アルバム「Canary」にも入っているこの曲を

聴くたび学生時代を思い出す。

写真は「Canary」のジャケットだ。

僕は大学1年。同期に法学部のT子さんがいた。
小柄で聡明、だけど少し天然っぽいところがある
目が大きくてチャーミングな女性だった。

当時、T子さんと同郷の友人が

僕の部屋に来たときのこと、
置いてある「Canary」のジャケットを見て言った。

「そういえば、T子さん、

「Canary」を美容室に持ち込んだらしいぞ」

なんでも「Canary」のアルバムを

持って行って店員に見せ、

「これと同じにしてください」

と注文したらしい。

当時のアルバムはLPレコード。

31cmの正方形のサイズで結構重くかさばるものだ。
あの小柄なT子さんが大きなアルバムを抱えて

美容院にいくのは、
想像するだけで可笑しかった。
多分、あの大きな目で店員を真っ直ぐに見て

注文したのだろう。

「さすが、T子さんだな。」

と二人で笑っていたものだ。

T子さん、今はどうしているだろうか。
 

蒼いフォトグラフ 松田聖子