◎概要
・・・本作品は、宇宙に進出した2つの種族が不幸な出会いを果たし、無限のエネルギー「イデ」を巡って誤解を重ねて泥沼の戦いを続ける物語であり、精神医学的な理論とバイオレンスな感性を融合した作品である。『機動戦士ガンダム』テレビシリーズ終了直後の富野喜幸(現・由悠季)を総監督に迎え、『ガンダム』の劇場版シリーズと並行して制作が進められた。制作体制にとどまらず、視聴率と玩具販売の不振で打ち切られながらも、後にスタッフとファンの熱意により映画化されるという、同作品と同様の経緯をたどった。さらに劇場版ではテレビシリーズでは放送されなかった物語の終盤に当たる部分も映像化され、登場人物全員が次々と壮絶な死を迎える。
テレビシリーズでは塩沢兼人が、劇場版では田中信夫がナレーターを担当している。あまりにも多くの登場人物が唐突に死んでしまう展開に塩沢は「でもナレーターは大丈夫だろう」と思っていたところ、第34話の最後に流れたナレーションは途中でイデの流星の効果音に遮られてしまい、「ナレーターも例外じゃないのか?」と本気で肝を冷やしたという。このような展開は作劇演出の一環である以外にも、声優のギャラを抑えるためにスポンサーサイドから登場人物を殺すよう要求があったからだと、富野が自著の中で述べている。富野は「もうイデオンみたいなのはやめましょう」と、こうした全滅作劇の傾向を嫌っていたが、後年のインタビューでは「(発動篇のラストについて)ああいった美しいリーンカーネーション=輪廻を描けた自分は死というものを素直に受け入れられるかもしれない。そういった意味ではいいものをやれた」とも語っている。
◎劇場版
・・・テレビシリーズは当初の想定とは異なる形で打ち切られたものの、制作スタッフ達は本作品の結末を何らかの形で発表することを望み、番組終了後に劇場版の制作が決定した。当初は『機動戦士ガンダム』劇場版と同様に複数に分けての公開も考えられていたが、興行不振で最終作を制作できない事態になる恐れを考慮し、一本にまとめられた。新作の原画は作画監修の湖川友謙がほとんど1人でこなしているが、一部の新作の戦闘シーンの原画は板野一郎が担当している。また本作品の制作スタッフは劇場版『ガンダム』の制作現場と同じスタジオで作業を行っている。
こうして1982年7月10日にテレビシリーズの総集編『THE IDEON 接触篇』と、新作映画『THE IDEON 発動篇』(英語タイトルはTHE IDEON A CONTACT、THE IDEON Be INVOKED)が併映の形で同時公開され、両篇合わせておよそ3時間にも及ぶ長大な上映時間となった。プロモーション上(劇場版ポスター等)はテレビシリーズと同じく『伝説巨神イデオン』のロゴが使用されており、公開後もそのタイトルで紹介される場合が少なくないが、実際には劇場版のタイトルは『THE IDEON』である。徳間書店ロマンアルバム(51)でのインタビュー記事にて富野監督本人が『伝説巨神イデオン』でなく『THE IDEON』に改題した明確な理由を説明しているため、これは単なる表記上の違いではない。
内容は『接触篇』がテレビシリーズ前半の総集編で、『発動篇』が最終回の完全版となっている。『発動篇』の制作を優先したため、『接触篇』はストーリーの流れよりも作画クオリティを重視して主に湖川が担当した回を中心に構成された。富野は「起承転結の“承”の部分がないので、劇作としては0点」と評している[12](しかし、後に「こんなすごい映画とは思わなかった!」とも)。「皆殺しの富野」と呼ばれる監督の作品らしく、キッチン、ギジェほか、キャラクターは凄惨な死を迎え、老若男女問わず徹底した人体破壊描写が行われた。ラストについて富野は「『禁じ手』を使ってしまったのかもしれない」と語っている。
※「TVシリーズの打ち切り」、「劇場版ガンダムの大ヒット」という合わせ技によって偶然生み出された「イデオン劇発動編」という奇跡!南京めめさんとついにその日を迎えることができた♪
●【同時視聴】劇場版 伝説巨神イデオン ”発動編”
※容赦ない子供殺し。アーシュラという名前すら覚えていなかっためめ嬢は、「子供までも・・・」と呟くしかなかった。
コスモは英雄のように、いきなり成長することはない。一つ一つの経験を踏み台にして、人生の階段を上ることによって、成熟していく。(また、僕も地味なはずのTV版のコスモのことを、以外にもかなりよく覚えているのだ。地味な成長だったが、彼の生き方やふるまいが生々しかったからこそ、逆に僕の記憶に染み込んだのだろうか)/成熟を重ねながら、ひたすら戦って、戦って、戦いぬくうちに、カーシャと労わりあえるようになっていく。物語が佳境にはいると、コスモたちを取り巻く環境は一層に厳しく、彼らは追い詰められていく。次第にイデオンもソロ・シップも物の怪がとりついたような力を発揮するようになる。それはコスモたちにとって頼もしいというよりも、むしろそら恐ろしいものであり、追撃するバッフ・クランにとっては、イデオンとソロ・シップを殲滅しなければ、彼ら人類の存続に関わるという存在となっていた。
