新三役・大の里を待つ試練 元・嘉風の中村親方独立で懸念される「監視の目がなくなる問題」 | ジョン斉藤の世界

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 史上2位となるデビューから所要6場所での新三役を果たした大の里。幕内に昇進後は2場所連続で11勝を挙げている。5月場所では、5月12日の初日から横綱、大関陣と対戦が続くかたちとなる。序盤戦の成績次第では大関、横綱への足掛かりにもなる重要な場所となるが、そんな大の里の先行きにいくつかの不安要素が顔をもたげている。 

 場所前の春巡業中の4月22日には、大の里が同じ二所ノ関部屋の幕下以下の未成年力士と一緒に部屋内で飲酒したとして、相撲協会が大の里と師匠の二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)に厳重注意の処分を下した。処分のきっかけになった『週刊新潮』の記事では、「19歳の力士が一部の弟子たちからいじめを受けており、大の里が調子に乗って先頭に立っていじめをエスカレートさせていった。風呂場で面白がって大量の酒を飲ませていた」ともある。 

 まだ明らかになっていない部分も残る騒動だが、ほかにも大の里をめぐる環境についての不安要素が出てきた。協会関係者が言う。 「二所ノ関部屋付きの中村親方(元関脇・嘉風)が、9月場所後の理事会を経て独立することが決まった。中村親方は尾車部屋の閉鎖(2022年2月)に伴い、内弟子と一緒に二所ノ関部屋へ移籍してきた。いずれ弟子を連れて中村部屋を興すのは既定路線とされていたが、このタイミングなので関係者の注目を集めています」

 尾車部屋が閉鎖された際、押尾川親方(元関脇・豪風)は中大出身の矢後を連れて独立し、中村親方は日体大出身の力士を引き連れて二所ノ関部屋に移籍した。二所ノ関一門関係者が言う。 「現役時代に熱血男といわれた中村親方が、斬新な部屋経営を目指す二所ノ関親方に惚れての合流といわれていたが、最近は相撲の方向性が違うとのことでしっくりとはいっていなかったという。

そうしたなかで、大の里が未成年に飲酒させる問題も発覚した。中村親方はもともと独立の準備を進めていたが、内弟子の教育にも影響が出そうだから独立の時期を少し早めたようだ。 

 新しい部屋は今年3月まで使われていた両国駅前の旧陸奥部屋の建物に、賃貸で入居する予定だといいます。国技館が至近距離で立地は抜群。陸奥親方(元大関・霧島)が経営する『ちゃんこ霧島』の裏手にある不動産会社所有のビルです」

 中村親方は尾車部屋付きの親方だった時代から出身校の日体大OBを中心に友風、宮城ら内弟子を獲ってきた。2022年に内弟子8人を引き連れて二所ノ関部屋に合流後も、日体大の嘉陽と白熊(高橋=当時)を入門させた。中村親方の独立となれば、そうした内弟子を引き連れて部屋を興すことになる。前出の二所ノ関一門関係者が言う。

「二所ノ関部屋には現在、24人の弟子がいるが、中村親方が独立となると友風、白熊、嘉陽、宮城、麒麟龍、和氣の里など8~10人が一緒に移籍するとみられている。大の里は日体大出身で、中村親方や白熊を頼っての入門ではあったが、二所ノ関親方の弟子ということで移籍はせずに二所ノ関部屋に残ることになる。  現在も部屋の番付最上位は新小結の大の里だが、幕内の友風、十両の白熊、幕下上位の嘉陽、宮城、麒麟龍などが大量に抜けるとなれば、大の里の稽古相手がいなくなるのが不安。さらに心配されるのは大の里にとっての重しがなくなること。  同じ日体大出身の先輩だった友風、宮城、嘉陽らに加え、中高大と1学年上で頼ってきた白熊の存在は大きかった。日体大の大先輩である中村親方も含め、先輩たちに見守られながら大の里はのびのびやってきたわけだが、先輩たちが押さえを利かせてきた面もある。そうした監視の目がなくなった時に、どうなるのか。週刊新潮が報じるようないじめがあったとすれば、エスカレートする懸念もゼロではない。

師匠である二所ノ関親方の指導力が問われることになる。二所ノ関親方は将来の理事長候補といわれてきたが、最悪の場合、理事にもなれない事態になりかねない」

  令和の大相撲を担うことが期待される二所ノ関親方と大の里の先行きには、まだひと山もふた山もありそうです。大の里に関しては、本来の資質の問題もありますが、強い自制心を発揮して今後いじめをしないようにしてほしい。二所ノ関親方も、弟子の管理を徹底していただきたい。