東京ミニトリップ3「リヤ王」雑感 | ジョモ子のブログ

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ジョモ子の徒然なる日記

シェィクスピアの4大悲劇の一つ「リア王」が

さいたま市で上演されることを新聞で見て

行ってみたくなった


74才の平幹二朗主演

72才の蜷川幸雄演出

現代日本を代表する演劇人のコラボレーション

これを見逃したら年齢的にアウトになるかもしれない

そんな思いに駆られ 無理を乗り越え

彩の国さいたま芸術劇場へ


思ったより小さいホールだった

舞台は板の壁で三方をおおった能舞台様

正面には大きな松の絵が描かれ

二つの大きなつぼに紅白の花が生けられており

思わず「ぎょっ」とした

蜷川さんらしい「奇をてらった」舞台演出?


そこに登場したのが全身モコモコ毛皮をまとった貴族の集団

古代ブリテンの蛮族ファッションらしいが,あまりにもゴージャス

そのミスマッチに正直混乱してしまった


年老いたリヤ王か三人の娘たちに自分への愛と忠誠を誓わせる

有名な場面

新聞では,新しい解釈で表現すると書いてあったので興味があった

「老い」を迎え,不安やあせりにさいなまれるリア王

姉娘二人の歯の浮くような甘言にも「疑問」を抱く理性も余裕もない

一番可愛がっていた末娘のコーデリアの期待はずれのそっけない言葉に

少し残っていた理性も吹き飛んでしまい

忠臣のケント伯の必死の諫言も王の心にはもはや届かない

真実の言葉を理解できなくなったリア王は悲劇へころがり落ちていく


平幹二朗のリアは絶対的存在感でぐんぐん引き込んでいく

脇を固めるベテランのシェイクスピア役者もすばらしい

抑えた演技でもしっかり届いてくる

「さすが!」

日本人の日本人による日本人のための最高のシェークスピア劇

蜷川の心意気が伝わってくるキャスト・・・と思ったのはそこまで

がっかりしたの女優陣

中でも初舞台だというコーデリア役の内山理名

単なる乙女らしい潔癖さを表現するのではなく

「幼く,老いた親の思いを受け止めることができず,表現する言葉もたない」

という蜷川の新解釈を表現するにはあまりに力量不足だった

声を張り上げ 一生懸命にセリフを唱えているのだが言葉も思いも届いてこない

だれにでも「初めて」はあるものだが,許容を超えている

人気や知名度でなくその力量に合わせたキャスティングをしてほしかった


一番感動したのはカーテンコールだった

平幹二朗が正面奥からスポットライトを浴びて登場したとき

「これこそスター」と思ったとたん涙が出た

若い頃夢見た「想い」が噴き上げてきた