おーい、俺はポエムを書くぜ!
おぅい、近鉄は今何位だ?
え?近鉄はない?
あ、そう。南海は?阪急は?
なくなったのかあ。
俺っちがビョーイン入ってた間にそおんな変わったけ。
変なおっさんだ。其が彼の第一印象だった。
よく友達と行ってた酒屋にいた酔っぱらいだ。やはり今思い返しても変なオッサンだ。
夕方から深夜まで、独り言を友達に盃を交わす。
不思議と周りから嫌がられない。
さもありなん。回りは日頃の気を祓う為に騒いでる。そんな中で、特等席とも呼べる奥座敷に入れられてとにかく飲みまくる。
滅茶苦茶な飲み方だ。ビール、チューハイ、ビール、ビール、カクテル、ビール。
スゴい勢いで飲みまくる。
回りの客の分まで飲んでしまわないか。
其が不安だった。
その心配はやがて無用と知る。
彼は9時キッカリに帰るのだ。
酒代は、彼の親族が払ってるらしいが、良くは知らない。
彼は事有れば、野球の、特にパ・リーグの話をする。
南海、阪急、近鉄。
何れも消えてなくなった球団だ。
しかし、彼のなかでは、未だに活きているんだろうか。生き生きと話をする。
正確には論じてるか。
珠にウルセエとやられるが、その時は丁寧に詫び、赦しをこいて、静かに飲みはじめる。
彼を暫く観察していると、珠に黙って酒を片手に、クレヨンか色鉛筆で絵を描きはじめる。
始めたら最後、描き終えるまで描く。
時に球場の絵、時に人、時に風景や抽象画を描く。
終わったかなと思えば、詩を書くこともある。
冒頭の彼の言葉は此れで繋がる。
次には彼のビョーイン生活と絵の描きはじめた理由と最期を書きたい。