この曲は、お母さんのことを歌ったもの
という人がいる。
母とのお別れの歌だと。
なるほどそんな解釈もありだなと思った。
ただ、この辺りは色々解釈できる。
ひとつ、僕が思うのは、
この歌の主人公(彼女)が
前を向いて進んでいるという事だ。
柴田まゆみ自身が語る様に、
この曲は神戸で生まれた。
神戸は南は神戸港、北は六甲山地に挟まれ
ほとんど平野がない。
わずかな平地が東西に延びる街である。
北に向かえばすぐ坂になり、
坂を上っていくと神戸港が見渡せる様になる。
「長い長い坂道を今登ってゆく」
このとき、振り向けば
穏やかな海が広がっているはずだ。
「好きだった海のささやき」が
大切だった人の声と重なり、心にしみる。
それでも彼女は海を背にして
坂道を登ってゆくのだ。
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「白いページの中に」は、
柴田まゆみのシングル曲。
彼女のシングルはこれ1枚しかない。
1978年のポプコンの入賞曲であり、
コッキ―ポップのテーマ曲にもなったこの曲は
オジサン世代には懐かしい曲だと思う。
僕がこの曲を初めて聞いたのは中学生の時。
当時は、
柴田まゆみがこのシングルだけを残して
活動をやめてしまったので、
ほとんど情報がない状況だった。
2004年に
「白いページの中に and more tracks」という
92年に録音していた音源をまとめた
アルバムが出た頃から少しずつ情報が
入ってくる様になった。
2022/4/17の神戸新聞の配信記事によれば、
柴田まゆみは
肺がんと新型コロナとの闘病をのりこえ、
彼女の出身地である兵庫県たつの市で
初のソロライブを開いたそうだ。
そのYoutube音源も上がっている。
「白いページの中に」は
多くの歌手にカバーされてきた。
最近では、映画「ホテルローヤル」(2020年)の
主題歌となりLeolaにカバーされた。
この名曲が、特に若手に
歌い継がれていくことが嬉しい。
白いページの中に
蜃気楼 (白いページの中に and more tracks)
この曲もいいのです!