-星ドラStory日誌vol.073-第10話<再会と決別>第6幕「ピエールの決意と大自然の神 | “GIGS”CASE OF JOGIH

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★魔道士リザの冒険譚★
-星ドラStory日誌vol.073-
第10話<再会と決別>第6幕
「ピエールの決意と大自然の神秘」

アタシは魔道士リザ。
ブルリア星の2代目冒険王姉弟の1人。
かつて全宇宙を平和に治めていた宇宙王。
その末裔オリオリは・・・現在、全宇宙に
君臨する邪悪な組織『宇宙政府』、これに
反抗する為レジスタンスグループ『義勇軍』
を率いて打倒宇宙政府を目指していた。
アタシ達姉弟は義勇軍に参加しオリオリと共
に宇宙政府を打倒する為ここ惑星クラウド
での冒険を続けているの。
さて本日の冒険日誌照れ
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
「ねぇピエール様ぁん、これから何処へ向か
うの??」

「・・・そなたは政府より1度は処刑を言い
渡された身だ、政府の施設へ連れて行くワケ
にはいかん。しばらくこの地方に留まり政府
の裏事情を集めていこうと思う。
そなたにはたっぷりと働いてもらうぞゼン
チャン。」

「あぁ、じゃあ、この辺りがワタシ達の愛
の巣になるのねぇん❤︎❤︎」

「・・・。この辺りは私が幼少期を過ごした
場所でもあるのだ。
この先の岬を越えた雲海の先に小島があり
その島には洞窟がある。
そこをしばしの拠点としたい。
と、その前に・・・とある教会を訪れよう
と思っている。」

「きょ、教会っ!?
あぁ、ピエール様が幼少期を過ごしたって
いう教会ね。ま、まさかそこで・・・ワタシ
達の愛を誓い合うのっ!?
ピエール様ったらっ!ワタシとの未来をもう
そこまで考えてらっしゃるのっ??
クールなその佇まいとは裏腹になんて情熱的
なのっ!!あぁ・・・ワタシますます貴方に
首ったけ・・・❤︎❤︎❤︎」

「・・・こりゃあかん、ゼンチャン言うたら
完全にイカれてしもてる・・・ピエールはん
・・・アンタ罪な男やでぇ、ワイどうなって
も知らんで〜。」

「・・・。」

アタシ達がピエールを追う為、ゼンチャン
の館を出発した頃、ピエール達は既に竜巻
の教会に到着しようとしていたの。

「此処だ。」

「んまぁ・・・随分と寂れた教会・・・けど
・・・寂れた教会で隠れるように愛を誓い合
う・・・秘密の愛ゆえに2人は一層燃え上がる
・・・ウフ、嫌いじゃないわっ❤︎」

「相変わらずプラス思考やなぁ・・・呆れる
わ。」

(「むぅぅ・・・随分と寂れてしまっている
・・・どういう事だ!?オレ達が世話になっ
ていた頃とは様相が随分と違ってしまって
いる!)

コンコン

「もし、誰かおられるか?」

(「・・・おかしい・・・誰も居ないのか?)

「誰も出てきはらへんなぁ?」

「こんなに寂れてるんですもの、ひょっと
してもう廃教会なのかも?」

「・・・。」

ギギィィィ

「あ、ピエール様っ!
いいのかしら勝手に入っちゃって?」

(「蜘蛛の巣が・・・中も随分と荒れている
・・・やはり誰も居ないのか・・・これぐら
いの時刻だとミサが開かれていてもおかしく
ないハズだが・・・?)

