ハリウッドのVFXプロダクション:好況時における問題点(完訳)
前回の訳文を再度見直し、後編も訳しました。
原文はこちら。Timeの記事です。
http://www.time.com/time/magazine/article/0,9171,1990803,00.html

ハリウッドのVFXプロダクション:好況時における問題点
Hollywood's VFX Shops: Trouble in Boom Times
"もしあなたが、ハリウッドの成長を牽引している人々の名前を見てみたいと思うなら、座ったまま映画のエンドクレジットまで待たないといけない。クレジットの、本当の最後のほうで、それは俳優や、照明技師や、タコスを手配するケータリングの後だったりする場合すらあるけれど、VFXアーティストの名前があがってくるはずだ。彼らはスーパーヒーローを空に飛ばしたり、都市を丸ごと海の中に沈めたりする仕事をしている。そして、彼らが関わっているVFXが呼び物の映画、たとえばアバターやハリーポッターシリーズ、などはハリウッドの一番の稼ぎ頭だ。
彼らがクレジットの中で位置する場所は、ハリウッドの中での彼らVFXアーティストの序列をあらわしている。皮肉なことに、彼らがクリエイティビティやボックスオフィスのヒットのけん引役になっている丁度その時、VFX各社は、進行中の危機的状況と対峙している。激しい国際競争や、悩ましい問題、ハリウッドで働く人々のストライキによる労働不安、大手スタジオとの交渉力不足...、などからVFXプロダクションは、閉鎖をしたり、赤字を出さないために仕事を外注せざるを得なくなっているのだ。
「基本的に、VFXはもうからないビジネスなんだ。」ジェームスキャメロンは言う。
「儲けは本当に微々たる物だ。よい時でさえ、我々は5%のマージンだったんだ。そう、この低すぎるマージンで膨大な量の仕事をしていたんだよ。」
1998年にキャメロンは、その草分け的な功績が認められアカデミー賞を受賞した「タイタニック」を手がけたデジタルドメインの設立を手伝ったあと、方向性の違いから会社から去っていった。
それ以降、デジタルドメインはハリウッドのリーディングカンパニーへと浮上していった。肩を並べる会社には、サンフランシスコのILM(ジョージルーカス設立)、NZのウェタデジタル(ピータージャクソン設立)、
リズムアンドヒューズ、ソニーピクチャーズイメージワークス(ともにロス)などがある。
世界のVFX産業は、まだバラバラの状態だ。それは、35年を経過したジョージルーカスの帝国から
できて間もないインド、中国のプロダクションなどすべてを含めてのことだ。
デジタルドメインの前CEOでILMのジェネラルマネージャーののScott Rossはこう述べている
「VFXは13億5千万ドルの産業だが、5つのVFXプロダクションが各社それぞれ年間8千万ドル~1億ドルを稼ぎ、100万ドル以下の稼ぎしかない多くの小規模プロダクションでなりったっている産業だ。」
映画、TV、ビデオゲーム、CM、MVを手がける特殊映像系の会社は、プロジェクトの大きさに応じて、雇用とリストラを継続的におこなっているのだ。
VFXビジネスは確かに好調と言えるだろう。2009年に全世界で最も高い利益を上げた映画10作品のうちの9本が特殊効果をメインにした映画であり、そのおかげでVFX産業は、俳優達よりもハリウッドのビジネスモデルのもっと中心になっている。ハリウッドスタジオの稼ぎ頭の、2億ドルから3億ドル映画の予算のその3分の1が、VFXにつぎ込まれている。
「もはやトムハンクスとか、トムクルーズとかが問題になった時代じゃない」Ross氏は言う。「ニューヨークが沈むとか、青い生き物を作るとか、そういうことの方が大事なんだ」
しかし、ここ15ヶ月間でDisney's ImageMovers Digital in Novato, Calif.; C.O.R.E. Digital Pictures in Toronto; and the Orphanage in San Franciscoの各社が倒産した。
「この業界ではほとんど公然の秘密なんだけど、VFXプロダクションは高い評判を得るためにVFXが売り物になるような映像をつくり、そのためによい素材を見つけ、働くアーティストをハッピーにしているけれども、プロダクションは儲かっていないんだ。」ヴァラエティ誌のDavid Cohen氏は言う。
「幸運なら、なんとかトントンでやっていけるが、不運な場合、このビジネスから手を引かなければいけない。」
90年代ーイケイケの時代ーにVFXプロダクションがどうやって形成されてきたか、そこにこのVFX産業の問題の根本がある。当時はキャッシュが潤沢にあり、VFXプロダクションが、監督やアーティストにとってのハイテクの遊び場のように扱われていた。93年にデジタルドメインは1500万ドルで設立され、50%の出資者のIBMはVFXで一番金額のかかる投資である5万ドルのワークステーションを何ダースも提供していた。
