2026年11月時点で、Offlistの掲載データにある「AI Models & APIs」分野のプログラムは44件です。このうち国の条件欄に記載があるのは、米国とカナダの学生向けのOpenAIのプログラム1件だけでした。残りの43件は掲載上は国の制限が記載されていませんが、日本の会社が対象だと確認されたわけではないので、申し込む前に各プログラムの規約を読む必要があります。

海外のAI APIは、使った分だけ米ドルで請求される料金体系がほとんどです。開発や検証の段階でクレジットが使えれば、請求額を気にせずに試せる期間が延びます。この記事では、日本の会社から見てどこに条件の壁があるかを、提供元ごとに整理しました。金額はすべてUSD建ての表記をそのまま載せており、円には換算していません。

主なAI APIクレジットと対象条件

プログラム 掲載上の金額 対象となる条件 申し込み方法
OpenAI Codex for Students $100 米国・カナダの大学に在籍し、現地に住む認証済みの学生 直接リンク
OpenAI(プログラム経由) $2,500 認証済みの米国企業で、入金済みのアカウント 直接リンク
OpenAI Researcher Access Program $1,000 学術機関・研究機関などに所属し、OpenAI APIの提供国に拠点がある 申請フォーム
Claude Startups program(Anthropic) $100,000 VC出資済み、設立4年以内、Anthropicのスタートアップ向けクレジットを未受領 申請フォーム
Anthology Fund(Menlo Ventures と Anthropic) $25,000 in Anthropic credits Anthropicのモデルで開発するAI企業、Pre-SeedからSeries A 申請フォーム
Gemini(Google for Startups Cloud Program経由) Up to $200,000 in Google Cloud credits 設立5年以内、動くMVPがある 申請フォーム
Azure OpenAI Service $150,000 自社製品を開発する非上場の営利企業、Series Bまで 申請フォーム
Mistral AI $10,000 Google Cloudを使っているスタートアップ 申請フォーム
AssemblyAI Startup Program $150,000 Pre-seedからSeries A、または自己資金。音声が製品の中心 申請フォーム

OpenAIのクレジットは日本の会社でも使える?

掲載中のOpenAI関連は4件で、そのうち2件は北米に限られています。Codex for Studentsは米国かカナダの大学に在籍し、そこに住んでいる学生が対象です。もう1件の$2,500は、条件が「認証済みの米国企業で、入金済みのアカウント」となっています。

残りの2件は、国よりも立場で決まります。Researcher Access Programは学術機関や研究機関、研究を行う非営利団体への所属が条件で、拠点がOpenAI APIの提供国にあることも求められます。Codex for Open Sourceは、広く使われている公開オープンソースプロジェクトのメンテナー向けです。この4件の中には、日本の一般的なスタートアップが会社として申し込める枠は見当たりません。

Anthropic(Claude)の枠はどう違う?

Claude Startups programの$100,000は、ベンチャーキャピタルからの出資、設立4年以内、過去にAnthropicのスタートアップ向けクレジットを受け取っていないこと、の3点が条件です。Menlo VenturesとAnthropicのAnthology Fundは、条件文に海外の会社も検討すると書かれている一方で、米国拠点の会社が優先されるとも明記されています。

研究者向けにはAnthropic AI for Scienceがあり、金額は1プロジェクトあたり最大$50,000です。生物学・生命科学が中心ですが、ほかの科学分野にも広がっています。

Geminiのクレジットはどこから申し込む?

Geminiは単独の制度ではなく、Google for Startups Cloud Programを通じたGoogle Cloudのクレジットとして掲載されています。期間はStartティアが1年、Scaleティアが2年です。条件は設立5年以内であることに加え、動くMVP、明確なビジネスモデル、ベンチャー資金を調達する計画があることです。

日本の会社が見落としやすいのは除外条件です。Scaleティアでは、エンジェル投資、知人や家族からの資金、クラウドファンディング、政府系のイノベーション助成金、賞金などは、条件を満たす資金調達として数えられません。掲載データの除外条件には、申請前31日以内に会社のドメインで有料のGoogle Workspaceを使っていた場合も対象外になると書かれています。Mistral AIの$10,000も、Google Cloudの利用が前提です。

Azure OpenAIでは本社の所在地が問われる?

はい。Azure OpenAI Serviceの$150,000は、自社で所有するソフトウェア製品を開発していること、非上場の営利企業であることに加えて、Azureが提供されている国に本社があることを条件にしています。除外されるのは教育機関、政府機関、コンサルティング会社、代理店、暗号資産のマイニング事業です。受託開発が売上の中心なら、この除外に当たらないかを先に確かめておくと安心です。審査は通常3営業日以内で、結果はメールで届くとされています。

資金調達をしていなくても狙えるものは?

AssemblyAI Startup Programは、Pre-seedからSeries Aの会社に加えて、自己資金(bootstrapped)の会社も対象と明記しています。音声やオーディオが製品の中心にあり、6か月以内にローンチする予定であることが条件です。Deepgramは資金に関する条件を掲げておらず、本番運用中か6か月以内のローンチ予定であれば申請できます。ただし代理店やコンサルタントは対象外で、$10Mを超えて調達した会社には制限がかかる場合があります。

申し込む前の確認ポイント

  • 国の条件:条件欄が空でも、規約やFAQに提供国の一覧があることがあります。
  • 過去の受け取り:同じ提供元のスタートアップ向けクレジットを以前に受けていると、対象外になるプログラムがあります。
  • 金額の意味:「Up to」の額は上限で、ティアや審査によって実際の額が決まります。

Offlist(joinofflist.com)は、スタートアップ向けのクレジットやソフトウェア割引を集めた無料のディレクトリで、各プログラムの対象条件と最終確認日を掲載しています。

AI分野44件の条件と最終確認日は、OfflistのAIモデル・API分野の一覧でまとめて確認できます。自社がどれに当てはまるのか見当がつかないときは、会社のWebサイトから開発内容や使っているツールを読み取り、いくつかの質問への回答とあわせて全プログラムの条件と照らし合わせる無料のスキャンを使ってみてください。結果を見るのに登録は要りません。