おれは不気味な電話の話のあと、引き続き怖い話で女友達としていた。
その話とはその女友達が昔体験した同じような電話の話である。
それは数年前、その当時付き合っていた彼氏と夜中に某心霊スポットに向かっていたときのことである。
時間は深夜1~2時。
まさに丑三つ時でおもしろ半分で向かっていたそうだ。
すると彼女の携帯に電話がかかってきた。
電話の発信者は彼女の友達(ここではA子としよう)からであった。
彼女は電話をとった。
A子「もしもし、今どこにいるの?」
彼女「今彼氏と心霊スポットの○○に向かってるとこだよ。」
A子「何時に戻ってくるの?」
彼女「たぶん5時くらいじゃないかな?戻ったら連絡するね。」
A子「わかった。」
そんな誰もがするような他愛もない電話の内容だった。
それからしばらくしてまたA子からの着信が。
A子「もしもし、今どこにいるの?」
彼女「まだ彼氏と向かってる途中だよ。」
A子「何時に戻ってくるの?」
彼女「だから5時くらいだって。」
A子「わかった。」
電話は終わった。
ここまではA子が彼女に用事があって待ってると思えば普通の会話である。
しかししばらくするとまたA子からの着信がきた。
A子「もしもし、今どこにいるの?」
彼女「だから彼氏と○○に向かってるとこだって!」
A子「何時に戻ってくるの?」
彼女「だから5時くらいだって!さっきも言ったでしょ!」
A子「わかった。」
A子はどれだけ彼女のことを待っているのであろうか。
さすがに彼女もしつこいと思ってきた。
だが10分くらいするとまたA子からの着信が。
A子「もしもし、今どこにいるの?」
彼女は「しつこい!戻ったら連絡するから!!」と半ば怒りながら電話を切った。
あまりものしつこさに怒り気味の彼女であったが、落ち着くに連れて奇妙な感覚にさいなまれた。
……おかしい。何かがおかしい。
たとえ大切な用事があるとしてもこんなに頻繁に電話をかけてくるものであろうか。
しかも心霊スポットのある場所から家まではどんなに急いでも1時間はかかる。
それを約10分おきに電話をしてきて「今どこにいるの?」と聞くのは明らかにおかしな話だ。
それからやはり約10分後、A子からの着信がきた。
さすがに気味が悪くなり、その電話には出なかった。
だがそのあともA子からの着信は続いた。
なんだか心霊スポットに行くのも気味が悪くなり結局引き返すことにした。
いつの間にか着信はやんでいたのだが、家に着いてA子に電話をしてもA子は電話に出ない。
電話はまた明日することにしてその日は眠りについた。。。
次の日、直接本人に会い昨日の出来事について話をした。
彼女「昨日の夜の電話なんだったのさ。めっちゃしつこかったんだけど。」
A子「え?あたし昨日の夜、あんたに電話なんかしてないよ?」
…彼女に悪寒が走った。
携帯の発信履歴を見せてもらったが、確かに昨日の夜に電話をかけた履歴はない。
だが事実、彼女の携帯の着信履歴には昨日のA子からの着信が残っているしあの声は間違いなくA子であった。
仮に声を聞き間違えたにしても着信履歴が間違うことなどありえない。
A子がいたずらで消した可能性もあるので携帯会社から発信履歴の明細を送ってもらうことにした。
後日、A子の発信履歴が届いたので見せてもらった。
がしかし、A子の発信履歴明細にはあの日彼女へ電話をした記録がなかった。。。
そして念のため彼女も着信履歴の明細を取り寄せていたが
あの日A子からの着信履歴は一切なかったという。。。
そんな話の内容であった。
過去にこの件もあって前にブログで書いた電話の話は気味が悪いらしい。
確かにそうだといいながらその後も何気ない話をしているといきなり
「ピーガガガガザーピギギギギギ……」
といきなり電話の向こうから機械音のような音が聞こえてきた。
おれは最初は電話の近くで何かをしているのかと思っていたがあまりにも長く続いたので
「音うるさい!」
と言うと音はピタッと止み、通話終了の「プー、プー、プー」の音がなった。
ちょっとして女友達から電話がかかってきて
「ごめん、充電無くなって電話切れた。」
と言われた。
「あの音なんだったの??」
と聞くと
「音?あんたが「~だから」って言ったときに切れたけど音なんてしなかったよ。」
……音はおれが「~だからそれでも」と言っている途中に鳴り始めた。
普通は充電がなくなった時点で通話は終了するはずである。
しかし音はしばらく鳴り響いていた。
彼女が電話の切れたタイミングを嘘をついているとも思えない(そもそも嘘をつく理由がない)。
というか彼女の周りの音でないとしたらおれが「音うるさい!」と言って止まるのはおかしい。
あの音はいったいなんだったのだろうか。。。