しかし、ここ3年での、経済の流動化はこのようなシナリオをまるっきり駄目にしてしまった。
税制優遇措置により、カナダ、ヨーロッパ、オーストラリア、ニュージーランド、などがVFXの仕事を奪ってしまい、仕事の単価を下げてしまった。同じくして、アメリカのVFXプロダクションも単純作業、例えばワイヤーを消したり、ロトスコープしたりすること、をインドや中国に外注しはじめた。
さらに、ハードウェア、ソフトウェアなどの価格が下がったため、参入障壁は低くなり、小さなプロダクションも2万ドル程度の投資で事業を立ち上げ、活動できるようになった。2007年から08年にかけての脚本家組合のストライキ、2009年の俳優組合のストライキは、新作映画の製作進行をスローダウンさせてしまし、このショックからいくつかのプロダクションは立ち直れなくなってしまった。
「われわれはさらに激しい競争にさらされていくだろうし、それはVFX各社の存続をより困難にしていくだろう」Ross氏は言う。
VFXプロダクションと大手スタジオとの不和の原因となる大きな問題は、指示の変更"change order"の問題だ。監督が、ショットの中でこうしたいという考えを変えた時、それは何ヶ月にも渡る作業が無駄に終ったことを意味する。現在のシステムでは、ほとんどのVFXプロダクションは、スタジオや監督・プロデューサーとの関係を維持するためには、それらのコストに目をつぶるのは仕方がないと考えている。
スタジオ側は、単純に、ベストワークをベストプライスで受け取っている。「われわれはVFXに、お金を支払い、イノベーションを要求し、リスクをとっている者の一人だ」ワーナーブラザースChris deFaraiaはVFX産業のオンライン上にあるタウンホール(フォーラム)でこう発言した。
「われわれは、VFX産業の発展に大きく投資している者の一人なんだ。」
そのweb上のタウンホールは元エフェクトアーティストで脚本家の、ーそしてThe Huffington Post誌へと投稿した「公開書簡 ジェームスキャメロンへ :ビジュアル・エフェクツ・アーティストへの公平さについて」によってVFX産業にとっての"Norma Rae"になったー、Lee Stranahan氏によって組織されている。その中で彼はVFXプロダクションをこう呼んでいる「地球上でもっとも楽しくてハイテクな"ブラック企業"」
ハリウッドで伝統的なアニメーションや美術といった職業は組合ができている。
ただ、VFXがグローバルなビジネスであるということであれば、VFXアーティストがそのような地位を得るのは難しそうだ。VFXプロダクションは、単純に最も安い労働力を雇用し、仕事をさせていくだろう。アメリカのVFXアーティストの給与は500万からスタートし、すぐに1000万弱の金額まで上がっていく。海外のアーティストはその10%程度なのである。
VFXプロダクションにはドラマティックなハリウッド式のエンディングが待っているだろう。
VFXがふんだんに使用されるこれから公開予定の映画たち、バットマンの続編、The Hobbit(ロードオブザリングの前編)、"Thor and Green Lantern"などの制作の予定が迫ってきている。
これらの映画のVFXに対する要求は、体力の弱りきったVFXプロダクションの処理能力をおしつぶしてしまうだろう。この本質的な制作環境の変化はVFXプロダクション内のアーティストの力関係を変えていくだろう。つまり、才能あるアーティストは、技術力のあるアーティストよりもさらに重要視されるようになっていくだろう。アナリストのAlan Lasky氏はこう述べている。「これらのエフェクトヘヴィな映画のどれか一つが、VFXプロダクションのキャパオーバーが原因で公開予定日を守れなったその時に、興味深いいくつかの変化がVFX産業の中で見られるだろう。」
果たして本当にそんな状況になるのか?それは誰にもわからない。でもたぶん、いつの日か、とあるエフェクトアーティストが、ハリウッドスター並みの待遇を得られるような時がくるかもしれない。"
・・・以下補足
英語の表現に関しては、可能な限りネイティブの方にも聞いて確認をしましたが、必ずしも正確な訳とは限りませんので、原文を見て、内容はご確認下さい。
最後の結論は、ちょっとわかりにくいのですが、こういうことなかなと僕は解釈しました。
VFX各社は、利益の上がらない構造不況に陥っており、近年は人員を削減し、体力が落ちてきている。それでもエフェクトヘヴィな映画のリリースが迫っており、そのいくつかは、締め切りを守れないだろう。そうなった時に、これまでのように技術者ではなく、才能あるスーパーアーティストにスタジオやプロダクションは頼らざるを得ない。そういう人物が高く評価されるだろうし、その結果、今までのようなエンドロールの低い位置ではなく、スターのような高い給料と名声を得られるようなVFXアーティストが登場する時がやってくるだろう。
こんなところでしょうか。みなさんはどのように感じましたか?
