チャート上、今回の下落局面での底打ちは確定しました。まだイラン情勢は不透明なまま残りますので、2番底を形成する可能性はありますが底割れしないと考えています。
これもいつものことで、下落局面では悪材料の度に下値を切り下げ、底入れすると悪材料の度に下値を切り上げる展開になります。
さて、今回のホルムズ海峡閉鎖に伴う日本のエネルギー政策について調べてみました。
2025年2月の石破政権時に閣議決定された第7次エネルギー基本政策の内容です。

電源のエネルギーごとの比率をCloudeを使ってグラフにしてもらいました。
2025年の実績(速報値)が一番上のグラフ
LNGに次いで多いのが石炭火力なのは意外でした。石油は3番目なので、今回のホルムズ海峡閉鎖の影響はかなり少ないです。LNGは中東割合が少ないので全体で見ても軽微なのことが分かります。
5年ごとにこの比率がどのように変わっていくかを見ると、一番伸びているのが太陽光でその次が風力、化石燃料3種は順次減っていく。原子力は再稼働が前提でSMR(小型モジュール炉)以外の新設は無し。
風力発電は既にとん挫していると思われます。
太陽光も再エネ賦課金廃止または削減が言われており
こちらもかなり怪しくなってきました。
変わって高市政権下で加速するのはペロブスカイト太陽電池です。
2024年11月の次世代型太陽電池戦略で示されていた構成比。

ペロブスカイトとタンデム型を今後加速して導入していく流れになるようです。
ペロブスカイト太陽電池は液晶のフィルムのような構成でこのフィルムを何層か積み重ねて光を吸収し発電します。
特徴は曇りや雨の日でも発電でき、夜間の蛍光灯の光でも発電できることです。発電効率は既に今のSi型と同等になっているそうで、中身はヨウ化鉛でヨウ素は水の中に大量にあるので安価にできます。
技術的にもほぼ確立されているので、あとは量産化によるコストダウンが課題。
政府の補助もあるのでこちらは加速しそうです。
バックアップの位置づけであったLNG開発は今回のホルムズ海峡閉鎖で加速しそうです。将来の水素、アンモニア発電もコストの観点からLNGから水素を作ることになりそうです。

現在のLNG輸入が多いのはオーストラリアで、これから開発して増やしていくのがオーストラリア、インドネシア、米国です。
INPEXがおもに寄与するのはオーストラリアとインドネシア。

現在、INPEXの収益の約70%がオーストラリアのイクシスからのLNGです。INPEXはイクシスの権益だけでなくオペレータとして採掘にも携わっています。今回の危機で長期契約で日本に輸入する分以外にスポット市場に流していた分を優先的に日本に回す決定をしました。
更に増設も検討しており、オーストラリアからの輸入は増える見込みです。
それに加えて大きいのはインドネシアのアバディの開発分。現在、設計段階で2026年中に完了し、2027年には開発企業決定しプロジェクト着手。2030年から採掘の流れになります。
CCSと言う出てくるCO2を地中に埋め戻す日本発のLNGになる予定です。これらにより日本の需要の約22%を賄えることになります。
3月末にインドネシア大統領が来日し高市首相と会談。
記事には書かれていませんがアバディプロジェクトの前倒しを強く要請されたそうです。
LNGは発電だけでなく

水素の製造にも使われるので、今後AIデータセンタのバックアップ電源としても有力視されています。
更にLNG採掘の際に一緒に取れるコンデンセートが今話題になっているナフサになるので重要視されています。
※コンデンセート(Condensate)は、天然ガス採掘時に地表で凝縮・分離される、非常に軽質な液状炭化水素(超軽質原油)です。ナフサ成分を多く含み、石油化学原料やガソリン・ジェット燃料の基材として利用されるほか、熱水の凝縮物を指す場合もあります。
蛇足ですが、原油を精製する際にナフサもできるのですが日本の場合はほぼガソリンに混ぜて消費しているので、プラスティック原料には行ってないそうです。プラスティック原料用には別輸入していますが、LNGは中東以外の地域でも採れるので調達先を変えることは可能なようです。
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こうしてみるとINPEXは今後10年くらいは有望ですね。去年少し売ってしまったのは失敗でした。もう少し良く調べて置けば良かったです。原油価格が下がると株価も下がるので押し目買いを狙いたいところです。