旅先の贔屓にしているおばんざい&スナックで食す。ママと風街の頃の話しをする。 違う場所に居れども同じ時代に生き。 板に上がり続けることを選び 店に立つことを選んだ。 彼女は言った。 (覚悟ですね。それ故の奇跡ですね。)商売もスポーツも芸事もそのラインからそれを仕事にしようとしたときに必ずそれぞれの魔物が現れこう尋ねる。

「おまえの願いを聞いてやろう。で。私達に何を差し出すのだ?」それまでの仕事を差し出す者。家族を差し出す者。恋人を差し出す者。

誰が何をどのくらい差し出したかは知らないが

その覚悟の名において今の姿があるのだろう。

コップ酒を飲み干し

じゃあ行くよと言ったとき。 

キラキラと奇跡の粉がそこに舞っていた。