次回は、この記事の背景と、英語表現について、もう少し詳しく解説できればと思います。
///追記 10/06/06
コメントでTanakaさんから以下のように訳すほうが適切ではないか、というご意見を頂きました。
確かに、そちらの方が最後のパラグラフ全体の意味がよりクリアになると思いましたので、ここに転載・追記させて頂きました。原文ではこの箇所です。
"The changing nature of the work could alter the balance of power too: being a gifted designer is becoming more important than being a technical whiz."
"最後の方で、gifted designerを才能あるアーティストと訳されていますが、才能のある企画者、設計者と訳すのが適切かと思います。つまり、現状のVFXビジネスではプロジェクトのコアな部分を設計、企画できる人材が、技術者よりも重要になっていくだろうと。つまり、重要な部分だけを社内で企画、設計し、あとは外注するという流れになると言いたいのではないかと思います。だから、最後に皮肉っぽくエフェクトアーティストがスターになる日が来るかもしれない、と言っているのだと思います。"
確かにそちらのほうが、最後のセンテンスの意味が通りやすいと思いました。つまりは、まぁ無理だろうけどそういう日が来るといいねぇ、みたいなニュアンスなんですね。gifted designer=才能のある企画者、設計者という訳も、記事の論理展開に沿った解釈だと思いました。
Tanakaさん、貴重なアドバイスありがとうございました。
原文はこちら。Timeの記事です。
http://www.time.com/time/magazine/article/0,9171,1990803,00.html

ハリウッドのVFXプロダクション:好況時における問題点
Hollywood's VFX Shops: Trouble in Boom Times
"もしあなたが、ハリウッドの成長を牽引している人々の名前を見てみたいと思うなら、座ったまま映画のエンドクレジットまで待たないといけない。クレジットの、本当の最後のほうで、それは俳優や、照明技師や、タコスを手配するケータリングの後だったりする場合すらあるけれど、VFXアーティストの名前があがってくるはずだ。彼らはスーパーヒーローを空に飛ばしたり、都市を丸ごと海の中に沈めたりする仕事をしている。そして、彼らが関わっているVFXが呼び物の映画、たとえばアバターやハリーポッターシリーズ、などはハリウッドの一番の稼ぎ頭だ。
彼らがクレジットの中で位置する場所は、ハリウッドの中での彼らVFXアーティストの序列をあらわしている。皮肉なことに、彼らがクリエイティビティやボックスオフィスのヒットのけん引役になっている丁度その時、VFX各社は、進行中の危機的状況と対峙している。激しい国際競争や、悩ましい問題、ハリウッドで働く人々のストライキによる労働不安、大手スタジオとの交渉力不足...、などからVFXプロダクションは、閉鎖をしたり、赤字を出さないために仕事を外注せざるを得なくなっているのだ。
「基本的に、VFXはもうからないビジネスなんだ。」ジェームスキャメロンは言う。
「儲けは本当に微々たる物だ。よい時でさえ、我々は5%のマージンだったんだ。そう、この低すぎるマージンで膨大な量の仕事をしていたんだよ。」
1998年にキャメロンは、その草分け的な功績が認められアカデミー賞を受賞した「タイタニック」を手がけたデジタルドメインの設立を手伝ったあと、方向性の違いから会社から去っていった。
それ以降、デジタルドメインはハリウッドのリーディングカンパニーへと浮上していった。肩を並べる会社には、サンフランシスコのILM(ジョージルーカス設立)、NZのウェタデジタル(ピータージャクソン設立)、
リズムアンドヒューズ、ソニーピクチャーズイメージワークス(ともにロス)などがある。
世界のVFX産業は、まだバラバラの状態だ。それは、35年を経過したジョージルーカスの帝国から
できて間もないインド、中国のプロダクションなどすべてを含めてのことだ。
デジタルドメインの前CEOでILMのジェネラルマネージャーののScott Rossはこう述べている
