母を送り出すまでに
決めなければならないことの多いこと…
母中心に物事が廻っていたことを
改めて実感する。
駆けつけて来てくださった方が
口ぐちにこうおっしゃる。
「早すぎるね…」
「まだまだやりたい事があっただろうに…」
70代半ば、確かに若い。
でも、自分で納得して逝ったと理解した私は
性格的にも彼女は憐んで欲しくないだろうなぁと心の中で密かに思ってしまう。
時間は淡々と過ぎて行く。
私の心に波風は立たない。
穏やかな気持ちで棺を覗き込んで
姪っ子と二人で静かにおしゃべりをする。
かけがえのない時間。
この瞬間も母の教えなのだと感じる。
いのちの灯火が消えてもなお
与え、そして、教え続けてくれるのだ。
送り出す日はもの凄い吹雪だった。
参列してくれた友達が泣くから
その姿に何故かもらい泣きをしたけれど
悲しみの涙は結局は流れなかった。