不安なのはあなたのせいじゃない
あたしの想いが洋服の袖の色 
いつまでも涙で変えるから

 

あかときリロード (MusicVideo) aiko 2023年

インタビューでaikoはこう語っている。

「“あかとき”は昔の言葉で
“夜中から朝方にかけての時間”
のことなんですけど、
私はいつもだいたいその時間に
勉強机に座っていろいろ考えたり、
反省したり、気持ちを整理したり、
“リロード(更新)”してるんですよね。」

夜中から明け方までの時間に行う
気持ちの整理や回想。
それがaikoが考える"あかときリロード"。

この曲は見ていたドラマの主題歌で
メロディーが気に入ってたので
記事にとりあげようとしたが、
あらためて歌詞を良く読むと驚いた。

えっ、こんな曲だったの?

単なる切ない恋じゃない。

これはややこしいぞ。
この二人は一緒になりたいの?

「変わりたい もっとちゃんとしたい
だけど今あなたを好きな自分も好きでいたい」

「毎日空が自分勝手であるように
あなたもあたしもきっとそんな風だよね」

互いに少し距離をおいている現状を
自然に肯定しているようなフレーズ。
「自分勝手」がキーワードかも知れない。

一方で、刹那的とわかっていても
幸せそうに彼と愛情を確かめ合う彼女。

歌詞の1番では彼がいて、
2番では彼がいないのだろう。

彼がいるときの安心感と
彼がいないときの不安感との大きな落差。

彼がいない歌詞2番が、
彼女の"あかときリロード"であり、
泣きながら彼と一緒にいた時の場面を
思い出している。

だけど泣いているのは彼がいないせいじゃない。
"ひとりの世界"が不安なだけなのだ。

インタビューではaikoは
こんなことを言っていた。

「この曲の中の二人は
“何があっても変わらない二人”
を切ない想いで書いた気がします。」

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以下は歌詞に書き足したり
言い換えたりした僕の解釈だ。

[1番]
あなたといると
どんどん思いが湧き上がってくるから、
気持ちの整理なんてできない。
だってずっと好きなんだから。

あなたとの関係は変わらない。
ホントはそんな関係から変わりたい。
もっとちゃんとしたい。
だけど今あなたを好きな自分も好きでいたい。

唇のホクロに気がついたのは
あなたがいる今夜に美味しく酔えたから。

あなたを抱きしめるほど
近くにいつもいられるわけじゃない。

だから今日は少しだけ瞬(まばた)き忘れて 忘れて 
あなたとのふたりきりの夜を過ごしたい。

ふたりの世界 誰もいない
だから誰も知らない世界
足りないから繰り返すキスはふたりを急かす
あなたがあたしを優しく抱きしめてくれるから

[2番]
あなたがいなくても
思いが留まる方法を知りたい。
愛の言葉は物足りない。
天気が自分勝手に変わる様に
あなたもあたしも自分勝手なのかもしれないね。

ふたりの世界は
掻き壊した夏の思い出みたいだ。
愛しているという言い訳も
抱き合った時のあなたの匂いも、
あたしの身体(からだ)に傷の様に残ってる。
気持ちにまかせて 
傷になるほど、許せないほど
愛し合った時を過ごして、あなたも
あなたの身体中に残したあたしを覚えて 覚えて。

体が繋がっても 心で愛しても
ひとりの世界がつきまとう。
不安なのはあなたがいないせいじゃない。
あたしの想いが、
洋服の袖をいつまでも涙で濡らすから。

「ふたりの世界 誰もいない
だから誰も知らない世界
足りないから繰り返すキスはふたりを急かす
あなたがあたしを優しく抱きしめてくれるから」

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しかし最近の若い者の考えることは
よくわからん。
ん、aikoはもう若くはないか。

解釈がおかしいのかなぁ。

また図らずも"18禁"的な流れに。
もっと上品に解釈できないものかね、僕。

うーん。aikoがエロいことにしておこう。

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「あかときリロード」はaikoの
4th配信限定シングル。
2023年1月6日配信開始。

作詞/作曲 AIKO、編曲 トオミヨウ

2023年3月29日リリースの15thアルバム
「今の二人をお互いが見てる」にも収録。

ドラマ「忍者に結婚は難しい」(全11話)
の主題歌。ドラマも"切ない恋"を扱っているが
夫婦(蛍と悟郎)の純愛だ。
蛍役の菜々緒が美しい。

エンディングに歌の1番が漫画と共に流れる。
漫画は各話毎に短いスピンオフ作品になっていて、
この漫画だけで毎回泣きました。

 

 

忍者に結婚は難しい 第3話 Ending

(主題歌「あかときリロード」)


蛍と悟郎の結婚前のスピンオフ話。
互いに忍者であることを隠して付き合う2人。
だがデート中でも任務はやってくる。