”joint tree” メンバーはこうして集まった。
”joint tree”は
おれが前のバンドが解散して、一人になってから始まった。
丁度 皆既日食の時だった。
おれは空を見つめて 人生の流れの入れ替わりを感じた。
俺がリーダーとなって始めるバンドは10年ぶり。
一人になった時、弾き語りからはじめるつもりだったんだけど
”バンド”というスタイルにこだわってる自分は仲間を探した。
今まで一緒にやってくれてたギターのマモが一緒に音楽を続けてくれると言ってくれた時は
嬉しくて 嬉しくて 凄く頼もしい気がして、正直、泣けた。
マモの正直な無邪気さは 音に出て 素晴らしいギターリストだと思う。
今まで、おれのPAを担当してくれてた原島さんも おれに協力すると言ってくれた。
心強く、おれは前に進もうと強く思った。
彼の作る音は おれの声、歌の歌詞をお客さんに届けてくれる。
また、おれのモニターのPAを完璧にこなしてくれて
ある意味、おれのローディー的なフォローもしてくれる。
いつもおれを支えてくれてるサウンドクリエイターだ。
彼の主催する”マイカ企画”というイベントは
おれに色んなことを学ばせてくれた。
パーカスとコーラスヴォーカルのシンイチは
”joint tree”の前の形のアコースティックユニット、
”ジョイントスリー”~で一緒に歌ってた仲間。
一度、”四谷ソケースロック”で二人で演奏した時、そこで奇跡が起きた。
会場のみんなが おれの作った初めて聞く知らない曲に
声で、手拍子で おれ達二人の音に混ざってくれた。
参加したミュージシャンもそれぞれの楽器で混ざり、
会場中が一つの歌のうねりで大きく揺れていた。
大げさに例えると、”BEATLS”の”LOVE IS ALL”のプロモーションみたいな感じ。
その時、「こういうサウンドは聞いたことが無いっ!」て、シンイチと音源を聞きながら泣いた。
人の気持ちが沢山溢れてて、人の気持ちこそが音楽という感じだった。
”joint tree”サウンドのイメージはこの時に出来たのかもしれない。
シンイチは料理が得意で 音楽は二番目の事なんだと割り切ってたけど
彼も「覚悟を決めた!」と言ってくれて 一緒に始めることとなった。
他のメンバーは おれが今まで出会って 音楽に感動した仲間に声をかけた。
ドラムのima-Dは何度か同じイベントで 別のバンドでライブをした。
こいつのドラムは昔からカッコいいと感じてた。
彼がプロのミュージシャンという立場もあり、
バンドをするにはリスクがあると思ってたんだけど、
声をかけたら 彼は快く引き受けてくれた。
彼のドラムは踊りたくなるビートを刻む。
おれはドラムのima-Dに
「お前の納得のできるベーシストを御願いできないか?」と頼んでいた。
ベースとドラムは夫婦みたいなもんで
ピッチャーとキャッチャーみたいな関係にあるから
おれが決めるのではなく、ima-Dに頼んだ。
ima-DはToshy!に声をかけた。
ベースのToshy!は純粋におれの友達。家族のような存在。
おれは前のバンドが解散した時に
今まで付き合ってた仲間との人間関係が音楽で壊れた事に恐怖してて
中々Toshy!に声をかける勇気が持てなかった。
それはお互いに同じで、今まで、音楽で失った友達が沢山いるから
その気持ちは胸にしまったままだった。
Toshy!もおれと音楽をやる事に関しては 色々と考えたと思う。
でもToshy!は快く引き受けてくれた。
ima-Dがおれ達を音楽で繋いだ。
Toshy!はメンバーの中でもヴィジュアル系の人間で、
彼の出す音は力強く、それでいて美しい。
ima-Dと合わせて、”joint tree”のロックサウンドを形成してる核とも言える。
おれたちは音楽を通じて 深く通じ合う覚悟を決めた。
おれの大切な友達と音楽をするという覚悟。
鍵盤のイガちゃんは
”マイカ企画”で一緒に演奏したミュージシャン、”和田多門”さんのピアノで参加してた。
その時、”東京タワー”という曲の前奏を聞いた。
おれの頭の中に 夜の街に輝く東京タワーが見えた。
絵の見える鍵盤は生まれて初めて。 おれは心時めいた。
彼もプロのミュージシャン。最初はヘルプでという始まりだったけど
今は欠かす事のできない”joint tree”のサウンドの一つになって
メンバーとして演奏してくれている。 嬉しい限りだ。
コーラス ボーカルのマイは ”マイカ企画”でのメイン主催者”May-ka”のヴォーカル。
技術とか、そういうものを飛び越えて
彼女の歌には心を震わす不思議な魅力がある。
今もだけど 彼女の歌におれは涙する事が度々あった。
おれはそんな彼女に声をかけた。
彼女は歌うと何とも言えないオーラを発する。とても美しいオーラ。
彼女の心と一緒に歌える喜びは大きい。
コーラスのフミはシンイチが連れてきた。
彼女はバンド経験も 歌の経験も無い。
シンイチがセッションバンドを組んでいて そこでヴォーカルをしていた。
彼女は ”人を楽しませたい”という気持ちが溢れてて、
”joint tree”明るいカラーを与えてくれている。
おれは皆既日食を見た次の日、
自宅の窓からダブルブリッジを見た。
大きな 大きな 二本の重なる虹。
”joint tree” のイメージのラブツリーが虹色なのはそんな意味。
その時に傍にいたのがフミ。 その日から彼女と深く付き合うようになった。
彼女の弱さも強さも彼女の魅力。
それをこれから歌で表現してくれるだろうと期待してる。
最近解ったんだけど 同じ虹をToshy!も見ていた!!
嬉しい偶然は 必然性を感じさせる。
おれが仲間の欲しい時に集まってくれた仲間。
”joint tree” こんなおれ達を応援してください。
タケ