衝撃的な出来事や
スポーツ選手や芸術家の演技などで
「あっと息をのんだ！」
こんな表現は、耳にタコができるほど聴いたことがある
しかし、この歳になるまで、そんな体験はしたことがなかった
ところが、谷川萌々子が、私をそうさしめた
テレビでなでしこがブラジルに勝ったことはしっていた
それも谷川の芸術的なループシュートで・・・
夜中のライブ中継なので
睡眠不足で身体に支障が出るのを恐れ
録画をとっておいた
一夜明けて、午前中のお楽しみということで・・・
腰を据えてじっくりと録画視聴に臨んだ
ブラジルに先制され
敗色ムード濃厚の中
アディショナルタイムにＰＫを得て、同点
その数分後
フィールド中央でボールを受けた清家選手が、
猛然とドリブルで前進した
２０ｍも進んだところで、相手が追い付き、
足でつついて前方に構える味方選手に渡す
ブラジル選手が味方に短くパスしようとしたボールは繋がらず
それを目がけて、谷川選手が走り込んだ
だが、前方にはＧＫを始めブラジルの守備の選手がたくさんいたから、
チャンスでもなんでもない
日本はパスを上手くつないで、チャンスが作れるかな？？
そんな、ごく当たり前の状況の中で、
突然谷川選手が、ゴールを決めてしまった
ゴールまで、３０ｍ以上は、ゆうにあったであろう
ボールは高く上に舞い上がり
ＧＫの頭越しにゴールネットの左隅に、落ち込んだ
清家のボールが奪われ谷川のシュートまで、
２秒とかからない、ごく短い時間に、
一瞬の出来事の中で、劇的なゴールが生まれた
この一瞬に
私の呼吸は止まった
まさに息をのんで
声も出ない
心臓ドキドキ
凄すぎて
凄すぎて
ただ唖然とするのみ
谷川は若い選手で
なでしこの中での存在を、私は知らなかった
しばらくしてから・・・
思わず息をのむとはこのことかと、得心した
ニュースで結果を知っていたから
こんな思いを抱くとは、予想もしていなかった
そのブラジルは日本に負けて３位でベスト８通過
祖国の報道機関や国民から、ぼろくそに悪口を言われた
今日深夜に行われたアメリカとの決戦で
なでしこは、延長戦にもつれ込むほどの熱戦を繰り広げたが、
残念ながら、決定力に欠いて、ベスト４には届かなかった
メダルをかけ戦いには
日本に勝った、スペインとアメリカ
日本に負けたブラジル、それと予想外のドイツが残った
パリオリンピックにおける日本のサッカーチームは、
男女ともにメダルがとれるかも知れないという期待を抱かせてくれた
その活躍に、心から拍手を送りたい
日本の未来
四年後のオリンピック
まだ、埋もれている若者たちが再び挑む舞台
他のアジア諸国に比べて
日本の未来は明るい
後はメキシコ五輪で銅メダルに輝いた
杉山や釜本のような選手が出現することを祈る
杉山は稲妻のごとくの素早いドリブルで、海外選手を仰天させた
釜本は、チャンスにおける得点能力の高さで、３位へ導いた
ようするに、平均的に能力が高い選手の中に
圧倒的な個人技を有する人物が、チームの中にいないと、
頂点には立てない
その昔は存在していたのだから
そんなこと日本には無理と、否定してはいけない
可能性を、あくまでも信じたい・・・