3府県連続リンチ殺人:元少年3人の死刑確定へ 遺族「望んだ結果出た」
◇支援者「更生した姿見て」
94年に少年グループが11日間で4人の命を奪った連続リンチ殺人事件は、10日の最高裁判決で3被告の死刑が確定する。事件から16年余。極刑を求めてきた遺族は法廷で涙ぐみ、被告の支援者は「最高裁に更生した姿を見てほしかった」とつぶやいた。【伊藤一郎、北村和巳】
午後3時、第1小法廷。長良川事件で殺害された江崎正史(まさふみ)さん(当時19歳)の父恭平さん(66)は、亡くなる1週間前の写真を胸に母テルミさん(65)と並んで傍聴席の最前列に座った。上告審に被告は出廷しない。「上告を棄却する」。判決の最後に主文が読み上げられると恭平さんは天を仰ぎ、裁判官に深く頭を下げ、テルミさんとともに涙をぬぐった。
元少年らは、正史さんと友人の2人を車で連れ回した理由を「自分たちを見て、笑ったように感じた」と語った。解放したら通報されると考えパイプでめった打ちにし、肌にたばこを押し付けて生死を確認したという。
恭平さんは1審から傍聴を続け「死刑以外の償いは正史を生き返らせることだけ」と考えてきた。判決後に会見。「望んでいた結果がやっと出た。正史も裁判長の言葉を聞いていたと思う」と語り、3被告について「犯した罪の重大さを悟ってほしい」と述べた。
◇
1審で「主犯格」とされた愛知県一宮市生まれの男(35)は今月3日、名古屋拘置所で記者と面会し「取り返しのつかないことをしてしまった。悩み苦しみながら生きていくしかない」と話した。短髪で色白、丸顔。黒いトレーナー姿で現れ、終始穏やかな表情。最後に両手を組んで顔を伏せ、被害者遺族や自分の支援者に対する祈りの言葉を口にした。
男は生後2カ月で母と死別。養母から愛情を注がれず、小学3年時、担任教師に盗みの疑いをかけられ大人を信用できなくなった。非行を繰り返し少年院を行き来した揚げ句、事件に至った。
「拘置所でキリスト教を信仰し、周囲への愛情が驚くほど豊かになった」。13年前から面会を続ける名古屋市の60代女性は話す。「彼はどんな凶悪な事件を起こした人間でも更生できると証明してくれた。死刑にしなければいけないのか」
男は拘置所側の写真撮影を拒んだとして今月9日から懲罰で外部との面会を禁じられている。弁護人は判決後「少年の集団事件の特殊性や、更生可能性を積極的に見てほしかった」と語った。
◇「犯した罪を思えば当然」判決後、男の一人
死刑を言い渡された大阪府松原市生まれの男(35)は判決後、本紙記者、支援者2人と名古屋拘置所で面会し「どんな判決でも受け止める覚悟はしていた。犯した罪を思えば当然です」と話した。
午後4時45分すぎ、男は丸刈り頭に上下茶色の室内着姿で面会室に現れた。支援者が「残念やった」と判決を暗に伝えると、やや顔を紅潮させて「2審で死刑と言われた時からそのつもりだった」「僕も遺族だったらそう(死刑にすべきだと)思う」と伏し目がちに早口でまくしたてた。
事件で殺害された岡田五輪和(さわと)さん(当時22歳)の兄が何度も面会に訪れ、手紙のやり取りもした。この交流に話が及ぶと、男は顔を上げて「それだけでも生きていた意味があった。申し訳ない気持ちを形にできた」ときっぱりと語った。
面会は約15分。男は「ありがとう」を5回以上繰り返し、笑顔で手を振りながら面会室を出た。【高木香奈】
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■解説
◇少年を特別視せず
10日の最高裁判決は、死刑選択の際に被告が事件当時少年であっても特別扱いしない昨今の司法の傾向を踏襲した。虚勢を張るなど特殊性のある少年の集団犯罪について、死刑の是非を判断する初ケースとみられるが、最高裁は結果の重大性などを指摘して厳罰化の流れを維持した。
永田憲史・関西大准教授によると、1949年施行の少年法の下、少年事件で最高裁で死刑が確定したのは29人。平成以降は2人にとどまるが、山口県光市の母子殺害事件の最高裁判決(06年)は「少年であったことは死刑を回避すべき決定的事情とはならない」と指摘。仙台地裁の裁判員裁判(昨年11月)も事件当時18歳の少年に死刑判決を言い渡している。
今回の判決は、事件当時少年だったことについて「酌むべき事情」の一つとして触れただけだった。
弁護側が強調した更生可能性など少年事件の特殊性に一切言及しておらず、悪質性の高い事件では少年であることを特別視しない姿勢を、より明確化したと言える。
少年法は事件当時18歳未満の少年への死刑適用を禁じ、18~19歳の「年長少年」への適用は許容する。しかし「更生を重視する少年法の精神にのっとれば年長少年でも死刑は許されない」と指摘する専門家もおり、判決は改めて議論を呼びそうだ。【伊藤一郎】
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◇匿名報道を継続します--本紙見解
毎日新聞は元少年3人の匿名報道を継続します。4人の命が奪われた残虐極まりない事件ですが、事件当時に少年だった被告の名前は少年法の理念を尊重し匿名で報道するという原則を、最高裁判決が出たからといって変更すべきではないと判断しました。