「あぁ、ピエール様、お待ちになってぇ❤︎」

(「・・・どういう事だ、祭壇だけは綺麗に
手入れが行き届いている!?という事は無人
ではないのか?」)

「ゼンチャンよ、そなたと愛を誓い合うのは
もう少し先だ・・・私はまだ何も成し遂げて
おらぬ・・・。」

「えぇ!?そうなのぉ??」

「これから私はそなたと共に・・・宇宙政府
でのし上がって行くために活動していくつも
りだ・・・その決意を!
幼少期を過ごしたこの教会で神に誓う為ここ
にやって来たのだ、そなたも私と共にあると
いう決意を・・・共に神に誓ってもらえない
だろうか?」

「なぁんだ、愛を誓いに来たんじゃない
のぉ??まぁけどいいわ、ピエール様と共に
決意を誓う・・・それも悪くないわね。
共に活動し絆を深め、改めて愛を誓い合う
・・・そのほうが深い愛で結ばれるかもしれ
ないわっ!わかったわピエール様っ!」

(「決意と共に・・・過去の自分との決別
・・・そう、オレは本当にっ!今日から
ボロンであった自分と決別するのだっ!
此処で世話になった過去を捨て去る為にっ!
最後の祈りを捧げに来たのだっ!」)

コツコツコツッ

(「む、誰だ?」)

「そ、そこで祈りを捧げているのはどなたで
す・・・?」

(「っ!!」)

「どなたか存じませんが・・・貴方達の祈る
気持ち・・・それはありがたく思います・・
・しかしこの教会では神への祈りを宇宙政府
によって禁じられています。お祈りが済んだ
のなら、どうかお引き取りくださいますよう
に。」

「う、宇宙政府に祈りを禁じられているっ
!?シスターイェルダッ!!
それは本当なのですかっ!?」

「!?どうして私の名をっ!?」

「あっ・・・そ、それは・・・い、以前に
此処の教会へ立ち寄った事があったもので
・・・ミサに参加した事があります。
その際に聖歌隊のソプラノを務めておられ
たのが印象に残っており、その御名を覚えて
いた次第です。」

「え!?幼少期をここで過ごしたって言って
なかったっけ・・・ワププっ!!」

(「ゼンチャンッ!すまんがそれは今は伏せて
くれっ!」)

「ングググ〜〜〜!!」

「??どうしました?」

「いえ、何でもありません、お気になさらず。」

「そうですか・・・しかし私が聖歌隊のソプ
ラノを担当していたとは・・・もう十数年
以上も前のこと・・・そんな昔に此処を訪れ
てらした・・・。失礼ながら貴方のお名前
は?そのような仮面をお召しになっている
ので・・・どなただか思い出す事もできませ
ん・・・。」

「そ、それは・・・ピ、ピエール・・・
そう、私の名はピエールと申します。」

「ピエール・・・はて・・・申し訳ありませ
ん・・・そのようなお名前の方が此処に
いらしたかどうか・・・記憶を辿っても
思い出せないわ。」

「・・・いえ、お気になさらず。
訪れたのはたった一度だけ、覚えておられず
とも致し方ないこと。
それよりシスター、神への祈りが宇宙政府
に禁じられたというのは本当なのですか?」

「・・・はい、宇宙政府に取っては・・・
ミトラ神は宇宙王一族が守護神と定めた神様
ですから・・・蕃神と位置付けているのです
・・・それをいつまでも崇めるなど反政府
運動に繋がる、けしからん、という事なので
しょう。
ミサを開くと称して・・・反政府運動の計画
を練っている、という疑いをかけられてしま
ったのです。
最近では・・・この辺りにも政府の魔物が
現れるようになってしまって・・・この先の
岬の向こうにある小島の「迫真の洞窟」や
南東にある「星雲の洞窟」に魔物達が集まり
根城としてしまいました。
そこからこの教会を見張り、ミサを開いて
いないか、怪しい事はしていないか、と
チェックをしているのです・・・そのせいで
教会に集まる人もどんどん減っていき、今
では祈りを捧げに訪う者は1人もいなくなっ
てしまいました・・・。」

