D・キッサン先生の『千歳ヲチコチ』 | 人形姫の視る夢は・・・

人形姫の視る夢は・・・

着せ替え人形コレクターかりんの日々の記録です。

私が大好きな作品の一つ。

私がKindle unlimitedを選択して、本当によかった〜、

と契約初期の頃に思わせてくれたありがたい作品でもある。

 

まだサブスクリプションというものが今ほど浸透していない頃、

それでも私なりに魅力を感じたので思い切って、

オットと相談して契約したのがApple musicとAmazonのKindle unlimitedで、

この二つは今でも私の文化的楽しみの大きな柱になっている。

 

わからないものは買えない、

買えないから知らない、

知らないままの名作品に会わない・・・ままの人生という、

知らない間に損をしていたかもしれないような状況から、

ワンランク生活が上げる選択肢が広がっている、という豊かさが、

この二つのサブスクからの恩恵だと思っている。

言葉は悪いが、

聴き放題、読み放題なら聴いてみよう、読んでみようと扉を開くのが簡単になり、

その結果、

「出会ってしまった〜!!」

と大感動した事は数知れない。

なんでもハナから否定・拒否せず、

アンテナに引っ掛かったら吟味し、試す、

という勇気・実行は大事なものだと思う。

サブスクだからむしろ、少しでも多く貪欲に楽しもうという意識にすれば、

積極的に関わる気持ちにもなる。

辞める権利・自由はいつでもあるので、物は試し精神がいいかもしれない。

(日割りでお金を返せというのは無理ですけどね)

 

そんなわけで、本当に出会えてよかった!と思えた作品が、

このD・キッサン先生の`千歳ヲチコチ』なのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

平安ものが好きで興味ある人はたくさんいらっしゃるのではないだろうか。

世にたくさんの、平安時代、王朝、宮廷が舞台の作品が溢れているから、

私と同じ好みの方がたくさんいらっしゃるんだわ、と思っている。

私の平安朝の出会いはいつだったのか。

幼少期に母が見ていたドラマなどかと思うし、

絵柄で言えばかぐや姫?が人生初の良く見る十二単の世界だったかもしれない。

はっきり意識したのは、少女期に大和和紀先生の「ラブパック」(あさきゆめみしはだいぶん後)

氷室冴子先生の「なんて素敵にジャパネスク」、

もう少し経ってからは夢枕獏先生の「陰陽師」などに触れ、

田辺聖子先生の「落窪物語」にもキュンとしたりして、以降色々読んできている。

 

それでKindleunlimitedを試し始めた頃、この作品に出会ったのだ。

可愛く見やすい絵柄で、軽やかに始まる物語。

軽やか。

それで間違い無いのだけれど、すごくきちんと当時の慣しが描かれ、

わかられた上で崩せるところは崩してすごく楽しい物語になっている。

当時の文化や価値観と、現代感覚が絶妙にマッチし、

そこはかとなく散りばめられた笑いのツボがたまらない。

そして純で素直なヒロイン、チコと名門貴族の御曹司である享との不思議な出会い。

当時らしく、きっかけは文なのだが、

互いを知って送り合ったのでは無い。

行き違いで触れた手紙が互いを繋ぎ、思いあって、

会えそうで会えない、すれ違いの、でも暖かくて柔らかい、

本当に可愛い素敵な物語なのだ。

 

今日のXでD・キッサン先生が「あまり売れなかった」と呟いていらしたので、

そんな、なんてもったいない!と思って今日、この感想を上げてみた。

 

Kindleunlimitedは一度に利用できるのは10冊までと決まっている。

でも読み終わる都度、本の利用を終了にすれば無限に何冊でも、

unlimitedに入っている作品は読み放題できる。

だからお気に入りも一旦解除して、また読みたくなった時にunlimitedに残っていれば、

無限にずっと読み続けられる・・・かもしれない。

でも期間内しかunlimitedになっていないものが多いし、

何より作者さんを応援したくて。

この物語が大好きになった私はあえて全部購入しなおして。

今もほっこり、可愛い世界を楽しんでいる。

仲良きことは美しき哉。

そんな気持ちになられたい方は是非。