もはや、バッフ・クランの追撃から逃れるには、イデオンとソロ・シップから脱出するしかないところまでコスモたちは追い詰められている。「さらばソロ・シップ」でコスモたちはイデの束縛から逃がれようとした。だが、結局、イデは彼らを解放してはくれなかった。コスモたちは、もはやソロ・シップとともに、宇宙を逃げ続けるしかない。疲れて眠りこけるカーシャの横顔をみて、「なにやってんだろうな、俺たち」と呟くコスモに、誰がどんな慰めをかけられるだろうか。
カーシャもまた、当初は「私はコスモより凄いのよ」と見せつけようとしていた。ロゴ・ダウ(ソロ星)よりもさらに過酷な環境で育ってきたことに自負を持っていた。勝気な性格とされているが、本来よりも無理に男勝りを演じようとしていた節もある。
本当は蛙とかが苦手だし、白石冬美の絶妙の演技のお陰で、その口調はさりげなくも女の子らしさがあふれていた。そんなカーシャも、コスモと生死を共にして戦う間に、自我の在り方を変えていった。自己顕示欲の優先よりも、「コスモを励まして、一緒に生き延びるんだ」という社会性を優先する女性へと成長していく。キッチンを失い、どうにもならない喪失感に苦しむコスモに厳しい言葉を投げつけるとしても、それはコスモの立ち直りを願っての行動だった。
二人はともに、成長の階段を上っていた。「発動篇」の中で、唯一、安らぎを与える場面のこと。コスモとカーシャは「メシアを守れば生き延びられる!」と意気投合し、カーシャは「戦いが終わったら、もっと仲良くしようね」と、ほぼ愛情の告白に近い想いをコスモに告げる。コスモをそれを受け止める。しかし、安らぎは一転し、奈落へと落ちていく。希望が高まった分、それが失われた時は、逆に絶望が底なしに深くなるという残酷な顛末を迎える。
「カララを守れなかった・・・ごめん・・・」
カララの遺体をただ呆然と見つめるだけのカーシャの放心した表情が痛ましい。希望から絶望のどん底へ。そして、イデが自分たちを滅ぼそうとしているという認識をつきつけられた、カーシャの絶叫。
「それじゃあ、あたしたち、何のために生きてきたの⁉」
それはもう、死の宣告を突き付けられた者の言葉だ。
「そうよ、みんな、星になってしまえ!!」
あまりに少女らしい言葉の選びであるが故に、「まだ十分に生きていない」命の悔しさがあふれ出すのだ。そのカーシャの死を告げられ、「嘘だろ、ベスさん・・・」と、コスモは操縦席で一人涙を流す。遺体をみたわけではない。ベスの「カーシャが死んだ」という言葉だけである。だが、この混沌とした戦いの中、ベスのたった一言だけで、コスモは最愛となるはずだった女性の死を実感したのだ。そして、鎮魂の涙を流す。いや、鎮魂ではない。「イデよ、なぜカーシャを殺した!!」怒りと悔しみのほとばしりの涙だ。その涙は荒々しい激流となってコスモの頬を濡らす。カーシャとコスモ、二人の嘆きと怒りが綯い交ぜとなった言葉は、耳にこびりついて離れない。
※発動編は観返すたびに、コスモとカーシャの人生に思いを馳せてしまう。本来なら青春を謳歌すべき年ごろなのに・・・二人の過酷な運命を思うと泣けて仕方ないのだ。「十分に生きちゃいないんだ!」というコスモの魂の叫び。これほどまでに切ないキャラの雄たけびは今後絶対もう聴くことはないだろうー。
※ファードがたくましくなっているところにもグッとくるよねえーー。
※カーシャ「あたしにはパイロットの素質はあったわよ」
コスモ「へえ、そうかい?」
カーシャ「そうですよ」
ここのシーンも微笑ましくって好き、好き、好き♬
※「ダラム、助けて」弱音を吐くハルルさん。
このシーンカララからハルル推しに変わった人も多かろう。
※この角度からイデオンガン発射シーンを観られる幸せ~~~~~!!!
●メカ部チャンネル ガンガルブの○○【イデオン】
※ガンガ・ルブ、ザンザ・ルブ!富野御大のワードセンスに浸りきれる(^^♪
※カーシャやハルル、ドバの言動に惹かれるものがあるのだよ。歳食ってから観返すと特にね~。
※ロマンアルバムに記録全集!今でも本棚に並んでいますゾイ!
※オタなもさんほどには感動してくれなかったみたいで、ちょっと残念~。
★オマケ:2月以降は、「ガンダムパワーワード!!」
4月5日(土)
(解説)
広がっていく戦乱の責任を感じ、オーブの代表首長として戸惑いを見せていたカガリ・ユラ・アスハ。そんな彼女とお風呂を共にしたラクス・クラインが、気持ちを強く持つように諭した際の一言。歌姫として大きな支持を得ていたプラントを離脱し、隠遁生活ののち独立部隊として活動していたラクスだけに、一度決めたことをやり抜く覚悟が重要だと語りました。
(ここがポジティブ!)
このラクスの言葉から窺えるのは、最終的にどのような結果を求めて行動するのか、です。ひとつの指針を決めたならば、その途中段階で批判や反対意見があったとしても、結果が出るまで邁進する――その覚悟がなければ、それまでの努力も水の泡になってしまう可能性が高いのです。ラクスやカガリたちがザフトと地球連合軍の戦いを終結させたように、ブレないスタンスが大きな支持を広げていく一歩なのです。
●【ガンダム無双2】 ラクス セリフ集
※ゲーム画像に映える台詞の数々ですねえーーー。