あなたの声急に 聞きたくなって
黄色い受話器 両手でにぎりしめ
私です お元気ですか
うまく言えるかな
大きな窓のある
あの喫茶店で 話しませんか
今日は春分の日。
春を告げる日です。
こんな曲はいかがでしょう?
昔、別れた彼との再会。
窓から春の風 太田裕美 1983年
「うまく言えるかな」
こう言ってしまうのは、
あなたと最後に会ったあの日も
みつめあうことで精いっぱいだったから。
「大きな窓のある
あの喫茶店で 話しませんか」
「あの頃のふたり 子供だったと」
お昼休み ちょっとざわめく店で
あなたと私 小さくほほえむの。
やっと今
あの日言えなかったサヨナラが
明るく言えるわ。
窓から吹く春の風に誘われて、
新しい一歩をふみだす私。
だけど
みつめあうことが
あなたのやさしさだった頃は
いつまでも忘れないでしょう。
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この1曲だけ聴いても
涙がでるほどいい曲なんですけど、
あの「ピッツァ・ハウス22時」の
後日談のようにきこえるのは
僕だけでしょうか。
「ピッツァ・ハウス22時」の
"夜のレストラン"と
「窓から春の風」の
"お昼の喫茶店" の対比、
彼のしぐさを描写する共通点、
そして"やさしさ"というキーワード。
おそらく何も言わずに別れた
「ピッツァ・ハウス22時」の2人の
その後のように思えるのです。
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雨あがりの街が キラキラひかる
こもれ陽させば 素顔の私
あなたの声急に 聞きたくなって
黄色い受話器 両手でにぎりしめ
私です お元気ですか
うまく言えるかな
A-uh A-uh 大きな窓のある
あの喫茶店で 話しませんか
A-uh A-uh みつめあうことで
せいいっぱいの頃のふたり
子供だったと
オトナびたみたいね うなずき方が
誰が教えた 新しいクセ
お昼休み ちょっと ざわめく店で
あなたと私 小さくほほえむの
やっと今 言い忘れてた
サヨナラ 言えるわ
A-uh A-uh 窓から春の風
知らないどこかへ私を誘う
A-uh A-uh みつめあうことが
やさしさだった頃のことは
忘れないでしょ
A-uh A-uh 窓から春の風
知らないどこかへ私を誘う
A-uh A-uh みつめあうことが
やさしさだった頃のことは
忘れないでしょ
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「窓から春の風」は太田裕美の
16thアルバム「Far East」の曲。
作詞 下田逸郎、作曲 網倉一也、編曲 大村雅朗
1983年3月21日リリース。
42年前のこの日も春分の日でした。
Drums: 林立夫
Base: 富倉安生
Keyboards: 山田秀俊
E.Guitar: 今剛、松原正樹
Synthesizers & Computers Programmer:
松武秀樹
「Far East」はNewYorkでの8ヶ月の休業後に
リリースしたアルバムで、
A面がNewYork、B面がFar East(日本)がテーマ。
A面があまりに攻めた選曲
(ロックとかジャジーとか)なので
最初に聴いた僕はひっくり返ってしまったという
要注意アルバム。
「窓から春の風」はB面1曲目ですが、
従来の雰囲気の曲をシンセの音でやさしく包んだ
僕好みの仕上がりになっています。
黄色い受話器 両手でにぎりしめ
私です お元気ですか
もうこれだけで僕は溶けています。
WikipediaなどではA面は太田裕美、
B面は後に太田裕美の夫になる福岡智彦が
担当したとありますが、福岡智彦の記事では
彼女(太田裕美)がニューヨークで知りあった
ミュージシャンからもらってきた曲が5曲、
それをA面として白川(隆三)さんが仕切り、
B面は主に私がディレクション
させてもらいました。
とあります。やはり白川さん...(笑)。
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以下は過去記事(一部)です。
太田裕美はこれで13記事目。