「VFXは13億5千万ドルの産業だが、5つのVFXプロダクションが各社それぞれ年間8千万ドル~1億ドルを稼ぎ、100万ドル以下の稼ぎしかない多くの小規模プロダクションでなりったっている産業だ。」
映画、TV、ビデオゲーム、CM、MVを手がける特殊映像系の会社は、プロジェクトの大きさに応じて、雇用とリストラを継続的におこなっているのだ。
VFXビジネスは確かに好調と言えるだろう。2009年に全世界で最も高い利益を上げた映画10作品のうちの9本が特殊効果をメインにした映画であり、そのおかげでVFX産業は、俳優達よりもハリウッドのビジネスモデルのもっと中心になっている。ハリウッドスタジオの稼ぎ頭の、2億ドルから3億ドル映画の予算のその3分の1が、VFXにつぎ込まれている。
「もはやトムハンクスとか、トムクルーズとかが問題になった時代じゃない」Ross氏は言う。「ニューヨークが沈むとか、青い生き物を作るとか、そういうことの方が大事なんだ」
しかし、ここ15ヶ月間でDisney's ImageMovers Digital in Novato, Calif.; C.O.R.E. Digital Pictures in Toronto; and the Orphanage in San Franciscoの各社が倒産した。
「この業界ではほとんど公然の秘密なんだけど、VFXプロダクションは高い評判を得るためにVFXが売り物になるような映像をつくり、そのためによい素材を見つけ、働くアーティストをハッピーにしているけれども、プロダクションは儲かっていないんだ。」ヴァラエティ誌のDavid Cohen氏は言う。
「幸運なら、なんとかトントンでやっていけるが、不運な場合、このビジネスから手を引かなければいけない。」
90年代ーイケイケの時代ーにVFXプロダクションがどうやって形成されてきたか、そこにこのVFX産業の問題の根本がある。当時はキャッシュが潤沢にあり、VFXプロダクションが、監督やアーティストにとってのハイテクの遊び場のように扱われていた。93年にデジタルドメインは1500万ドルで設立され、50%の出資者のIBMはVFXで一番金額のかかる投資である5万ドルのワークステーションを何ダースも提供していた。
しかし、ここ3年での、経済の流動化はこのようなシナリオをまるっきり駄目にしてしまった。
税制優遇措置により、カナダ、ヨーロッパ、オーストラリア、ニュージーランド、などがVFXの仕事を奪ってしまい、仕事の単価を下げてしまった。同じくして、アメリカのVFXプロダクションも単純作業、例えばワイヤーを消したり、ロトスコープしたりすること、をインドや中国に外注しはじめた。
さらに、ハードウェア、ソフトウェアなどの価格が下がったため、参入障壁は低くなり、小さなプロダクションも2万ドル程度の投資で事業を立ち上げ、活動できるようになった。2007年から08年にかけての脚本家組合のストライキ、2009年の俳優組合のストライキは、新作映画の製作進行をスローダウンさせてしまし、このショックからいくつかのプロダクションは立ち直れなくなってしまった。
「われわれはさらに激しい競争にさらされていくだろうし、それはVFX各社の存続をより困難にしていくだろう」Ross氏は言う。
VFXプロダクションと大手スタジオとの不和の原因となる大きな問題は、指示の変更"change order"の問題だ。監督が、ショットの中でこうしたいという考えを変えた時、それは何ヶ月にも渡る作業が無駄に終ったことを意味する。現在のシステムでは、ほとんどのVFXプロダクションは、スタジオや監督・プロデューサーとの関係を維持するためには、それらのコストに目をつぶるのは仕方がないと考えている。
スタジオ側は、単純に、ベストワークをベストプライスで受け取っている。「われわれはVFXに、お金を支払い、イノベーションを要求し、リスクをとっている者の一人だ」ワーナーブラザースChris deFaraiaはVFX産業のオンライン上にあるタウンホール(フォーラム)でこう発言した。
「われわれは、VFX産業の発展に大きく投資している者の一人なんだ。」
そのweb上のタウンホールは元エフェクトアーティストで脚本家の、ーそしてThe Huffington Post誌へと投稿した「公開書簡 ジェームスキャメロンへ :ビジュアル・エフェクツ・アーティストへの公平さについて」によってVFX産業にとっての"Norma Rae"になったー、Lee Stranahan氏によって組織されている。その中で彼はVFXプロダクションをこう呼んでいる「地球上でもっとも楽しくてハイテクな"ブラック企業"」
