ながら見をしていたテレビの音に、ピクっと反応した自分。
『お金って怖いよね〜』コメンテーターの言葉。
そこで何となく流れていたテレビを見始めた。
100億円の資産を持つ夫婦が殺害され、5番目の息子も被弾し車椅子になったという事件。
犯人は誰だ⁉︎という番組だった。
犯人は次男だった。
実際の葬儀の映像が流れ、鼻を啜りながら泣きじゃくりながらお別れの挨拶をしていた彼が…
でも、私が引っかかったのは、そこじゃない。
エンディングのナレーションだ。
育ててもらったのに。
身勝手な殺人。
犯人候補は3人いた。
母親は不動産経営でも資産を得ていた。
その賃貸物件の借主とのトラブルでの事件性。
財産管理者が事件直前に変わった。
長男に財産を譲るように画策したのではという事件性。
夫婦に離婚危機が勃発した時、父親が付き合っていた女性。
彼と結婚出来ていたら莫大な財産をもらえるはずだったという事件性。
でも、そのどれにも当てはまらなかった次男の理由は、お金とは全然関係のない、親子関係が元だった。
19才の彼は当時10歳年上の人と交際していた。
それを知った母親が、そんな人とは別れなさいと、遠く離れた学校に入学手続きをし、強引に破局させてしまった。
父親も自分を擁護してくれなかった。
それがどうしても許せなくてこの事件が起こった。
次男が悪くないと言いたいわけではない。
ただ、彼の短絡的な答えの導き方は、母親から学んだのだと感じた。
何故、10歳年上の女性ではダメだったのか?
彼の想いは何故聞いてあげなかったのか?
母の正論が、彼の幸せとは限らないのに。
命で償うことではない。
でも、原因は1つではなく、19歳までの親子関係が作り上げてしまったのだろう。
私にも身に覚えはたくさんある。
あなたの為という想いが、目を曇らせていたであろう時間が。
その時は、自分も必死で、揺るぎない物がなければ、育てられなかったのかもしれない。
でも、時を重ね、己と向き合えば向き合うほど、色濃く、今も埋められない棘のようにずっと心に抱えてる。
この事件が普通の家族の事件であれば、もっと本質からズレなかったのかもしれない。
資産家の家。何不自由のない家族。
お金が怖いわけでも、金品目的でもなく、息子が、両親に想いを受け取ってもらえなかった。
悲しい親子関係の破綻が招いた事件だった。
親は子供を育てる。それは子供が欲しいと願って、親にしてくれた存在で、育てた恩を売るためのものじゃないと、思っている。
身勝手な殺人かもしれない。
でも、母親が取った行動も身勝手なのではないだろうか。
どこの家族にも人様には言えない色々がある。
だから、正解はない。
だからこそ、他人の色眼鏡で、裁いてはいけない。
そんな音に捕まった1日だった