まずはタイトルに驚いてしまうのだが「5万4千円でアジア大横断」できるのか?

それをやってのけるのが下川裕治さんなのだ。

                  

本書の内容は、「これぞ最強のバス旅」。

東京からトルコまでバスを乗り継いでアジアハイウェイをひた走る。

距離にして1万7千二十キロ。27日間のバス旅。

51歳にもなる下川氏が30歳の料理人とカメラマンを引き連れてひたすらバスに乗るという旅行記である。

 

下川裕治さんはバックパッカースタイルの旅本を数多く執筆されている。

そのどれもが苦痛をいとわない酔狂な旅であるのだが、本作もそれに違わない。

なぜそこまでに酔狂な目的にこだわるのか。

少し超人的なところがあるが、そこが面白いところなのである。

 

本作はひたすらバスに乗りまくってアジアを横断してしまった。

数々の国をバスを乗り継いで超えていく。

国境を超えるたびに文化が変わっていくのを肌で感じ取る。

それをさらりと表現してしまう文章にどんどんと引き込まれてしまう。

 

バックパッカー旅を数多く経験されてきた著者ならではの視点で、変わりゆく国の様子を描写されているのも読みごたえがある。

 

旅行記を読ませてもらう分には非常に楽しいのだが、実際にやってみると、どうなんだろう。興味はある。