少年法は、成熟した判断能力をもたない少年時代に起こした事件に関して、その少年の更生(社会復帰)を目的としています。死刑が確定すれば更生の可能性がなくなるとの意見も一部にありますが、更生とは「反省・信仰などによって心持が根本的に変化すること」(広辞苑)をいい、元少年らには今後も更生に向けて事件を起こしたことを悔い、被害者・遺族に心から謝罪する姿勢が求められます。
また、死刑確定後も再審や恩赦が認められて社会復帰する可能性が全くないとは言い切れません。
少年法61条は、少年時の事件で起訴された被告らの名前や住所など本人と推測できるような記事の掲載を禁じています。毎日新聞は以前から報道指針として、少年事件は匿名を原則としつつ、その少年が逃走中などで新たな犯罪が予測される時や社会的利益の擁護が強く優先する時などは実名報道もありうる、と定めています。また、死刑が執行されるような事態になれば、更生可能性はその時点で消えたと解釈することができ、実名報道に切り替えることも改めて検討します。
千葉県市川市の一家4人殺害事件で01年に最高裁で死刑が確定した元少年について、毎日新聞をはじめ多くのメディアが匿名で報道しました。その時から実名報道に切り替えるべき新たな事情も見当たらないと判断しました。
今回は実名で報じる場合には当てはまらないと結論づけましたが、少年事件の実名・匿名問題は今後も個別のケースごとに議論を重ねながら報道していきます。
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テレビのニュースでは名前が出てましたよ。
産経新聞でも名前が出ていました。
毎日新聞サンは匿名を貫くのですね。
他で名前が出てるのに、自分だけ匿名にしてもな~と思いますが。
良く言えば「信念」~悪く言えば「自己満足」?
信念は他者の思惑には関係なくね~そっと貫いてもらえれば良いのではと思うんですが、堂々と匿名報道する信念を主張されてるのが嫌ですね。
読者には軽く「当社は少年法の主旨に照らして、匿名報道を続けます。」って1行程度のおことわりだけならさ~新聞の立ち位置として了解しましたって思うんだけどね。
なんかあざといと思ってしまったね。
うちのカミサンは朝のニュースで実名報道されているのを見て、最高裁判決で死刑確定になった途端に実名報道するなんてあざといって言ってましたよ。
そ~なんだよね。
あざとい同士のマスメディアですわ。
◇支援者「更生した姿見て」
94年に少年グループが11日間で4人の命を奪った連続リンチ殺人事件は、10日の最高裁判決で3被告の死刑が確定する。事件から16年余。極刑を求めてきた遺族は法廷で涙ぐみ、被告の支援者は「最高裁に更生した姿を見てほしかった」とつぶやいた。【伊藤一郎、北村和巳】
午後3時、第1小法廷。長良川事件で殺害された江崎正史(まさふみ)さん(当時19歳)の父恭平さん(66)は、亡くなる1週間前の写真を胸に母テルミさん(65)と並んで傍聴席の最前列に座った。上告審に被告は出廷しない。「上告を棄却する」。判決の最後に主文が読み上げられると恭平さんは天を仰ぎ、裁判官に深く頭を下げ、テルミさんとともに涙をぬぐった。
元少年らは、正史さんと友人の2人を車で連れ回した理由を「自分たちを見て、笑ったように感じた」と語った。解放したら通報されると考えパイプでめった打ちにし、肌にたばこを押し付けて生死を確認したという。
恭平さんは1審から傍聴を続け「死刑以外の償いは正史を生き返らせることだけ」と考えてきた。判決後に会見。「望んでいた結果がやっと出た。正史も裁判長の言葉を聞いていたと思う」と語り、3被告について「犯した罪の重大さを悟ってほしい」と述べた。
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1審で「主犯格」とされた愛知県一宮市生まれの男(35)は今月3日、名古屋拘置所で記者と面会し「取り返しのつかないことをしてしまった。悩み苦しみながら生きていくしかない」と話した。短髪で色白、丸顔。黒いトレーナー姿で現れ、終始穏やかな表情。最後に両手を組んで顔を伏せ、被害者遺族や自分の支援者に対する祈りの言葉を口にした。
男は生後2カ月で母と死別。養母から愛情を注がれず、小学3年時、担任教師に盗みの疑いをかけられ大人を信用できなくなった。非行を繰り返し少年院を行き来した揚げ句、事件に至った。
「拘置所でキリスト教を信仰し、周囲への愛情が驚くほど豊かになった」。13年前から面会を続ける名古屋市の60代女性は話す。「彼はどんな凶悪な事件を起こした人間でも更生できると証明してくれた。死刑にしなければいけないのか」
男は拘置所側の写真撮影を拒んだとして今月9日から懲罰で外部との面会を禁じられている。弁護人は判決後「少年の集団事件の特殊性や、更生可能性を積極的に見てほしかった」と語った。
◇「犯した罪を思えば当然」判決後、男の一人