「な、なんですとっ!?迫真の洞窟と星雲の
洞窟が・・・!魔物達の根城にっ!?」

(「なんだとぉ・・・!
この2つの洞窟は・・・オレとオリオリの
思い出の場所だっ!2人だけのっ!
惑星アレスから亡命したあの当時のっ!
セアドも別行動だったあの期間のっ!
2人だけの時間を過ごした場所をっ!
魔物どもに踏みにじられるとはっ!
ゆ、許せんっ!セアドですら、あの時間、
思い出だけは足を踏み入れる事はできない
んだ、それを政府ごときに侵されるなどっ!
断じて許さんっ!!」)

「シスター、邪魔をしたっ!
私はこれにて失敬するっ!
その洞窟らに巣食う政府の魔物、私が退治
してこようっ!!」

「えっ!?あ、貴方がっ!?
ど、どうしてっ!?
い、いえ、魔物の根城に向かうなど危険
過ぎますっ、おやめなさいっ!!」

「ご心配には及びません、政府の下等な
魔物など瞬き1つする間に退治してみせ
ますっ!ご安心召されよっ!!行くぞ!
ゼンチャン、チャングーっ!!」

「あ、は、ハイッ!け、けどワタシは魔物
とは戦えないわよ、影に隠れてるからっ!
チャチャっとお願いねっ!」

「任せろ。」

「あ、あぁピエールっ!!
戻ってきなさいっ!!あぁぁっ!!」

******************************************************

「モガ〜・・・!
たっ竜巻がこんなに・・・近いと・・・い、
今にも吹っ飛ばされそうだぞ・・・!」

「ピ、ピピィ・・・!」

「・・・スラッピ・・・マジでしっかり
掴まってろ!
お前は体が小さいからな・・・ホントに吹っ
飛ばされちまうぞ!」

「ピピピッ!」

うぅぅ、竜巻を迂回っていうけど・・・こん
なに近くを通るなんて・・・本当に飛ばされ
そう!しかもこの辺りは丘陵地帯で・・・森
はおろか樹木の1本さえ生えていない。
風を遮るものが何一つないっ!

アタシ達はゆっくりゆっくりと、地面を踏み
しめながら教会に向かっていた。
しかしこのペースでは一体いつたどり着くの
か見当もつかない。しかもこの強風では野営
を張る事もできない。
このままノロノロと歩き続けるしかないのかっ!?

「皆さんっ!すみませんっ!私は書の中に
居るゆえ、皆さんと苦しみを分かち合う事が
出来ない・・・頑張ってくださいとしか言え
ず、申し訳ないっ!」

コッツが懐に大事そうにしまっている宇宙王
の書からオリオリが謝罪の言葉を発する。

「・・・いえ!オリオリ様の御身は何者にも
代え難いお体なのです・・・!
私が必ずお守りいたします・・・!
どうか書の中にいらしてくださいっ!!」

「コッツ・・・申し訳ないっ!」

オリオリ、別に貴女が謝る事ではないっ!
コッツの言う通り貴女の体はアタシ達が全力
で守るべきなんだ・・・!
け、けど・・・!
それにしてもなんとかならないものか、この
強風・・・!

「きょ、教会まで行けば・・・風の強さは
ゼンチャンさんの館周辺と同程度まで弱まる
はずですが・・・。」

そういえばピエールは・・・どうやってこの
強風地帯を切り抜けたんだろう?
彼も教会を目指してるのよね?
ピエールはともかく、ゼンチャンとチャン
グーにこの強風は耐えられないんじゃない
かしら?

「・・・おそらくピエールは・・・ルーラ
でしょう。私と彼は・・・幼少期をその教会
で過ごしていたのですから・・・。」

そうだったっ!
ピエール・・・ボロンとオリオリは、その
教会で住んでいたんだから・・・ルーラを
使える彼ならこの強風地帯をショートカット
できるわけね。

アタシ達、ってかモガ丸はその教会をもちろ
ん知らない、ルーラの特性上アタシ達は徒歩
で向かうしかないっ!この差は大きいわっ!

「オリオリ司令官っ!この強風地帯はあと
どれぐらいで抜けられそうなんだっ?」

「あ、あと2,3㎞ほどだと思いますが・・・
ジョギーさんっ!」

ジョギー??何か考えがあるの??

