茶懐石、そして初めての清麻 | 人形姫の視る夢は・・・

人形姫の視る夢は・・・

着せ替え人形コレクターかりんの日々の記録です。

気がつくと、梅の花の咲く季節となり。

冬の青空が美しい。

昨日の雨に洗われたかのよう、空気も澄んで・・・

いえ、もう花粉が飛び始めているそうな。

もうそんな時期ですか、と毎年この時期、スギ花粉のニュースで

春の訪れを感じるなんてちょっと苦笑。

ともあれ、季節の移り変わりは早くて、

まだまだ寒さは続くというけれど、

なんだかやっぱりもう、

春は近づいてきてるんだな、と感じはじめている。

 

つくづく思うが私は、物心ついたころから意気地がなくて、

実現、行動するという意欲が人より欠けていた。

好奇心はあり、色々やってみたいと夢見る力はあるのだが、

いかんせん、人と一緒にいると疲れ、

集団を見るともうやめたくなる。。。

どうしろっちゅーの、みたいなわがままなのに、

気がつくとなんだかんだでうまくやってこれたのは、

いつも必ず誰かしら、そばにきて友達になってくれ、

少しだけやろう、と

何気に背中を押してくれたようなことが大きかったと思う。

ほとんど信心らしい信心は何もしていなかったのに、

優しい神の御加護を多分頂けていたのだろう。

それでも嫌、というほどまでに

面倒くさがりでもなかったのかもしれない。

というか、ただ家にいるだけではダメなんだということはわかっていた。

本の世界が大好きだから。

物語を読みながら、

主人公たちと一緒に心を重ねて人生を色々生きて試していた。

その物語を始めるためには、どんな立場状況であろうと、

動く、という始めの第一歩がなければ始まらないのだ。

こんな私だからこそ、心からの実感として言える。

待っているだけじゃダメ。

ズボラでもいいからアンテナは張る。

そうしてやっぱり自分で動いてこその開運道なのだ。

 

そんなことを言いながら、私は相変わらずぐうたらである。

ただ若い頃よりは

チャンスを感じたら動く、という心がけはできているように思う。

そんな部分が呼び寄せたのか、

昨年秋にふと出掛けた素敵な和食のお店で、

御茶事と懐石、その料理と作り方から

供する側、供される側両方の作法も含めて、

気軽に楽しく学んでみませんか、何も知らなくても大丈夫ですから、

と、まさかのお声かけを頂いた。

オットの方が乗り気になって、

なぜか私だけが通うことになってしまった。

 

和もの好き、なんて私が自分で言い出したのは20年前くらい。

お人形の趣味に没頭して行く中で

様々な文化やスタイルをお人形に模していく中で、

なぜか究極、和柄、和風の雅やかさ美しさ、おしゃれに心がときめいたのだ。

 

祖母から譲られたお着物プラス、

手軽に買える・洗える着物や帯なども集め、

ムスコの幼稚園の卒園式には自分で訪問着を着る、というのを目標に、

着物を着るのに凝った時期。

なぜか私もやる、私も、私も、と集まってくれた友人達と一緒に

着付け教室に通い、

実際それをやり遂げたのは今も楽しい、良い思い出。

(メンバー全員、15分で着られるようになったので、

子供を朝、園に送って行く時から着るようになり、

「着物クラブの人」と呼ばれるようになった)

結婚前の若い頃にも一時着付けを習っていて、

訳もわからず着付け講師のお免状などもいただいていたが、

実生活に全く生かせていなかったが、

やはり生きてくる日がいつかはくるもの。

(今はずっと着てないので色々忘れ、

たまに着ると45分くらいかかってしまう💦)

 

久々に和の世界に色濃く触れられるお習い事ができることが嬉しくなる。

今日はその御茶事・懐石料理のお教室の2回目である。

先生がご用意してくださっていたイカの大きさに皆、仰天。

これ、かなり大きなバットなのだ。

そこから溢れる。

大きなまな板にも当然乗り切らない。

これだけでこの大きさなら、足がついていたら2メートルくらいのものが

海に泳いでいて、それが掴まって、今こうなっているということ?

とメンバーで言い合い、軽く震えた。

 

ヒラメもすごい。

みたことがないほどの大きさ。

人の頭よりかなり大きい。(イカはもっと大きかったけど)

 

他にも様々食材があり、

お米の研ぎ方、出汁の取り方、イカの切り方、魚の捌き方、

野菜の洗い方、皮の剥きかたなどなどをお教えいただき、

夢中で動画を撮っているうちに、

普段ならあり得ない速さでスマホのバッテリーが切れてしまったのが、

今日一番の不覚。

 

せっかく素敵なお料理をいただいたのに、ほとんど写真が取れなくなった。

 

せめてもの片鱗。

御櫃で回していただくご飯をしゃもじですくう、そのやり方にも形がある。

優しいお茶の先生に、器の持ち方、箸の上げ下ろしを教えていただける

この素敵な時間の幸せたるや。

ああ、ボーッとしていただけなのに、

こんな機会を頂けてよかった・・・と思う。

(誰にでもおすすめできることではないが

ある程度、ぼっとしてちょっとスキがある人の方が、

妙にツイてることってありますよね。。。)

 

所作や作法の言われは全て仏教に通じているところがあり、

それが武家の社会に浸透して、

皆が謙虚で畏る気持ちを心に抱きながら、ありがたい命の糧をいただく、

ということが大切だという。

それは日本という国の根幹じゃないだろうか。

私たち大和民族はもともとそういう心を知っている民族なのだ。

感じる気持ちが鋭いというか。

和の国が好き、日本の文化が美しくて本当に好きだなと思う。

 

今日の予定はてんこ盛りで、午後には

清麻の飾りを作るワークショップにも参加させていただいた。

スマホが使えなくなっていて本当に残念。

せめてもの気配を、帰宅後撮った写真から感じてみてください。。。

話には聞き、みたことはあるけれど、直に触って何かの形に成す、

というこの初めての体験に、大変深い感動を覚えた。

こんな機会を、ある日ひょこひょこ美味しいものを食べにきてみただけで、

(安価でお財布に優しいお値段にしてくださっていたこともよかった)

チャンスに恵まれるなんて本当にラッキー。

初めましての皆様とも、素敵な講師の先生の会話と、

同じ作業をやっている連帯感で和気藹々。

大変楽しいワークショップのお時間になった。

 

精麻には不思議な力があると先生はおっしゃる。

もちろん私もそれは聞き及んでいた。

穢れを祓い、場を清浄化する力があると。

だから守り・魔除けに最適なのだと知り得たことがあり、

当時色々、入手について調べたりした。

それでずっと意識に引っかかっていたら、

こんな風なチャンスが到来したのだから、

ありがたいやら、不思議やらだ。

 

触れていると本当に心無心になり、穏

やかで滑らかな気持ちになれた一時。

遠い場所から来てくださった先生が、また来られる春までに、

いただいた材料のあまりで何かを作ろうと思っていたら、

ほろほろといろんなデザインのイメージが

溢れるように脳裏の中に広がってきた。

初作品を大事に飾って、

いただいたイメージの作品作りにとりかかってみよう。

こんなズボラな私でも、やるときはやる、と胸を張れるように。