2回目、たまたま安全地帯の横浜スタジアムライブを見てたので、キティつながりで、太陽を盗んだ男。



デジタルリマスターのビスタサイズ盤。

学生時代にリアルタイムに見た日本映画で最高最強の作品。当時邦画は100本ほど見ましたが、試写会や招待券で見せて頂いた40本の10本中9本の作品が最低レベル、招待して下さった各担当者の方に悪いと眠らないのが大変。

この作品は洋画鑑賞同好会の1年先輩の方に、東宝に新入社員で勤務されていた宝塚劇場?でまとめてテケツなしで10人ほど見せて頂きました。夜7時頃の回でも平日で入りは良くなかったと記憶してます。
いまでも当時の学割確か1300円払わなかったことを後悔してる唯一の映画でもあります。

果たして、36年ぶりに観た結果は?
やはり、とてつもない傑作です。当時もバスジャックの描写やパトカーのナンバープレートなど予算不足で粗い所は気になりましたが、細かい所はどうでも良く、黒澤明ではなくとも、東宝製作でなくても、外部のキティでも、情熱とアイデアがあれば、予算厳しくとも、エンターテイメントが造れることを実証できています。なのに客の入りは悪く赤字、テーマのせいか、ビデオでもDVD でもヒットせず。

沢田研二さん、菅原文太さんの渾身の演技でお二人の代表作品だと思ってますが、ジュリーの大ファンの私の嫁さんは不思議なことに観たことも聞いたこともない幻の作品です。文太さんはトラック野郎より、仁義なき戦いより好きです。ジュリーのしらけ感、文太さんの格好よさ、たまりません。

まるでフィルムコミッション等考えられなかった東京を舞台に素晴らしい映像を残しています。
当時はニューヨークを舞台に市当局の後援で、フェイムのような街のイメージを上げる作品だけでなく、タクシードライバーのようなかなり市当局から見ると?な素晴らしい映画が撮られていて、一映画ファンからみても、映画製作に従事されているスタッフの皆様も、悔しい思いがあったと思ってました。
いま見ても、そんな限界がまるで感じられません。どうやって撮ったか?スタッフのとてつもない苦労が結実してます。

まず脚本が凄いのですが、それを具現化したロケハンにより東京の街の魅力が満載
となりました。実際にその場所で撮影したことで、ぐっと現実感が増しています。

大学では明大前まで通ってたので、まずファーストシーンの京王線ラッシュと新宿駅でノックダウン、6大学野球を見に行ってた神宮球場、皇居(どうやって撮った?No. 1)、国会議事堂の妊婦のジュリー(どうやって撮った?No. 2)、渋谷の街、代々木のメーデー、いまはなき日本橋東急百貨店、当時からコンサートでお世話になって翌年は自分が卒業で主役でアリーナに座る武道館までたまらない風景が連続。中央通りの歩行者天国は少子化がまるで課題になっていなかった時代を映しています。ちなみに筆者のゼミは人口論でしたから、当時から少子化は深刻で身近なテーマでした。

TBSの故林さんが出てること(番組で凄い作品に出たと確かおっしゃられたと記憶)、西田さんや水谷さんの場面泥棒のゲスト演技、伊藤勇之助さんの敢えて無茶苦茶過剰な演技も心に残ります。

警視庁長官、内閣秘書官、原電関連学者を演じられた3名の皆さんもはまり役を嬉々と、生き生きと演じられて、凄みすら感じさせます。官僚の皆さんに存在感がないのは東宝特撮映画の伝統だと思ってましたが、今回観ても見事に裏切られました。

いまなら、巨人戦や王さんのホームラン、江夏さんの雄姿など、プロ野球の映像は到底使えないし、肖像権を考えるとゲリラ撮影も厳しそう。

冒頭のラッシュから京王新宿のお馴染みの階段ですら、当時人気絶頂のジュリーとバレなかったのが不思議、まさか周りは皆さんエキストラ?どんなカメラを回してたのか?どう見てもビデオや8mmではなく35mmに見えますが、16mm ブローアップ?

テーマが原爆で、原発テロ、プルトニウムと放射能汚染を含んでいて、テレビ放映ができなかったと思い込んでますが、実際、触れて欲しくないテーマであることに3.11以降の今も変わりありません。

ラスト近くのお台場にはレインボーブリッジがなく、遠くに船の科学館が映るシーンがあるので、今の某温泉のあたりと思ったり、やはり映像の情報量はたいへんなものがあり、東京を正面からテーマにした作品は意外と少ないので、その点でも重要です。小津さんの東京物語ですら、ロケシーンは僅かでたいへん貴重です。

車のCFが初代ファミリア、マツダは良いタイアップをしたと思います。いま見ると、カースタントの雰囲気がテレビの石原プロの刑事番組に良く似てると思いますが、同じスタッフがいらっしゃるのでしょうか?

日本映画にも明日があると、エンターテイメントができる、なのに興行大惨敗と当時は本当に思いましたが、36年経ってもその想いに変わりありません。

残念なことに監督はいまに至るも第3作目が撮れておられませんが、どのようにその後の人生を送られ、生計を立てていらっしゃるか、とても気になります。お元気なら良いです。いまからでも、資金さえあればまだ撮れるチャンスがありますから。

現代を撮ると当時は古くなると危惧してました。確かに車は時代を感じさせますが、テーマと怒涛のエンターテイメントの力が勝っていて、まるで古くさくないのです。ラストのターザン着地だってプロジェクトAより前ですよね?

1人でも多くの方に見て頂きたい作品ですがCS でも放映しずらく、TSUTAYAさんでは定番に無さそうで残念です。

さで次回は...まるで見当がつきません。