ハリウッドで伝統的なアニメーションや美術といった職業は組合ができている。
ただ、VFXがグローバルなビジネスであるということであれば、VFXアーティストがそのような地位を得るのは難しそうだ。VFXプロダクションは、単純に最も安い労働力を雇用し、仕事をさせていくだろう。アメリカのVFXアーティストの給与は500万からスタートし、すぐに1000万弱の金額まで上がっていく。海外のアーティストはその10%程度なのである。
VFXプロダクションにはドラマティックなハリウッド式のエンディングが待っているだろう。
VFXがふんだんに使用されるこれから公開予定の映画たち、バットマンの続編、The Hobbit(ロードオブザリングの前編)、"Thor and Green Lantern"などの制作の予定が迫ってきている。
これらの映画のVFXに対する要求は、体力の弱りきったVFXプロダクションの処理能力をおしつぶしてしまうだろう。この本質的な制作環境の変化はVFXプロダクション内のアーティストの力関係を変えていくだろう。つまり、才能あるアーティストは、技術力のあるアーティストよりもさらに重要視されるようになっていくだろう。アナリストのAlan Lasky氏はこう述べている。「これらのエフェクトヘヴィな映画のどれか一つが、VFXプロダクションのキャパオーバーが原因で公開予定日を守れなったその時に、興味深いいくつかの変化がVFX産業の中で見られるだろう。」
果たして本当にそんな状況になるのか?それは誰にもわからない。でもたぶん、いつの日か、とあるエフェクトアーティストが、ハリウッドスター並みの待遇を得られるような時がくるかもしれない。"
・・・以下補足
英語の表現に関しては、可能な限りネイティブの方にも聞いて確認をしましたが、必ずしも正確な訳とは限りませんので、原文を見て、内容はご確認下さい。
最後の結論は、ちょっとわかりにくいのですが、こういうことなかなと僕は解釈しました。
VFX各社は、利益の上がらない構造不況に陥っており、近年は人員を削減し、体力が落ちてきている。それでもエフェクトヘヴィな映画のリリースが迫っており、そのいくつかは、締め切りを守れないだろう。そうなった時に、これまでのように技術者ではなく、才能あるスーパーアーティストにスタジオやプロダクションは頼らざるを得ない。そういう人物が高く評価されるだろうし、その結果、今までのようなエンドロールの低い位置ではなく、スターのような高い給料と名声を得られるようなVFXアーティストが登場する時がやってくるだろう。
こんなところでしょうか。みなさんはどのように感じましたか?
次回は、この記事の背景と、英語表現について、もう少し詳しく解説できればと思います。
///追記 10/06/06
コメントでTanakaさんから以下のように訳すほうが適切ではないか、というご意見を頂きました。
確かに、そちらの方が最後のパラグラフ全体の意味がよりクリアになると思いましたので、ここに転載・追記させて頂きました。原文ではこの箇所です。
"The changing nature of the work could alter the balance of power too: being a gifted designer is becoming more important than being a technical whiz."
"最後の方で、gifted designerを才能あるアーティストと訳されていますが、才能のある企画者、設計者と訳すのが適切かと思います。つまり、現状のVFXビジネスではプロジェクトのコアな部分を設計、企画できる人材が、技術者よりも重要になっていくだろうと。つまり、重要な部分だけを社内で企画、設計し、あとは外注するという流れになると言いたいのではないかと思います。だから、最後に皮肉っぽくエフェクトアーティストがスターになる日が来るかもしれない、と言っているのだと思います。"
確かにそちらのほうが、最後のセンテンスの意味が通りやすいと思いました。つまりは、まぁ無理だろうけどそういう日が来るといいねぇ、みたいなニュアンスなんですね。gifted designer=才能のある企画者、設計者という訳も、記事の論理展開に沿った解釈だと思いました。
Tanakaさん、貴重なアドバイスありがとうございました。