それほどまでに事が大きいとは知らなんだ。
先月、県内で発生した入学料未納による入学式参加拒否の問題。
全国の都道府県立高校での入学金・授業料の滞納は4億6千万にも及ぶという。
授業料の滞納は半分が大阪、入学金の滞納はほとんど大阪だとさ。
橋下知事には、問題山積みのようやね。
彼がどこまで把握しているのか、どれだけ手を尽くす気でいるのか、分かんないけど。
別に、大阪は極めて所得の低いとこやとは思えん。
少なくとも、僕が高校3年間、予備校1年間通った土地としては。
大阪府自体、そんなに広くもないから、大体の場所は分かるし、そりゃ所得の低い地域だってあるにはあるけど、そんなのはどの都道府県にもあるように思える。
そんな中で、これほどまでに大規模に滞納が行われているのは、一つは行政なり学校なり公側の怠慢、もう一つは通学者およびその親のモラルの低さが問題なんやろうね。

行政なり学校側なりは、滞納が行われないように、キチンと債権管理をしなくちゃならない。
督促もキチンと行い、それでも払ってもらえないのなら、退学処分等然るべき措置を取り、学生に対して平等な対応がなされるように、毅然と対応すべき。
仮に、所得の低さが理由で、払いたくても払えない、高校に通わせたくても通わせられない家庭が多いのだとすれば、少なくとも現代において高校進学 までは、ほぼ義務教育とでも言うべき進学率であり、教育課程と言えるのだから、自治体として奨学金制度を定めたり、分納制度を細かく規定したり、何らかの 施策を制定しておくべきだろう。
それをせずして、滞納者を膨れ上がらせてしまっているのは、怠慢としか言いようがない。
決して全国の半数の低所得者が集中するわけではないであろう大阪において、日本全体の半分にあたる2億3千万弱の授業料滞納が発生し、2位の北海道の実に4倍にあたる金額が等閑にされていることは大問題だ。
しかも、入学料においては、全国317万の滞納のうち、310万が大阪だとか。
ということは、公立高校の授業料等のレベルを考えれば、大阪では、入学料も授業料も3年間払わぬまま通学している生徒も少なからずいるということになるのだろう。
そんなん許されるんか?
自治体だけの問題じゃなく、国としても高校までは準義務教育期間として、国民がキチンと教育を受けられるよう環境を整えると共に、授業料等のあり方を見直し、低所得者向けのバックアップ制度も考えるべき時期なんじゃないのか?

一方で、通学者および親のモラルの低さも忘れてはいけない。
入学料やら授業料やらを支払わなければならないのは、公然の事、常識だ。
それを払わずに高校に通う、或いは、通わせる親がこんなにいるってことは、ダントツトップの大阪はもちろん、日本全国でのモラルの低下が懸念されるべき由々しき事態。
これは、高校の入学料や授業料だけの問題じゃなくて、引いては小学校の給食費の滞納問題にも繋がる事態のようである。
新聞等の「読者の声」のページに掲載されている投稿記事によると、学校側が督促に家庭訪問したりすると、何やかんやと言い訳をして支払わない家庭に限って高級車を持っていたりするらしい。何それ?
給食費の滞納家庭は、年々増加しているとかいう話も聞く。数なのか割合なのかは別として。
給食は、皆から集められる給食費を下に献立が立てられ、子供たちの昼食になるわけだから、滞納者が増えてくると、キチンと納めている家庭の子供たちの食事まで、貧疎なものになりかねない。いい迷惑だ。
仮に、どうしても支払えない事情があるのだとすれば、キチンと事情を説明した上で、学校側と分納等を相談すれば良い。
が、単なる自己中心的な考えによる滞納だとすれば、言語道断だ。
そんな家庭の子供には給食を与えない、或いは教科書を差し引く等の対応、子供に罪はないのだから子供に被害が及ばないように、と言うのであれば、学校側は家庭を提訴して給食費を請求し、金銭が獲得できなくとも所有物の差し押さえくらいはして然るべきだ。
モラルの低下している今日、甘いことを言っていてはいけない。
それくらいの断固たる対応を取らなきゃ、モラルは低下する一方なのだから。
まぁ、こういう対応をするには、学校側或いは自治体側は、キチンと家庭訪問して督促を実施し、その家庭事情をキチンと把握していなければ何もできない、或いは、非人道的な対応に陥ってしまいかねないことだから、学校側・自治体側にも誠実で几帳面な対応が必要となってくる。
それをベースとして、毅然とした対応をすれば、誰も責めることはできないだろう。

こういった議論には、色んな意見があり、例えば千葉での入学式出席拒否問題についても、「子供を犠牲にした対応はすべきではない」との批判の声も多く聞かれる。
確かに、入学式当日に入学料を納めることになっているらしく、猶予のない体制というのは問題かもしれないが、一方で「入学料」なんだから入学するまでに払うべきお金であるのも事実だと思う。
そりゃ、「当日持って来てください」だけじゃ、忘れることもあるかもしれないから、合格発表から入学までに振込するようしておけばいいのだろうけどね。
今回のケースも、滞納問題を幾つか抱えて困惑していた高校側が、滞納の可能性ある生徒と判断したがための措置だったとか。高校側ばかりが責められるべき問題ではないと思う。
やはり、高校に入学させるからには、親としてその準備金は蓄えておくべきだし、分納制度もあるわけだからキチンと事前に学校側と打ち合わせておくべきだ。
どうしても払えないのなら、子供に真実を打ち明かして、入学試験を受けるより前に進路を考え直すべきだろう。
給食費の滞納問題といい、高校の入学料・授業料滞納問題といい、やっぱりまずは通わせる親のモラルが問われるべきだと思うなぁ。
最近の親は、自分の権利には色々と拘るくせに、どうも自分の義務になると言い訳をして果たさない傾向が見られる気がする。これぞモラルの低下。
義務があっての権利であって、権利だけを一人歩きさせようとするのは、無責任としか言いようがない。
そんな親に育てられる子供が不幸だ。子供を育てるのは親の責務であり、給食費をキチンと払い小中学校に通わせ、入学料・授業料を納めて高校に通わせるのも親の責任。
親が責任を果たせないのなら、結果は子供に返ってきたとしても、これは仕方ないのではないかい?
親の無責任を見逃して子供の権利を守っていては、無責任な親から無責任な子供が育つことを助長するのみ。子は親の背中を見て育つのだから。
「あぁ、こうやって切り抜けていけば良いわけね」と思っちゃうでしょ。

そして、国や自治体の責任も見逃せない。
ただでさえ、減少しつつある子供たち、それがこんなモラルの低い親に育てられる子供の割合が増えているとなれば、日本の未来は絶望的だ。
安心して子供を育てられる環境を整え、子供の数を増やせる政策と共に、債権管理を的確に行う自治体・学校の指導、高校まで通わせることのできる教育体制の仕組み作りが求められる。
要るのか要らんのか分からん道路を作り、天下り先を確保し、土建屋との癒着を強化するよりよっぽど必要なことやろ。
政治家のモラルが低い現代、一般家庭の人間のモラルが低くても、何も言えんてか?
世も末やな。。。21世紀の始まりこそが、実は世紀末ってことか。。。。。。