東前頭筆頭・熱海富士が大関・霧島に押し倒しで快勝した。自己最高位で新三役昇進のチャンスの中、初日からの大関3連戦を2勝1敗で乗り切り、白星を先行させた。先場所は尊富士が110年ぶりとなる新入幕優勝をやってのけた。21歳のホープも同部屋のライバルの快挙を刺激に、夏場所の主役候補に名乗りをあげる。カド番の霧島は痛い2敗目となった。
* * * * * 勢いの違いが土俵の光と影になった。熱海富士は霧島に圧力をかけて背中を向けさせた。相撲内容、動きとも幕内上位の貫禄だ。体つきも変わってきた。筋肉がついてゴツゴツしてきた。張りも申し分ない。てんぐになった時期もあったかもしれない。そこは伊勢ケ浜部屋の猛稽古。稽古でもまれ、鼻をへし折られ、いつも新弟子の気持ちで土俵に上がっているのだろう。
番付がガラリと変わる“新しい地図”の重要なピースだと信じている。大関昇進は早いと思う。小結1場所、関脇3場所が私の青写真。古い表現で恐縮だが、上位陣がだらしない分、チャンスは“今でしょう”。
霧島は暗い影を落とした。立ち合いの形は良かったが、当たれていない。熱海富士に押され尻から土俵に落ちた。これはよくない兆候だ。首をけがした影響はある。まだ3日目だが、苦しい場所になるのは確か。カド番脱出の出口はまだ闇の中だ。(元大関・琴風、スポーツ報知評論家)
霧島は場所前精力的な稽古で、期待されたが子の体たらくは何としたことでしょう。