「愛されてしまったの~」

年末、自転車で八百屋の前を通りかかると
このフレーズが流れてきた。

有線だろうか。
この1フレーズだけで続きが歌える。
カラダが覚えている。

「うなづいてしまったの~」

あぁ、岩崎宏美の「未来」だ。
久しぶりに聞いたな。

 

未来 岩崎宏美 1976年

妹の岩崎良美の方が好きなはずなのに、
これを聞いてしまうと...
あぁ、やっぱりこの曲で記事を書いてしまおう。

「酔わされてしまったの~」


この曲が出た1976年は、
僕がニューミュージックやシティポップを
まだ良く知らなかった頃だ。

2ndシングル「ロマンス」(1975年)から
岩崎宏美はかなり流行っていたが、
僕は全く気にかけていなかった。
3rd「センチメンタル」の 

"十七才~"はちょっと良かったけど。
話はそれるが12th「二十才前」もいい。

だが、この5thシングル「未来」は特別だった。
インパクトが強烈だった。
イントロも反則的。グルーヴ感っていうの?
これって歌謡曲? 当時そう思った。

まぁ、しっかり歌謡曲なんだけど、
なんか違和感

ディスコ歌謡と呼ばれるらしい。

ともかく印象に残った曲だった。
幼い僕のカラダに刻まれてしまったのだ。

「刻まれてしまったの~」

あっ、ここは歌詞の引用じゃないよ。


この曲の不思議な違和感を考えてみた。

歌詞には特段深読みするところはなさそうだ。
「~してしまったの」
というフレーズが多いけど
「ねぇねぇ聞いて。~しちゃったのよ」と
若い女性が舞い上がってる感じにもとれる。

曲はイントロからノリノリ。

歌い方はどうか。

 

未来 岩崎宏美 (夜のヒットスタジオ)
(1976年4月26日 当時17才)

あんまり動いてないね。ノリはどこいった?

だが歌唱力は圧倒的だ。


「二人だけ 白い部屋ぁーっ」
素晴らしいロングトーン。
全く無理がない。それだけじゃない。
これ、ちょっと色っぽいって。

うーん。大人しく
普通に上手に歌えちゃうことが
違和感なのか?
この曲、動いて暴れて
もっとノリノリに歌っていいはずなんだけど。

と思ってYoutubeを探しました。
なんとありましたよ。

 

未来 岩崎宏美 ('82岩崎宏美リサイタル)
(at 郵便貯金ホール1982/10/10,11 当時23才)

いやー。いいですね。
動く宏美。ノリノリの宏美。
これぞまさしくディスコ歌謡だ。
「悲しみも 見えない」なんて
ちょっと可愛いと思ってしまいました。

詞、曲からすればこんなイメージなんだ。
僕の違和感の理由がわかった気がする。

この'82リサイタルの動画を見た後、
もう一度、夜ヒットの動画をみてみると
違いは歴然。

夜ヒットの歌い方も、
別の高揚感があって
それはそれでまたいいんだけどね。

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「未来」は岩崎宏美の5thシングル。

作詞 阿久悠、作曲/編曲 筒美京平
1976年5月1日リリース。
1976年7月25日リリースの3rdアルバム
「飛行船」にも収録。

シングルのジャケットは好みです。
(だめだな。こんな事ばかり言ってちゃ)

「'82岩崎宏美リサイタル」の動画は
VHDビデオ

「1982年岩崎宏美リサイタル(VHM-68012)」
のものと思われる。
「岩崎宏美ROYAL BOX(VIZL-264)」

のDVDにも収録されているようだ。

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以下は過去記事です。