はいな。あまり面白れぇ話しぢぁありませんが恥かきついでに語りませう。
知つての通りあたしは初めは御船亭に入門し御船亭硬軟と名乘つてゐました。
あることでしくじつて破門と相成りましてね。
さあ。これからだうしやうと思案してゐるときに舊知のお旦那から聲がかかりました。
「師匠。くさつててもせうがない。おまえさんが壹門を作ればいいぢやないか。おまえさんは才能がおありだ出る寄席は變わるかもしれないが
壹門作ればあたしが全部、膳立てし新たな境界を立ち上げるから心配しないであたしらの寄席に來ておくれ。」
つてな鹽梅でね。
笑つちやいけねえ。幇間がよいしよされてその氣になつて
あたくしは「初代・粟家瓢笑」と名乘り御船亭の協會にも癇癪亭の協會にも屬さずお旦那が立ち上げた協會に所屬
心機壹轉つてなことになりました。