「は、はじめまして。」


僕は失礼な話し、こんな子いたっけなぁ~?と思ってしまった。


しかし今更名前を聞くのも変だし、と思っているとその女の子から話しかけてきたのだ。


「私種本寛加(たねもとひろか)と言います。」


「あ、あぁもちろん知ってたよ♪俺は伊藤浩太郎ね。」


この子は今心を読んだのか!?と思うくらいの的確な発言で僕はかなり戸惑った。


「伊藤さ~ん!!」


僕が座っている席と一番遠い位置から生ビール2本を抱えながら走ってくる男は関(せき)だ。


彼は俗にいうクラスの問題児でいつも先生達の目の敵にされている。


「もぉ何やってたんすかぁ~!?生ギンギンに冷やしてましたよ!!」


「悪い悪い、寝坊したわ>_<それじゃぁ飲むか!!」


僕が飲み始めると男全員が立ち上がり、皆で音頭をとってくる。


お酒に関してはかなり強いので、そのまま2本を一気飲みで飲んでしまった。


男達はワルノリでふざけながら踊り続けている。


「そういやこいつ伊藤さんの女と同じ名字なんすよ!!」


「うるさい!もうお前あっちいっとけ!!」

僕は種本さんに指をさしている関に軽くゲンコツをした。


すると彼はオーバーに痛がりながら走り去っていった。


「ごめん。そんな事どうだっていいのにな。」


種本さんは下を向き、顔を真っ赤にしている。


「それより種本さんは何処出身?」


僕は言葉とは裏腹に流華と比較していたのかもしれない。


「広島です。」


「そっか~今は一人暮らし?」


「はい。」


質問しているうちに本当に流華じゃないのか?と思うくらい似ている所ばかりだった。


僕の心にこの子と流華に繋がりがあるのかないのかをはっきりさせたいという気持ちが芽生えてきた。


「てか…いやなんでもないわ。」


結局聞く事はできなかった。


比べるのは失礼という気持ちもあったが、また明日にでも直接流華に聞けばいいやと思ったからだ。


僕が遅れていったという事もあり、飲みの終了時間まではあっという間だった。


「この後二次会行く人~!?」


ジモンが立ち上がり皆に参加をあおっている。


「種本さんは行くの?」


「私伊藤さんが行くなら行こっかな♪」


「え?」


その言葉の意味が分からなかった僕は酔ってるなとしか思わなかった。


「じゃぁせっかくだから行こうか♪」

僕はすぐさま返事をした



sub:元気だよ!


本文


流華は人懐っこいから、すぐ友達ができるな!交流会で飲みすぎるなよ!

こっちはまぁ上手くやってるよ(°∀°)b

流華体に気をつけてな☆




僕はそう打つとふとんに潜り込む




流華が東京に行って一ヶ月が経とうとしている





流華はこの春から実習も含めて東京の専門学校に通っている








東京に行くことは突然決まったことだった




「浩ちゃん・・・ごめんね。あたし離れるの凄く寂しいよ・・」




「だ、大丈夫だよ!離れるっていっても1年だしさ!」





そんな顔は見せなかったが、僕は凄く動揺していた






流華が僕のそばからいなくなることなど考えられなかった







でもl、僕は流華の事を1番に考えて上辺だったけれど流華を応援した






「こっちは心配いらないからさ、流華がしたいことをすればいいから♪」






「浩ちゃん・・・ありがとう」






たかが一年、きっと、いや絶対に大丈夫さ




そう考えて僕はなんとか生活している





流華からのメールだ




sub:re>元気だよ!


本文


ありがとう☆

飲みすぎたりしないよ!浩ちゃんも体に気をつけてよ!

またね!




そのメールを見て安心した僕は眠ってしまった




プルル!!プルル!!


「はーい・・」



「伊藤さんっすかぁ!まじ何やってんすか飲み始まってるんすけど!!」




ジモンだ





「ごめーん寝てたわ・・・今から行くから!!」





「まじっすかぁ!?伊藤さんマジぱねぇっすねぇ!僕ね前から思っ・・・」




そこまで聞いた僕は、面倒くさくなって電話を切ってしまった





「さて、用意して行こうかなぁ」





僕はお気に入りのジャケットをはおり、天満屋で80000円して買ったブーツを履いて家を出た





途中居酒屋まで向かう道ひとつひとつが流華との思い出であふれている





そんなことを考えていたら、切ない気持ちになった






居酒屋に付くとジモンが近づいてくる。





「伊藤さーん!なんで途中で電話きっちゃうんすかぁ!」





「あ!ごめんごめん急いでたからさっ(笑)」





「まじぱねぇすねぇ!」



「悪い悪い!」




「伊藤さんの席こっちっすよ~」




そうジモンに言われて席に着く




すると目の前に見たことが無い女の子が座っていた






どこかしら流華に似ている女の子だった





「はじめましてぇ」




僕から話しかけると、その子は少しとまどって返事をしてくれた。









































「おは↑↑」


「おう!おはよ♪」


僕は今日から大学3年生だ。


しかし普通の3年生ではない。


高崎先生が担当している実習を何度か休んでしまったため、単位がとれず再び3年生をする事になったのだ。


1つ年下の皆とうまくやれるのか?なんて心配ばかりだったが、皆気をつかわずタメ口で話してくれている。


「今日飲み会行く人~??」


「は~い!」


「もち♪」


「じゃぁ全員参加決定で!」


僕の前のクラスのムードメーカーといえばトトロ顔で有名な隼田だったが、今のクラスのムードメーカーは我門(がもん)だ。


その我門がいつも飲み会の幹事をしている。

我門は隼田同様声が大きいが隼田とは違い真面目で優しい奴である。


顔は一字違いのジモン(寺門ジモン)にそっくりでクラスメイトはほとんど彼の事をジモンと呼ぶ。


「ジモ~ン!俺金ねぇよ!」


「そっか~なら来なくてもいんじゃね?」


「そんなぁ↓↓」


「ははは!!うそうそ♪今金あるから貸してやるよ!ちゃんと返せよな♪」


「まじで!?サンキュー>_<」


今日も我門を中心にクラスが賑わっている。

「ちょっと~!!チャイム鳴ってるから授業始めるわよ~!!」


今日は1限から高崎先生の実習だ。


高崎先生は皆から恐れられている先生で、彼女が教室に入ってくると決まって誰も喋らなくなる。


ところで僕の大学では実習には先生が1人と助手が1人と決まっている。


今回の実習で助手を勤めるのは…次郎だ。


次郎は大学を無事卒業し、大学院に通っている。


次郎は教室に入るなり僕を見つけ物凄い形相で僕を睨み付けた。


それを見た僕は負けじと睨み返す。


そんな二人に気づいたのか我門が僕達の間に入ってまたバカな事をする。


本当に我門は年下だが僕以上に大人だななんて思う。


僕と流華の事は学科を通して皆知っていた。

もちろん次郎と流華が付き合っていたことも皆が知っている。


我門も当然知っている訳で、あの行動はそれ故だからだ。


今日は1、2限通しての実習だけだったので飲み会の時間まで家に帰りゆっくりと休む事にした。


家に着きベッドに潜り込んだと同時に一通のメールが届いた。


sub:元気?

本文
私は早速友達できたんだ♪♪今日はクラスの交流会で飲みがあるよ♪♪


東京にいる流華からだった。