こんにちは。
最近、特に週末は子どもに合わせて昼寝をするようになったので、
午後にやたらと眠くなる、
関西で大家業と子育てに精を出す、佐山 潤(さやま じゅん)です。

 

前回の続き、大規模修繕に使う積立金を取り崩すために、
銀行員が物件の調査を、馴染みの業者さん立ち合いの下、行ったところ、
(ド平日なので、佐山は立ち会えず)

「今日、立ち合いの際に業者さんから聞いたんですが、
社長ってウチが把握してるよりも、まだ物件持ってるんですか?」

と。

 

おっと。
 

これが漏れてしまったか・・・
今回大規模修繕を予定しているこの物件は佐山の保有物件の中で、
最も規模が大きく、かつ、築古で減価償却のスピードが速い為、
毎年かなりの赤字を出しています。

 

これはこの物件を売却するときの為に敢えてそうしています。
以前にも説明いたしましたが、不動産を売るときは
物件価格ー銀行残債=利益

ではなく、

物件価格ー土地建物簿価=利益

ざっくりとですが、このようになります。
 

で、簿価は毎年定額で土地建物価値から引かれていく
(これを償却と言ったりします)、
鉄骨新築の場合、本来30年以上かけて行う償却を
築古のこの物件は10年で行っています。
 

これで行くと、減価償却費だけでかなりの損失を出すので、
別に賃貸経営が順風満帆に儲かっていても、決算書上は赤字、
という事になります。

で、この赤字は法人の場合、10年に渡って繰り越せます。
毎年100万円赤字が出ているなら、
10年間、1000万に渡って損失を貯められる。
こうすると例えば物件価格1億円、簿価7000万で売却すると、
通常であれば3000万円が利益として残り、税率30%として、
約900万円を法人税として支払う事になりますが、
繰り延べの損失をここに充てると、利益は2000万円となり、
法人税支払いは約600万円で済みます。

この物件を持つ法人に、中途半端に別の物件を持たせて、
利益の上乗せをさせないように、
別の法人を作ってそっちで物件の買い増しをする、
という作戦で物件を買い進めていました。

 

この手法は大家業では割と普通に行われていますが、
銀行はいい顔をしないだろうな、と思い、
また、ただでさえ普段から、新規融資を申し込む訳でもないのに、
決算書や期中の試算表、レントロール、果ては火災保険の申告迄、
全てチェックして来ようとする、何というか頑張っていい表現するなら笑、
手間暇を惜しまない、まめな銀行さんなので、
関わりのない法人の事や、その法人で買い増した物件の事迄
敢えて知らせる必要はない。と判断して、
特に知らせていませんでした。それが今、漏れてしまった。

 

、、、確かに今回立ち合いの業者さんは懇意にしており、
この物件以外にもさまざま工事をしてもらっており、
何なら自宅の修繕もお願いしています。
確かに釘を刺してなかったな。

おそらくですが、この度の修繕で銀行の立ち合いや、見積調査で、
業者さんにもいろいろお手間をかけていたので、
私をかばうつもりで、

「色々物件持ってるから、慣れてる大家さんで、そんな心配しなくても」

 

的な事を言って下さったんでしょう。
(後で確認したらばっちりその通りでした。苦笑)
これは、、、まあ仕方ございません。
とにかく今は銀行員に説明をしないと。

で、隠し通す事でもないので、上記事情をちゃんと説明します。
特に今回のケースは時系列的に、
この物件を買った「後」に買い増していった物件について
銀行に伝えてなかった
(別に「買ったら言ってね」とも言われてませんでしたが笑)
という所が奏功して、

 

「わかりました、まあ僕じゃなくて同行した嘱託の社員が、
それで騒いでるんで、時系列説明して何とか収めておきます。」

となりました。


「あんたや無くて、嘱託かい!元気なおじいちゃんやな!」
と電話終わってから突っ込んでおきました。

、、、
こうしてついにこれまで積み立てた約500万を取り崩す事が出来ました。

長かった。。。
ただ、なんとなく銀行の出方、というものの典型を学んだ気がします。

 

本日もお読み頂き、ありがとうございます!