「ね、姉ちゃん、あ、あの時と・・・あの時
と同じ要領で・・・此処を切り抜けられない
かな?」

あ、あの時・・・?

「ホラ、オリハルゴンの島へ向かう時・・・
姉ちゃんがやってみせたアレさ・・・!」

オリハルゴンの・・・?
・・・あっ!あぁあっ!!
逆風の中、風の呪文で気球船の推進力を
生んだあの方法っ!!

「・・・さすがにこんな巨大な竜巻を吹き
飛ばすのは無理でもさ・・・一時的に相殺
する事ぐらいは・・・できないかな・・・
そしたらその間に全力疾走するんだ・・・
あと2,3㎞だってんなら・・・なんとか切り
抜けられそうだろ?」

ど、どうかしら・・・やってみる価値はあり
そうだけど・・・ってか方法論は間違って
なさそうだけど・・・あの時の逆風と目の前
の竜巻じゃ規模が違いすぎる・・・アタシの
呪文でこの竜巻を抑える事できるかしら・・・。

「だから・・・今回は3人で力を合わすんだ
っ!」

さ、3人でっ!?

「オレ達姉弟の全員が風にまつわる技を繰り
出せば・・・このデカイ竜巻にも負けない
んじゃないかってっ!」

そ、そうか!
アタシ1人では無理でも力を合わせれば
可能性が無くもないっ!
ジョギーッ!わかったわっ、やってみよう!

「レイファンもやるぞっ!」

「わかった兄ちゃんっ!私はどうしよう?
どの技にしよっか?」

「アナタも一通り呪文は扱えるでしょ!
バギクロスならどう?」

「わかった・・・リザ姉ちゃんほどじゃない
けど・・・使えるよっ!」

よぉし、やってやるわよ、アタシ達姉弟の
底力を見せてやるっ!!

アタシ達3人は・・・大きめに足を広げて
地面に食い込まんばかりに踏ん張り、それ
ぞれスキルの準備に取り掛かった。

「モガ丸、コッツ隊長っ!
オレ達が技を繰り出し、風が収まったら
すぐにダッシュだっ!」

「お、おぅ!了解したぞジョギーッ!!」

「了解しましたジョギー殿っ!!
リザ殿、レイファン殿もっ!
頑張ってくださいっ!!」

ふふ、どっちが年上だかわかんないわね、
さぁっ!やるよっ!!

バシューッ!!!

ジョギーが怒るっ!!

ブゥウウウン

アタシは目を閉じ念を頭に装備している
サークレットに集中させる。
精霊神ルビス様の御力で、その秘術と呼ば
れる魔法陣が足元に広がって行く。

「姉ちゃん、そうだっ!こだまする光撃、
これも使っちゃおう!」

レイファンっ!
そうね、呪文の数が多いに越した事はない!

「こだまする光撃を我が姉リザにっ!!」

パァァァ

レイファンの掲げた扇からアタシの体に金色
の光が移動したっ!

「よしっ!私から行くよっ!風の精霊よ、
風巻(しまき)を呼び刃となし我が敵を切り裂
けっバギクロスッ!!」

ビュオオオオオオッ!!!

「ハァァァッ!!!稲妻烈風斬っ!!!!」

ガシュッ
ズザザザアアアアッ!!!!

弟達の技が大竜巻に向かって飛んでいくっ!
レイファンのバギクロスは烈風を巻き起こし
ジョギーの剣技はそのまま剣圧の突風とな
って竜巻に激突するっ!!

2人の技が合わさった時点で・・・すでに
居座り竜巻の規模に迫るぐらいの風圧が生み
出されたっ!
そこにアタシはさらに追い討ちを放つ!

「風の精霊ミラルダ・オトシンクルス、
汝の僕、数多の風の精呼び天空を舞台とし
躍り狂いさせ給うっ!それ撃風となりて
大渦の竜巻生むものなりっ!
バギムーチョッ!!!」

バギ系の上級呪文バギクロスをさらに超えた
超級呪文バギムーチョをアタシは詠唱したっ!

