愛してない 好きじゃない
気にしていない 泣いてない
いろんな言葉の「ナイ」を消したら
それが真実(ホント)の気持だったの
星あかりで読む「旅の手帖」。もちろん
「月刊 旅の手帖」(交通新聞社)ではありません。
旅の手帖 石毛礼子 1981年
多分浮気でもした彼とケンカしたのでしょう。
プチ家出、プチ傷心旅行の彼女です。
私この先、彼とやっていけるのかしら...
星あかりで書く旅の手帖。
彼女は今までを振り返って
ブルーな想いを自分の手帖に書き込みます。
愛してない 好きじゃない
気にしていない 泣いてない
書いてみて初めて気づくのです。
書いていることと逆のことが
自分の本当の気持ちであることを。
あなたが好き!
答を見つけた彼女です。
星あかりで読む旅の手帖。
愛してない 許せない
逢いたくもない 戻れない
最後のページに「♥」を書いて
破った手帖のメモを彼に送ります。
赤いポストに熱い想いをこめて。
迎えに来てね
わがまま言葉の「ナイ」を引いたら
何も聞かずにそっと抱いてね
心の旅人だった私。
本当の気持ちに気づいた今日の日付が
愛の記念日。
青春の旅立ちよ あなたと……
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アツアツ過ぎて書いてて
だんだんアホらしくなってきましたが、
この「旅の手帖」作詞は松本隆。
1981年6月25日リリースの曲です。
上の文章で僕は
「心の旅人」という言葉を使いました。
実はこの言葉「旅の手帖」に出てきません。
そう。同年10月7日には松田聖子の
「風立ちぬ」がリリースされています。
作詞はやはり松本隆です。
「風立ちぬ」の中のフレーズ
今日から私は心の旅人
別れはひとつの旅立ちだから
帰りたい 帰れない
忘れたい 忘れない
「旅人」「旅立ち」の言葉は共通。
傷心旅行で手紙を書くという点や
うらはらな自分の心に気づくという点も同じです。
「旅の手帖」は"青春の旅立ち"
「風立ちぬ」は"別れの旅立ち"
という点は違いますが、
2つの曲には少し関係があるのでは
と思いました。
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「旅の手帖」は石毛礼子のデビューシングル。
作詞 松本隆、作曲 網倉一也、編曲 船山基紀
1981年6月25日リリース。
オリコン週間チャート77位、総売上2.0万枚
石毛礼子は宝塚市出身の歌手。
ヤマハ・ヴォーカルコース大阪校を経て、
21才でデビュー。
この曲はラジオでよく流れていたはずなのに
本人の印象は薄め。調べると実家はタバコ屋さん。
それと直接関係ないが、某雑誌の記事によれば
「<<タバコの味>> ファースト・キス。20歳。
レモンジュースを作っておいたのに......」
とのこと(あらまぁ)。
シングル4枚リリース後に引退。
旅の手帖 / Thousand Tears 石毛礼子
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黙って旅に出かけてゴメン
ちょっとブルーな風に吹かれて
ピース・サインを投げるバイクに
今、振り向いた夏色の道
愛してない 好きじゃない
気にしていない 泣いてない
いろんな言葉の「ナイ」を消したら
それが真実(ホント)の気持だったの
星あかりで書く旅の手帖
出逢いから別れまで私は旅人
あなたが好き! それが答よ
青春を歩きたい あなたと……
友だちにテレフォン それとなく聞く
あなたの様子 しょげてるみたい
赤いポストに 手帖破って
メモ送るから 迎えに来てね
愛してない 許せない
逢いたくもない 戻れない
わがまま言葉の「ナイ」を引いたら
何も聞かずにそっと抱いてね
星あかりで読む旅の手帖
昨日から明日まで私は旅人
今日の日付が 愛の記念日
青春の旅立ちよ あなたと……
星あかりで読む旅の手帖
昨日から明日まで私は旅人
最後の頁に「♥(ハート)」を書くわ
青春の旅立ちよ あなたと……