行きつけのお店に顔を出した。


「あ! うちの店の前に新しく占いのお店が出来たみたいですよ〜。

10分、2200円。行ってみたらどうですか?」


占いかぁ。


雑誌の占いコーナーや、おみくじのように何気なく触れることもあれば、何となく大きな節目にヒントをもらいに行くこともある。


今まで関わった占い師の方には悪い印象はなかったし、オープンしたてとの事もあって、入ってみることにした。


オラクルカードで、これからの仕事運を見てくださるとのこと。


切られたカードをばーっと目の前に置かれ、

「1枚引いてみてください」と言われる。


言われた通り1枚選ぶ。


どんな鑑定なんだろうと、少しワクワクしながら待っていたら、


「あぁ、〇〇番ですね」


と、おもむろに冊子を読み出した。


そのあと何か言葉があるのかと思って待っていたけれど、


「あ、まだ時間あるのでもう1枚どうぞ」


2枚目も同じように読み上げられて終了。


「では、時間なので2200円です。

もし詳しい鑑定をお望みなら、こちらとこちらと……」


そう説明されて、お店を出た。


正直、2度と行くもんかと思った。


10分に過度な期待をしていたわけじゃない。


でも、

ただ書いてあることを読むだけなら、

私は何を受け取りに来たのだろうと思ってしまった。


その人の言葉で伝えてもらうこと。

その場でしか受け取れない何か。

私が欲しかったのは、たぶんそういうものだった。


その時、ふと思った。


私はここに何を求めに来たのだろう。


重たい気持ちで縋るように来たわけではなかった。


何かヒントがあればいいかな。

そのくらいの気持ちだった。


だから、返ってきたものも、それ相応だったのかもしれない。


そう考えた時、

今の私に必要な声は、外から貰うものではなく、内との対話なのだと思った。


身体の声を聞き始めたこと。

そこから少しずつ、自分の声にも耳を傾けるようになったこと。


何か答えが欲しい時ほど、外に探しに行きたくなる。


でも、本当に必要な時は、

もう自分の中に小さく在るのかもしれない。


2200円は、安くはなかった。

その瞬間は「何あれ」と腹も立った。


でも、時間が経つうちに、あの出来事は別の形で自分の中に残った。


今日はまた少しぶり返していて、痛み止めが手放せていない。


そんな日でも、前ほど焦らなくなった。


外に答えを急がなくても、

まずは自分の内にある声を聞いてみる。


今の私は、そこからでいいのだと思う。