死刑を言い渡された大阪府松原市生まれの男(35)は判決後、本紙記者、支援者2人と名古屋拘置所で面会し「どんな判決でも受け止める覚悟はしていた。犯した罪を思えば当然です」と話した。
午後4時45分すぎ、男は丸刈り頭に上下茶色の室内着姿で面会室に現れた。支援者が「残念やった」と判決を暗に伝えると、やや顔を紅潮させて「2審で死刑と言われた時からそのつもりだった」「僕も遺族だったらそう(死刑にすべきだと)思う」と伏し目がちに早口でまくしたてた。
事件で殺害された岡田五輪和(さわと)さん(当時22歳)の兄が何度も面会に訪れ、手紙のやり取りもした。この交流に話が及ぶと、男は顔を上げて「それだけでも生きていた意味があった。申し訳ない気持ちを形にできた」ときっぱりと語った。
面会は約15分。男は「ありがとう」を5回以上繰り返し、笑顔で手を振りながら面会室を出た。【高木香奈】
==============
■解説
◇少年を特別視せず
10日の最高裁判決は、死刑選択の際に被告が事件当時少年であっても特別扱いしない昨今の司法の傾向を踏襲した。虚勢を張るなど特殊性のある少年の集団犯罪について、死刑の是非を判断する初ケースとみられるが、最高裁は結果の重大性などを指摘して厳罰化の流れを維持した。
永田憲史・関西大准教授によると、1949年施行の少年法の下、少年事件で最高裁で死刑が確定したのは29人。平成以降は2人にとどまるが、山口県光市の母子殺害事件の最高裁判決(06年)は「少年であったことは死刑を回避すべき決定的事情とはならない」と指摘。仙台地裁の裁判員裁判(昨年11月)も事件当時18歳の少年に死刑判決を言い渡している。
今回の判決は、事件当時少年だったことについて「酌むべき事情」の一つとして触れただけだった。
弁護側が強調した更生可能性など少年事件の特殊性に一切言及しておらず、悪質性の高い事件では少年であることを特別視しない姿勢を、より明確化したと言える。
少年法は事件当時18歳未満の少年への死刑適用を禁じ、18~19歳の「年長少年」への適用は許容する。しかし「更生を重視する少年法の精神にのっとれば年長少年でも死刑は許されない」と指摘する専門家もおり、判決は改めて議論を呼びそうだ。【伊藤一郎】
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◇匿名報道を継続します--本紙見解
毎日新聞は元少年3人の匿名報道を継続します。4人の命が奪われた残虐極まりない事件ですが、事件当時に少年だった被告の名前は少年法の理念を尊重し匿名で報道するという原則を、最高裁判決が出たからといって変更すべきではないと判断しました。
少年法は、成熟した判断能力をもたない少年時代に起こした事件に関して、その少年の更生(社会復帰)を目的としています。死刑が確定すれば更生の可能性がなくなるとの意見も一部にありますが、更生とは「反省・信仰などによって心持が根本的に変化すること」(広辞苑)をいい、元少年らには今後も更生に向けて事件を起こしたことを悔い、被害者・遺族に心から謝罪する姿勢が求められます。
また、死刑確定後も再審や恩赦が認められて社会復帰する可能性が全くないとは言い切れません。
少年法61条は、少年時の事件で起訴された被告らの名前や住所など本人と推測できるような記事の掲載を禁じています。毎日新聞は以前から報道指針として、少年事件は匿名を原則としつつ、その少年が逃走中などで新たな犯罪が予測される時や社会的利益の擁護が強く優先する時などは実名報道もありうる、と定めています。また、死刑が執行されるような事態になれば、更生可能性はその時点で消えたと解釈することができ、実名報道に切り替えることも改めて検討します。
千葉県市川市の一家4人殺害事件で01年に最高裁で死刑が確定した元少年について、毎日新聞をはじめ多くのメディアが匿名で報道しました。その時から実名報道に切り替えるべき新たな事情も見当たらないと判断しました。
今回は実名で報じる場合には当てはまらないと結論づけましたが、少年事件の実名・匿名問題は今後も個別のケースごとに議論を重ねながら報道していきます。
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テレビのニュースでは名前が出てましたよ。
産経新聞でも名前が出ていました。
毎日新聞サンは匿名を貫くのですね。
他で名前が出てるのに、自分だけ匿名にしてもな~と思いますが。
良く言えば「信念」~悪く言えば「自己満足」?
信念は他者の思惑には関係なくね~そっと貫いてもらえれば良いのではと思うんですが、堂々と匿名報道する信念を主張されてるのが嫌ですね。
読者には軽く「当社は少年法の主旨に照らして、匿名報道を続けます。」って1行程度のおことわりだけならさ~新聞の立ち位置として了解しましたって思うんだけどね。
なんかあざといと思ってしまったね。
うちのカミサンは朝のニュースで実名報道されているのを見て、最高裁判決で死刑確定になった途端に実名報道するなんてあざといって言ってましたよ。
そ~なんだよね。
あざとい同士のマスメディアですわ。