ビュウオオオオオオヒュウウウウウウオオオオオオオオッ!!!!!!

ルビスの秘術を施した撃風の呪文は・・・
居座り竜巻に匹敵するほどの大きさの突風
を生み竜巻に炸裂したっ!
さらにバギムーチョは止まらないっ!
こだまする光撃でもう1発、撃風が発生し
竜巻に向かって飛翔するっ!!!

ビュアオォォォオオオオオ!!!バッザァァァアアアアアアアアアアア

アタシ達姉弟が生んだ巨大な烈風のエネルギ
ーと居座り竜巻とが激突するっ! 

よ、予想以上にっ!!
アタシ達の生んだ烈風は居座り竜巻を押し込
んでいるっ!
これならっ!
竜巻が生む強風を抑えられるっ!
この隙にこの強風地帯を走り抜ければ目的
は果たせるっ!しかしアタシはっ!
連続呪文でさらに呪文を撃てば・・・
パーティ全員がもっと楽に移動できると
考えた。今ならまだ連続呪文として次の呪文
を詠唱できるタイミングッ!

アタシは2つ目のバギムーチョを詠唱した!
竜巻を消し去るつもりで全霊を込めてっ!!

「連続呪文っ!撃風となりて竜巻を呼べっ
!!バギムーチョォォォォオっ!!!」

ビュウオオオオオオオオオオオオ・・・オオオオオオ!!!!

ぼっ暴走したっ!!?!
やっば!また暴走させちゃった・・・!

こだま光撃でこだました分と合わせると
実質3つ目となったバギムーチョの竜巻は、
アタシの魔力が暴走し初発のルビス秘術が
施されたものに匹敵か、それ以上の大規模
な突風となり・・・完全に居座り竜巻を
呑み込んだっ!!

やがてアタシ達のスキルや呪文が生んだ
烈風、撃風が収まり・・・辺りは・・・ほぼ
無風状態となった。

「ひ、ひえええ・・・た、竜巻の風も凄かっ
たけど・・・リザ達の呪文の威力はそれ以上
だったな・・・って・・・
モ、モガーーーーーーーーーッ!!??
か、風がっ?風が収まった・・・?
えーーーーーっ????あれだけ吹き荒れ
てた竜巻の風がっ!!
何処かへ行ってしまったぞ???
あ、あぁぁっ!!
あ、あ、アレを見ろっ!!!」

モガ丸は居座り竜巻があった方向を指差し
た。全員がモガ丸の指先の方向を向く。
な、なんとそこにはっ!!

物凄くちっちゃな・・・オモチャみたいな
大きさのつむじ風がそよそよと涼しそうな
そよ風を振りまきながら・・・渦巻いていた
の・・・。

「これは一体っ!?どういう事なんだ?」

「あの大竜巻は!?消えてしまったのか?」

「た、確かにリザ殿達が生み出した風のスキ
ルの規模は大竜巻に匹敵もしくは凌駕する
ものでしたが・・・。」

「モガ、もしかしてあの大竜巻を吹っ飛ばし
てしまったのか??」

「そ、そうかもしれません・・・そ、相殺
して時間稼ぎができるのか、一か八かの賭け
だったはずが・・・か、完全に吹き飛ばし
てしまった??」

「モガーーーーーーッ!!
す、すげーぞー、リザ達ーーーーーッ!!
ブルリア星の冒険王のチカラ、とうとう大
自然にも勝ったぞーーーーーッ!!」

「す、凄すぎる・・・リザ殿達・・・。」

モガ丸とコッツが歓喜してアタシ達姉弟を
褒め称える・・・。
けどアタシは・・・裏腹に少し暗い気持ち
になっていた。
アタシほどじゃないけど・・・それは弟達も
同じだった。

