徹底的に金もなく
いつも腹を空かせていた。
狭い四畳半にいても閉塞感と不安で押し潰されるから
そうなってたまるかとドアの外へ。
大阪のアーティストの名曲で「梅田から難波まで」と云うのがあったが
吾は「代々木から原宿まで」
そこへ行けばハプニングでもなんでもいいから吾をかまってくれるような氣がしたのだ。
バイクを止めて道ゆく人を眺める
自分だけが取り残されている気がしたものだ。
「何にも成れていないから何にでもなれるさ」
都合のいい誤魔化しを口にして
ここでこれからどうなっていくのか
己と会話し続けたあの頃