(核拡散防止条約再検討、NPT)会議の最終文書案には(岸田)首相の主張が採用され、「核兵器国は特に、自国の核兵器保有数や政策、能力に関する透明性向上に向けた措置を追求する」などの記述が入った。
 各国が支持した日本の提案の一つが、核兵器の製造に必要なプルトニウムなど核兵器用核分裂物質 ( F M )生産のモラトリアム (一時停止 )を求める項目だった。政府は F M生産を禁じる兵器用核分質生産禁止条約 ( F M C T )が制定されるまでの間、モラトリアムを設けるべきだと各国に呼びかけ、賛同を得た。ところが、中国が強く反対し、最終盤で記述が削除された。
 F M生産をめぐっては、 N P Tが定める核兵器保有国である米国、英国、フランス、ロシア、中国の 5力国のうち、中国以外の4力国が一時停止を宣言している。
 政府高官は「核軍縮に向けた交渉で、最大の抵抗勢カは中国だということを各国が今回、痛感したようだ」と振り返る。

 

「核軍縮 妨げる中国」産経新聞R040905