ま、また!魔力が暴走してしまった・・・。
アタシには一体どれぐらいの魔力が眠って
いるんだろう??
先日のダーマ様との修行で・・・ご指摘に
なられた事がまた起きてしまった。
うぅぅまたダーマ様に叱られるぅ・・・あれ
ほど魔力の調節に気を配るようにと仰られて
いたのに・・・!(いや、実際はそこまで怒ら
れてないけど・・・。)

竜巻を吹っ飛ばすんだって気持ちを込めすぎ
たんだろう・・・そのアタシの気持ちに体
の中の魔力が溢れ出たに違いない。

「リ、リザ姉・・・す、凄かったな・・・
さっきのバギの呪文・・・。」

「うん・・・私もあんなに威力があるだて
・・・ビックリした・・・。」

「けど・・・これ屋外だったから良かった
ものの・・・またダーマ様に注意を受ける
案件じゃないのか・・・?」

うぅぅぅっ!い、言わないでっ!!
自分が1番良くわかってる・・・やり過ぎ
だってっ!!

「まぁ、またダーマ様に相談だな、今回に
限っては竜巻が消し飛んだ事で、残りの行軍
が容易になった、結果オーライだな、
リザ姉っ!」

ウゥぅぅ、結果オーライ・・・それぐらい
しかアタシを宥める言葉はない・・・。
さっきのを・・・また洞窟内や屋内でやって
しまえば・・・また味方に被害が出てしまう
・・・!本当に・・・ホンットに気を付け
なければっ!!

「モガ?どうしたんだ?リザ達・・・なんか
浮かない顔だけど・・・?
竜巻の強風は収まったんだ、さぁ!
今のうちに教会まで進もうぜっ!!」

「ピピィ!」

そ、そうね・・・とにかく・・・当初の目的
は果たした。
居座る竜巻も・・・あそこまで小さくなって
しまえば当分は元の大きさまで成長する事
はないだろう。

「しかし・・・大自然の不思議ですね。
大竜巻そのものは吹き飛びましたが、それで
も竜巻の素はああして同じ場所に相変わらず
存在している。
大自然の生命力の強さを目の当たりにした気
がします。
あの小さき竜巻の素が何日も何ヶ月も何年も
・・・周りの風を取り込み成長しあのような
大きな竜巻になるのでしょうねきっと。」

オリオリが居座る竜巻の仕組みについて思い
を馳せる。
そうね、今、一時はアタシ達人間の力で無理
やり吹き飛ばしたけど・・・それでも素まで
消し去る事はできないんだ。
大自然の神秘、雄大さ、それを思い知ったわね。

「よぉし!久しぶりに風に煽られる事なく
ストレスなく歩けるぞっ!急いで教会へ向か
おうぉぉ!」

モガ丸が号令をかける。
うん、ひとまず大竜巻の脅威は去った。
かなり行軍が遅れちゃったからね、その分を
取り返さなくっちゃっ!

ボォフゥ大陸中心部の・・・その景色にいつ
も存在していた居座る大竜巻。
それを人為的に取り払ってしまった。
自分達がやってしまった事とはいえ、大自然
の法則に逆らう行いだわ。
これから向かうのは教会。
時間があれば・・・そこで今日のアタシ達の
行いを懺悔しよう。

アタシ達はペースを上げ、オリオリが幼い頃
を過ごしたという竜巻の教会へと向かった。

と、その頃・・・ピエール達でもない、ある
1人の人物が・・・竜巻の教会を訪れようと
していた!
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
***登場人物紹介***
・リザ
本編の主人公。つまりアタシ。職業は賢者。
偉大な魔道士を目指し冒険を通じ日々修行
しています。
理不尽な事がキライで宇宙政府の汚いやり方
等を聞かされるとちょっと、ほんのちょっと
気性が荒くなる、と言われます滝汗
恋愛には疎く恋バナはニガテです。

・ジョギー
アタシの弟。
職業はバトルマスターで剣が得意。
彼もアタシ同様、日々修行を欠かさずどん
どん強くなっていて、そのスキルの強さには
もうアタシでもかなわないわ。
アタシも負けてられないっ!

