女友達は、嫁いだ先によって

なかなか会えない距離に離れてしまうこともある。


今日、12年ぶりに友達に逢うことができた。


四国と関東。

お互い、子育て真っ只中。


天気予報を見ては

大雨だ、大雪だ、地震だ、台風だと

連絡だけは取り合っていた。


彼女にとっては懐かしい駅。

私は迎える側。


私は彼女に気づけるだろうか。


不安になって、

「ここにいるよ」と背景の写真を送る。


「わかった」と返事が来る。


ざわついた人混みの向こうから

ひとりの女性が歩いてくる。


お互い見つめ合う。

マスク姿。体型は昔のまま。


でも、黒髪で、

あの頃の長くてふわふわした髪ではない。


一瞬、戸惑う。

向こうも同じだったらしい。


「良かった〜、違うかと思った」


そう言って抱き合った。


やっと会えた。


その瞬間、時間は一気に遡る。


昔と違うところを見つけては

パズルのように埋めていく。


「昔はね」「あの時さ」


12年を一気に語り合う。


親の話。

子供の話。

そして、自分の話。


時間はあっという間に過ぎていく。

食べ物の味を語る間もなく。


去りがたい。


でも、次の約束をした。


次は、12年も空けずに逢おうと。


昔はご近所さん。

「じゃあね」の先はすぐそこだった。


今は、改札からホームへ向かう

後ろ姿を見送る。


やっと、お互い少し自由になった。


言い訳と言われるかもしれないけれど。


飲み会に行くだけでも、


子供はどうするの?

予算は?

それは必要な付き合いなの?


そう聞かれるたび、言葉に詰まった。


頑張って説得して決めたとしても、

何となく漂う空気を察すると、

次を決めるのが嫌になる。


誘いを断れば、

だんだん遠のいていく。


でも仕方ない。


家の中の居場所を壊したくなかった。


そんな葛藤。


だから四国、ましてや泊まりなんて

言い出すことすら出来なかった。


でも。


今の自分なら、

もう少し自分の声を優先させる勇気を

持てたかもしれない。


過去を思い出すと、

まだざわつく空間がある。


だから、あの頃を

すぐに解決することは出来なさそう。


でも、ここからは

私の声の通りに行ける。


過去とは戦わない。


また、ここから1日目が始まる。