上池台坂探訪 | 上京パンダ

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東京四年目のパンダ。

冬の休日、坂を訪ねて三千里、大田区の坂を歩く。
目黒駅で東急目黒線に乗り換えて洗足駅で下車。私鉄の小さな駅だけど地下にホームがあるので近代的。駅前はいくつかの通りがあるものの繁華街といった感じはなく、住宅地のど真ん中に来た感じ。いちょう通りにはすっかり葉を落として寒そうなイチョウの木が並ぶ。

駅からふらふらと南下。このあたりからすでに坂が出現する。東急大井町線を越えて洗足池公園へ。大きな池の周りを歩ける公園で、緑あふれる大田区民のオアシス。


池のそば中原街道を渡り、今度は東急池上線を越えてさらに南下。長原駅まわりの商店街を通る。そこそこの規模のぱすてる長原にはそこそこの人通り。夕方は多くなるのだろうか。

ふらふらと南下。ここからはでこぼこした地形に住宅地が広がる一帯。坂を下ると小さな池が見えてきた。名前を小池公園。洗足池の10分の1くらいかな?水鳥の群れが優雅に水面を進む。穏やかな午後の空気の中していよいよ坂の街上池台へと足を踏み込んでいく。



長い下り坂の先はぐっと上っていくまっすぐ伸びる庄屋坂。坂のそばには庄屋さんがあったのだろうか。大田区のでこぼこには、下りて上ってのまっすぐ長く伸びる坂がたくさんあって楽しい。

谷底にあたるところを少し広めの通りが通っていて、ゆるやかに傾斜がみられる。ここらへんのメインストリートといった感じの貝塚坂。道沿いにはスーパーや飲食店が結構あって車通りも多い。






大通りから住宅地のほうへと戻り急こう配で上る坂をめぐる。まず登場は「こうの巣坂」。丸穴マークがびっしりの住宅地の間をつんざく急な坂。こちらには昔こうのとりがいたとのこと。
お次は「蝉坂」。こちらはゆるく曲がる坂。急こう配の坂のあとの安心感。その昔蝉がいたかは定かじゃないけど、いてもおかしくないけど、というか今もいるだろうけどこの日は蝉の声は聞こえず。
貝塚坂の南側へと進入していく。



こちら側も急こう配の坂がたくさん出迎えてくれる。大きなマンションの脇を通る上り坂は「大久保坂」。大久保さん家の坂だったみたい。上りきると結構疲れる。大久保さんも苦労したことでしょう。
さきほど登場のこうの巣坂と向かい合ってるのが「稲荷坂」。坂の途中には小さな公園。こちらも大久保さん泣かせの結構な急こう配。眺めがいいね。
なだらかに曲がりのびる「猿坂」。もちろん猿はいない。





さらに南へと住宅街をふらふら歩いていくと東海道新幹線にぶつかる。線路を越える橋の上からフェンス越しに線路が見える。しばらく待っていると新幹線が猛スピードでやってきた。はやい。こんど乗った時ここを通るとき注意して外を見ておこう、ここだ!って思おう。線路を挟んで両側は坂になっていて、名前を「相生坂」。仲良し双子の坂。時々あいだを高速でじゃまが入るけど。そういえば新宿区神楽坂にも同じ名前の双子がいる。
そこから南も同じように住宅地が広がる。「八幡坂」「六郎坂」。でこぼこと坂もたくさん。良い坂多い大田区。




坂の楽園大田区で最も有名な坂といえば「桜坂」でしょう。ましゃ(福山雅治)の曲で有名なあの坂。坂道散歩の最後にちょっと足をのばしてそんな全国区の坂を見に行く。夕暮れの街を西へてくてく。東急池上線御嶽山駅と東急多摩川線沼部駅の近く、二つの線路に挟まれたところにある短い坂。段丘を切り崩したように低い所を道路が走り両側は高い壁になっている。途中には小さな赤い橋(桜橋)が架かっている。春は道沿いの桜が咲いてきっときれいなんだろう。ましゃファンはみんなここに来るのかな。





桜坂からまっすぐ進むと沼部駅前に出る。このあたりも多摩川沿いの高低差の多いところ。いくつか夜の坂を通り見ながら住宅街を抜けて御嶽山駅の方へ戻る。駅そばの御嶽神社にちょっと立ち寄る。境内にはライチョウの描かれた大きな絵馬が置かれていた。闇夜に浮かぶライチョウ。
東急池上線で帰ろうと御嶽山駅へ。夕刻の音とにおい、帰宅を急ぐ人影、買い物客のざわめきが似合う、東京郊外らしい空気感が漂うこじんまりとした小さな私鉄の駅。一度はこういう場所にも住んでみたいなとつねづね思う田舎者パンダ。


大田区のでこぼこをたくさん歩いて大久保さん並に足腰が鍛えられた、坂道たくさん上池台散歩でした。



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