ジョルト「…ここは?」
暗がりの中、静かに地下へと伸びる階段がジョルトを誘うかのように扉を開けた。
先がまるで見えない暗闇なのに、恐怖よりも本能が『理解した』かのようにジョルトの足歩を進めた…。
ギイ…ギイ…
おそらくここ数年は誰も訪れたことがないと思われる階段を少しずつ降りていく…。
ギイ…ギイ…トン
さほど段数はないはずなのに、暗闇のせいか、または異質な空間のせいか、永遠に続くかと思われた階段は終わり地下の空間へと辿り着く。
ジョルト「…真っ暗だ。…ここはいったいなんだ?この10年間この教会は調べ尽くしたはずなのに、こんな空間があったなんて…。何も見えないが、何か明かりは…。」
ブンッ
ジョルト「…ハッ」
何も触っていないはずの空間に、いや、正確には「部屋」と呼ぶにふさわしいであろう場所に明かりが灯った。
電気など通っていないはずの無人の教会…。
ジョルトが自分の意思とは関係なくピアノを弾いた途端、地下への隠し扉が開き、そして電灯のスイッチを触ってもいないのに勝手に明かりが灯ったこの『部屋』…。
ジョルト「…勝手に明かりがついた。…ここはいったい?さっきの勝手に左腕が動いたことといい、いったい何が起きてる…?そしてここは…」
無数の紙や古い書籍が机の上や床にばら撒かれ、大量の埃がその上にたまり、辺りはカビ匂いが充満している。
ただの使われなくなった書庫のようなその部屋は、壁一面に何かが貼ってある…。
紙のような…、写真のような…。
ジョルト「…人の写真か?…どこかで見覚えのあ……ッ!!…こ、これは…ッ!?」
壁一面に貼られていたのは『子供の写真』。
それもこの教会で育てられ、『里親に引き取られていったであろう』子供たちの数々の写真が壁一面に貼られていたのだ。
時は10年も経っているため、写真は色褪せたり破けてしまってはいたが、かつてはジョルトが『お兄ちゃん』『お姉ちゃん』と呼んだ子供達があの頃と変わりなくこちらに向けて微笑んでいる。
一人一人の写真がじっとこちらを見ているような、そして今にも語りかけてくるようなそんな悪寒を感じ、ジョルトは後ずさりをしてしまった。
ジョルト「…ここの写真に写っているのは…。みんなタイラー神父に『喰われた子供たち』なのか…」
愕然とした表情を浮かべ身体の力が抜けてゆく…。
…しかし。
「…はぁぁぁ。やっと見つけたぁ。なぁ、お前さんがここに来たってことは『当たり』ってことだよなぁぁ?」
…!
後ろの方から男の声が聞こえ、ジョルトは振り返った。
ジョルト「…誰だ!?」
明かりの届かない地下室の階段辺りに人の気配がする…。
「質問してるのはこっちだぜェェ。なぁ、お前さんが『持ってる』んだろ?ずっと後をつけてた甲斐があったなァァ」
ジョルト「…誰なんだ?!…!!グッ!…急に腕から血が……ッ!…この切傷はいつの間に………ッ!?」
気づくとジョルトの右腕から血がポタポタと垂れ、無数の切傷がビッシリと浮かび上がっていた。
「ハッハァァァ!お前さんは既に俺の『射程距離内』だッ!…どうせすんなりと渡すつもりはないだろうから、ジワジワといたぶってから吐かせてやるぜェェェェ…ッ!」
ジョルト「『射程距離』…だと?これはまさか『スタンド能力』…か!?だったら…!」
無数の切り傷が浮かび上がり、攻撃を受けたジョルトはまっすぐに相手を顔を見つめ、こうつぶやいた…。
ジョルト「…『ハードネス・オブ・ザ・ワールド』…!!」
To be continue
