私立高校で併願優遇(入学金納付を都立合格発表まで待ってくれる)を実施している学校を見学してきて、いろいろと感じるところがあったので書いてみたいと思います。
早慶MARCH附属高校や私立国立ガチ進学校はどこも人気で、併願優遇なんてやってないじゃないですか。
「併願優遇を実施する私立高」という時点で、
・偏差値マイルド目(Vもぎ偏差値55~ということにしておきます)
・進学実績もマイルド目
・第一志望にする子がそんなにない
・入学辞退者が多い
・入学するのは都立落ちの不本意な子も多い
・特進クラスと普通クラスで学校内偏差値離れがち
・特進クラスは指定校推薦使えないがち
ということは、現実としてどこもあると思います。
見学に行く我々親子も、「滑り止め」として「ここならいいかな」と思えるいわば「お守り校」としてどうかなと見に行くので、失礼ながらあまり期待せずに臨んだところが正直なところでした。
そしたらいい意味で予想を裏切られて、自分の中で価値観のアップデートを感じたので記録しておきたいと思います。
まず学校説明会で触れられたことが「自己肯定感」についてでした。
私はブログで何度も書いているように、子どもの自己肯定感を大切に子育てをしている、ここは譲れないポリシーなので、「オッ」と思ったわけですよ。
「日本の子どもは諸外国に比べて自己肯定感が低い子が多い」
という、使い古されてるけれども一向に改善の兆しがない、日本の大きな問題点である統計データをバンと出してですね。
「これは偏差値信仰のせいである」
「我が校はアンケート結果で自己肯定感高めの生徒が多い」
と、切り返すわけですよ。
なるほど~、偏差値マイルド目の学校は、偏差値や進学実績ではないところで学校の良さや特長をアピールしていく必要があるんだなあということが気づきのひとつ。
そして、実際に偏差値や進学に対してそこまで気合入ってない、いわゆるボリュームゾーンの子のニーズって結構高いし、ボリュームゾーンの子が幸せになれるような教育をいろいろ考えてるんだなあということがひとつ。
なるほどなと思ったことのひとつが、4月の新入生歓迎会を盛大に行うということ。
第一志望の夢破れて「この学校に来るつもりじゃなかった…」みたいな子も多いかもしれないところで、先輩方が思いっきり「この学校楽しいよー!楽しもうよー!」という感じで派手に歓迎会をすると、気持ちも前向きに上向きになるよね~、これはいいなあ~と思いました。
その他、学校行事も友達関係や愛校心が醸成されるような楽しい雰囲気を感じました。
それと私立は学校の先生の異動が少ないので、先生と生徒の距離感が近そう!都立と雰囲気全然違う~~~!と思いました。
そして学校見学して、案内してくれる生徒さんと話したり、部活中の生徒さんを見たりしたのですが、いろいろと好印象!
・案内をしてくれる生徒さんは当然その学校の優等生で、礼儀正しくて案内や説明も上手でピシッとしてる
・中学校の時から部活に打ち込んできたっぽい子が多い(勉強よりもスポーツみたいな)
・すれ違うとき挨拶もちゃんとしてくれたり、真面目そうで清潔感のある子が多い
・部活の道具が整然と並べられてるのを見て「ここの子はきちんと躾けられている!!」と感動w
・生徒さんは総じて好印象!
・一方で、教室に掲示されている学級目標の内容が「ちょっと幼いな…公立中の延長、中学4年生感がある…」(個人の感想です
・施設がキレイだとテンション上がる
・参加者へのお客様扱いがすごい。教員や生徒さんのお出迎えやお見送りなど。都立と全然雰囲気違うw
という感じでした。
私が「価値観のアップデート」を得られたのはですね、こういった学校や生徒さんの姿を見て
日本ってボリュームゾーンのレベル高い!!
ってことです。
進学校や難関大学を目指してたりすると、エコーチェンバーで似たような価値観の人が周囲に集まるし、Xなんかでもそんなポストばっかり流れてくるし、なんか「ハイスぺこそがすべて」みたいな雰囲気ないですか?
「日本はハイスぺが支えてんだ」みたいな雰囲気感じないですか?
私、それは違うなと思ったんですよ。
日本はこういう真っ当なボリュームゾーンが支えてんだな、と思ったんですよ、本気で。
インターエデュの「今年は東大何人?」みたいな世界線しか知らないとわかんないと思いますが、こういう真っ当なボリュームゾーンが、普通に働いて、普通に結婚して、普通に子育てして、普通に幸せになるんだろな~って想像ができる、ヘルシーさを感じましたね。
ハイスぺ目指して病んだり、頭でっかちの高慢な独身より、よほど幸せで良い人生だろなって。
ぶっちゃけ期待してなかったのに、めっちゃええやん、ええ学校やんって思いましたね。
そんな感想を持ちました。
私立併願高、バカにできんな。
知らなかったいい学校、結構ありそう。