2021年6月23日、LAが誇る炎のロックンロールバンド、Buckcherryの約2年ぶり9作目のアルバムがリリースされた。
 
今、Buckcherryは何度目かの好調期にあるようだ。
前作『Warpaint』もBuckcherryらしい、ハードロックとロックンロールを融合させた秀作であった。
本作は前作の勢いにさらに磨きをかけて、質を向上させてきたことが感じられる。
 
Buckcherryは2017年にジョシュ・トッド(vo)の盟友であるキース・ネルソン(gt)が脱退。
デビュー以来、バンドの中心を支えた2人が袂を違え、どうなることかと心配した。
 
その後、バンドはジョシュとスティーヴィー・ディー(gt)が中心となり活動を続けてきた。
2019年発売の『Waraint』のすばらしさ、発売後の日本公演などを見ると、キースなきBuckcherryも素晴らしいものがあると実感した。
キースのいない寂しさはぬぐいされないが。
 
さて、本作では、ジョシュ、スティーヴィーに加え新たにプロデューサーとしてマーティ・フレデリクセンとタッグを組んで取り組まれている。
マーティ・フレデリクセンはBuckcherryのバラードの名曲の1つである「Sorry」のソングライティングに加わるなど、Buckcherryへの貢献も高く知られているほか、Aerosmithでの「Jaded」への参加などでもその名を馳せている。メロディーセンスの良さが身上のプロデューサーであると私は思っている。
 
そんなマーティがプロデューサー兼ソングライティングに加わったBuckcherryの本作は、それぞれの個性が生かされた素晴らしい作品に仕上がっている。音は、ソリッドでハードロッキン。とても勢いと生生しさを感じる出来である。ソングライティングに関しては、ギターリフとメロディーラインの絶妙なコンビネーションを聴かせてくれる。ギターリフのすばらしさは特筆すべきだろう。そして、Buckcherryらしい秀逸なバラードも収録されている。
 
総体的に文句のつけようのないアルバムに仕上がっている。
なんせ、1曲目から3曲目へのハイヴォルテージな展開だけで、このCDを買う価値はある。
 
試聴

 

2曲目の「So Hot」

1stから2ndのころを彷彿させる火の玉ロックンロール

 

3曲目

ジョシュも影響を受けたというAC/DCのリフを彷彿させる

ハードロッキンナンバー

 

評価

90点/100点