約1万年に及ぶ縄文時代の人骨を全国242カ所から2582点収集し、暴力による死亡率を数量的に算出した。傷を受けた痕跡があるものは23点で、暴力による死亡率は約1.8%となった。他国や他時代の暴力死亡率と比べると、5分の1以下と極めて低いことが判明した。

 

ヨーロッパを中心に狩猟採集民時代の大量虐殺を示唆する人骨が発掘されるなど、先史時代から「戦争は人間の本能である」とする主張も根強い。同研究グループは、これらの主張はあくまで欧米やアフリカのごく一部で発掘された人骨データによるものであり、人類全体に一般化できるかを疑問視してきたという。

 

 成果は、英科学雑誌「Biology Letters」に30日付で掲載された。

 

「縄文時代は“平和”だった 暴力死亡率は1.8%――「戦争は人間の本能」は誤り?」『IT Meida News』H280331