今日も私の半生を書きたいと思います。
今回は34~38歳です。

 

34歳でずっとやりたかったひきこもり支援の活動に携わることになりました。
今まで親の会としてやってきたNPO団体が当事者が自由に通える居場所を作るために「そこのスタッフになってほしい」と当時の理事長に誘われました。...
最初はそこで社会復帰を目指す当事者の話し相手や遊び相手をしたりしました。
当事者の人たちは話すのが苦手でしたが、素朴で繊細な人たちが多く、親しみも湧いて、接するのは楽しかったです。
一方、同じスタッフとの関係には悩みました。
当時のスタッフは社会福祉士の資格を持った人たち2人で、彼らとは距離感を感じました。
私はひきこもり支援に情熱を感じて、居場所でいろんなイベントや企画を提案するんですが、よく施設長に理屈でねじ伏せられて不全感を感じていました。
私はずっと産業カウンセラーの勉強をして傾聴に取り組んできたことを誇りに思ってきましたが、ケアマネジメントをモットーとする社会福祉士には抵抗しても歯が立ちませんでした。
彼らは独特の福祉理論でひきこもり支援をしようとするので、私はそこに疑問を感じて対立もしました。
1年目は面談や訪問は任せてもらえませんでした。
たかだか産業カウンセラーって感じで下に見られたんだと思います。

 

ただ毎年当事者の人たちとバンド活動したり、子供向けの紙芝居をやったりして、一緒に協力してやることは面白かったです。
私はバンドではメインボーカルをやったことがあります。
これは気持ちよかったです。

 

1年目には創設者である理事長が辞めました。
新しい理事長は独裁的でなく、よく話を聴いてくれました。
みんなで協力的にやっていこうとするタイプで、私は慕ってました。

 

ひきこもり支援もやりながら、電話相談もやっていたんですが、忙しくなったのでやめました。

一方私は実家に住んでいたんですが、当時母と言い争うことが増えてきました。
母から私が何もできない人間だと思われて見下されてるような気がして、すごく悔しかったんです。
あるとき大ゲンカになって母に「お前なんで死んでも悲しまないからな」って言ってしまいました。
それ以来、実家を出て、職場の近くで1人暮らしを始めました。
35歳のときです。

 

職場での2年目、私もケースを任せられるようになりました。
まだひきこもっていて、家から出られない当事者の親の相談や、当事者宅への家庭訪問をしました。
やりがいはありましたが、本人となかなか会えなくて、ひきこもり支援の難しさを感じました。
居場所でも私との関わりに慣れてきた当事者が、私にきつい言葉を言ってきたり、私が言った何気ない言葉で傷ついたりして、コミュニケーションにも悩みました。
当事者同士で私の悪口も言われていたようでした。
さらに仲良かった同僚の女性ともささいなことで対立してしまい、無視され続けてしまいます。
過呼吸にもなります。

特に3年目はなかなかうまくいかないことが多く悩みました。

 

36歳のときに職場からアウトリーチ研修というものに行くように言われ、参加しました。
これは全国からひきこもり支援者が集まり、訪問支援について勉強するものです。
いろんな価値観があって刺激になり楽しかったです。
5日間一緒にいたこともあり、友達になった人も何人かいます。
やっぱりどこに住んでいても、同じ志を持つ人たちはすぐに仲良くなれるのかなとも思いました。
でも何年も一緒にいると対立も起こるかもしれません。

 

プライベートでいろんなワークショップに出るようになり、心から話せる友達が何人かできました。
30代後半になると真の友達ができるんだなって思いました。

 

職場での4年目、37歳のとき就労体験のための喫茶店のスタッフを任されました。
私の役目は現場で接客を当事者に教えることや経理をやることです。
ときには調理もします。
飲食店でアルバイトはやったことありますが、いろんなことに目配りして、考えることが苦手な私には余裕がなくて難しかったです。
私も失敗しながら学びました。
喫茶店の運営について、親のスタッフや同僚がいろんな意見を言われることでパニックになることがありました。
当時の私は特に喫茶店運営に対する考えを持たなかったのがいけなかったんだと思います。
疲れることが多かったですが、経理や喫茶店の運営や調理、人に教えること、どれも苦手でしたが、私にとって未知の領域で勉強になりました。

 

38歳で友人に誘われ、初めてフルマラソン完走することができました。
沖縄県那覇市です。
今までフルマラソンなんて超人がやることだと思ってましたが、私のような運動神経の悪い人間ができたことで自信になりました。

 

居場所も喫茶店も資金繰りが悪くなり、私も解雇されることになりました。
ちょうどひきこもり支援に疲れてきて、自分の能力に限界を感じてきて辞めようか考えていたときに話がきました。
ひきこもり支援を通して、人との関わりや支援方法にすごく悩みましたが、自分としては一生懸命やったので後悔はありませんでした。
それでも、私が抱えていたケースでひきこもりから脱出できなかったり、居場所や喫茶店に来れなくなった人たちがいたことに力不足を感じています。

理事長からは新しい就職先を紹介してもらいました。

 

以上が34~38歳です。