はいな。あまり面白れぇ話しぢぁありませんが恥かきついでに語りませう。
知つての通りあたしは初めは御船亭に入門し御船亭硬軟と名乘つてゐました。
あることでしくじつて破門と相成りましてね。
さあ。これからだうしやうと思案してゐるときに舊知のお旦那から聲がかかりました。
「師匠。くさつててもせうがない。おまえさんが壹門を作ればいいぢやないか。おまえさんは才能がおありだ出る寄席は變わるかもしれないが
 壹門作ればあたしが全部、膳立てし新たな境界を立ち上げるから心配しないであたしらの寄席に來ておくれ。」
つてな鹽梅でね。
笑つちやいけねえ。幇間がよいしよされてその氣になつて
あたくしは「初代・粟家瓢笑」と名乘り御船亭の協會にも癇癪亭の協會にも屬さずお旦那が立ち上げた協會に所屬
心機壹轉つてなことになりました。

 

 

「キミの短編をひとつにまとめて純文学と大衆文学の合わさったような作品にしたらいいぢゃないかと思うんだよ。

 出版の枠はわたしにまかせなさい。何年かかってもいいぢゃないか。」

かつてこの地の大実業家であり小説家が云う。

遺言代わりに

あたしより若い世代の知りたいものに残そうか。

題名は「血の円周跡」前文をしたためた。

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変態 痴れ者 歌舞化者 輪になって踊りかき混ぜて

そんな物語をさあ 御慰みに

 

 

 

水商売や楽団の他に何をやって食っていた?

男は言った。

 

ああ。パチンコ屋の玉磨き

朝四時からの調理パンの仕込み

・・・・ああ。新学期近くは沖中師をやったわ。

 

あれか?荷物を背中にどんどん乗せられるな?

オレも同じようなことをやったよ。

乗せられた時に背骨がギシギシ軋んだろ?

背骨がに三個潰れてんだわ

歳を重ねたら傷むから気を付けな

と 男は笑った

 

あなたは血の欺瞞を背負わされて軋み

それを守るためにそうした

 

オレはそれを壊すために

そしてそこじゃない夢のためにそうした

オレは欺瞞に満ちた血縁から抜けるために

姓を消すために

 

宿命を背負った あんたを尊敬していると言ったら

 

感嘆にに尊敬なんぞ言うな

持つこと 支配することが正義の場所でそれは

一番の美辞麗句で皮肉な言葉で粛清の対象になるんだ

 

ああもう寝るわと

父と言う冠が付いた男が云った。