・レイファン
末の妹。職業はスーパースター。
回復行動やオンステージというサポート行動
が得意。
こだまする光撃という最高のサポートスキル
でアタシやジョギーの攻撃を最大限に強くし
てくれます。

・モガ丸
アタシ達の冒険の最初からの友達。
戦闘は得意ではないけど見え〜るゴーグルで
宝物を発見したり移動呪文ルーラで冒険の
移動を助けてくれたり、と冒険のサポートを
してくれる。
種族はモモンガ族で一族には悲しい過去が
あったけど、それを乗り越えて今なお
アタシ達と一緒に冒険を続けてくれてるの。

・スラッピ
モガ丸といつも一緒にいるスライム。
言葉は通じないけどモガ丸だけはスラッピの
話している事がわかるの。
ただ、トラスレの聖水を飲む事でアタシ達
とも会話ができるようになり、実はコテコテ
の関西弁を話す事が判明。
モガ丸のワガママで関西弁で話す事は禁止
されてるけどえー

・オリオリ
宇宙王の書という本にワケあって閉じ込め
られている美しい女性。
その正体は宇宙王の末裔。
圧政を敷く宇宙政府を倒すため義勇軍という
レジスタンス組織を作り反政府運動を続け
ている。義勇軍の総司令官。
実は既婚者でセアドという夫がいるの。
義勇軍親衛隊長ボロンとは幼馴染だけど
ボロンが義勇軍を離れ宇宙政府に参加した
上にオリオリに愛の告白をした事により衝撃
を受けてしまったの。

・コッツ
義勇軍3番隊隊長。
3番隊は政府軍に捕虜として連行されていた
けどベェルの町でついに全員無事で発見され
救出された。
コッツは冒険のさなかも部下達の安否に心を
砕いていた。
無事の救出でようやくコッツの心の闇は完全
に取り除かれた。
アタシ達と行動を共にするうち、アタシに
強い憧れを抱くようになったらしい照れ

・ゼンチャン
全知全能のチカラを持つと言われている
人物。その正体はオネエだったガーン
その能力ゆえ幾度となく宇宙政府に命を
狙われ処刑寸前に。
アタシ達は心ある宇宙政府の役人コモゴモス
の協力もあり、なんとかゼンチャンを救出
する事に成功したの。
その全知全能の能力とは!
チャングーという相棒のスライムと協力して
行う霊視だった!
彼女(彼)はホンモノだった!
ただアタシはどうしても彼女(彼)のキャラが
受け付けられなくて、極力絡むのを内心避け
てるの、これ内緒だけどね滝汗

・チャングー
ゼンチャンの相棒のスライム。
ゼンチャンがその能力を発揮するためには
チャングーの身体を媒介しなきゃいけない。
イコール2人で1つのコンビなの。
宇宙政府はそこに目をつけチャングーの事も
捕らえて監禁していた。
スラッピと同じく何故かコテコテの関西弁を
話すのガーン

・ピエール(ボロン)
宇宙政府を内側から変革させて宇宙平和を
もたらそうと考えるスライムナイト。
その正体は義勇軍親衛隊長ボロン。
ボロンは幼馴染であるオリオリに恋心を抱い
ていた。
打倒政府を目指し続ければオリオリの身に
危険が及ぶ事を憂慮して政府の内政変革に
路線変更した、というのが彼の言い分。
その“裏切り”がオリオリだけでなく様々な
関係者に悪い影響を及ぼすという自覚はない
の。困ったものだわ。

・イェルバ
オリオリとボロンが幼少期に過ごしていた
竜巻の教会に仕えるシスター。
神へ祈りを捧げる事を宇宙政府に禁止されて
しまい教会を訪れる人々もやがていなくなり
教会は寂れてしまった。
その事を嘆いているけど、祭壇のお手入れ
だけは欠かさず自身だけは礼拝を密かに続
けるなど篤い信仰心を持っている。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
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