスピードは早くなる。100万や1000万単位でバイナリーで損している人がいるのは、このためですね。
■ニセモノの販売者にとって最高のマーチンゲール法
「1マーチン推奨」「2マーチン推奨」でシグナル配信やシグナルツール販売している方は数え切れないほどいます。
何故ならば販売者にとっては「これほど良いまやかしは存在しない」からです。
当然ですが、マーチンをすると「目先の勝率」は上がります。
バイナリーの場合、正確には引き分け負けというのがありますが、
目をつぶってエントリーしてもハイかローしかないので理論上は勝率50%(2分の1)ですね。
これを1マーチンすると、勝率50%のロジックでも75%に見せる事ができる。
カラクリはこう。
1回目で勝つ場合の勝率に加えて、マーチンした分をドーピングすることができる。
ぱっと見でツールの紹介文で勝率75%とか、90%以上あるって言われると「なんか凄そうだ」と感じてしまう。
結果として現に300万のツール買っちゃう人もいる。
仮に今マーチンの手法をやっているなら即刻やめることを推奨しますし、
シグナル配信に参加しているのなら距離を置いた方が良いでしょう。
すでにたくさんお金を費やしていて未練はある場合もあるでしょうが、
あなたの将来にとってそれらは何も役に立ちません。
それどころか更にお金と時間と労力を無駄にする羽目になります。
目先の勝率は上がったように見えるが、それはあくまで一時的なまやかしであり、資金効率の悪さ、破産確率の爆発的増加、期待値は変化しないことから、実際はあなたを破産へまっしぐらにさせるのがマーチンゲール法の正体です。
■サイキックスからの緊急メッセージ
2021年2月上旬「ハイロー口座一斉凍結」が発生しました。
凍結された方で特に多かったのが
「マーチンゲールを日常的に行っていた」というケース。
もともと2019年くらいから「マーチンゲールして50万以上で取引すると、通常より早い段階で口座凍結する傾向」がありましたが、
最近になってよりその流れが加速しているように感じます。
万が一マーチンを続けることによって、運よく助かって資金が増えたとしてもすぐ凍結されてしまってはもったいないですね。
今日はここまで。