「青春という時間に立つ君へ」
初春の薄日差す部屋にて
ガラス細工の心を持て餘す君よ
ほほに傳はりし涙は何のため
それは何のための試煉だつたのだらう
その物語は君の思ひに沿はない結末だつたとしても
その過程は君にたしかな證をのこしたのである
遠きの己を想像するのだ
生きるとは今だけではない
今日の積み重ねがやがて未來の君を作る
歩むのだ 前を向ひて 歩むのだ
櫻咲く道をその香りに心躍らせ歩むのだ
ふと立ち止まり後ろを振り返るとき
そこにかつての君たちが見えるであらう
歩むのだ 前を向ひて歩むのだ
君のその背中をみてかつての君たちは標とするだらう
君は君が監督で 主演で 脚本家のシネマを必死に撮るのだ
やがて
エンドロールが流れる中 拍手が聞こえるに違ひないから