スティーヴン=キング原作、フランク=ダラボン監督……かつての不朽の名作「ショーシャンクの空に」、そして「グリーンマイル」。
これらに続く3作目が「ミスト」。
昨年、衛星放送でアメリカの映画興行ランキングの紹介を見て、初めてその作品が紹介されたときから見たかった一作。
試写状は当たらなかったが、幸いにして同行者を募集していらっしゃる方に巡り会うことができ、一足先に鑑賞してくることができた。
作品の感想を書くにあたり、一部はネタばれしなきゃ書けない……従って、作品を楽しみに待つ方は、この日記は読まないでね。

「 のどかな田舎町を襲った嵐が過ぎ去ったあと、不審な深い霧がゆっくりと街中を包んでいった。霧に飲み込まれていく街を見つめながら、身動きが 取れずにスーパーマーケットに取り残された人々。デヴィッド・ドレイトンと幼い息子ビリーもそのなかにいた。時が経つと共に霧の中には”何か”がいること がわかり始めた。それは、この世のものとは思えない生物-。生き残るためには、店内にいる人々が団結するよりほかに術はない。しかし、人間とは「善」と 「悪」、どちらを持ち合わせて生まれてきたのだろうか?人々は恐怖とパニックに直面し、理性は音をたてて崩れ始めた。生物と必死に戦う者もいれば、殺され る者もいる。恐怖に耐え切れず死を覚悟で店外に逃げ出す者もいれば、自殺する者もいた…。
 デヴィッドと彼の賛同者たちは、霧に潜む凶暴な生物の群れと戦うと同時に、絶望に陥った人々の心を徐々に魅了していく狂信的なミセス・カーモディとも、対峙しなければならなかった。デヴィッドと彼の賛同者たちは、かすかな希望を抱いて最終決断をする。
 それは、彼らにとって、最良の選択だったのか?それとも呪われた運命だったのか?衝撃のラスト15分…、絶望の果てに待っている、映画史上かつてない驚愕の結末の行方とは-。」(チラシより)
まずねぇ、チラシで、「衝撃のラスト15分」とかって書かないで欲しいんだよね。
何も頭にない中で作品を見た方が面白いに決まってるでしょ!
ジャンルとしては、SFホラーもしくはパニックムービーに属するのかな?
常識的には考えられないような環境に陥った中で、人間の本性が表れていく姿……そういったものは、なかなかに考えさせられるものであった。
霧の中に潜む謎の生物……creaturesは、ある意味恐ろしくもあり、ある意味ユーモアがあるデザインというか、何となくアニメチックな生物もおり、時折笑えた。
しかし、何より衝撃的で印象に残ったのは……霧。
心の中を霧が覆いつくして、それが晴れない。。。
確かに、衝撃的なラストシーン。何の救いもない。。。。。。そう思わされる。
与えられた選択肢、一度選択を誤れば取り返しは付かない。
平凡な日常の中では、何とかなることも多いものだが、極度のストレス下ではそうもいかない。
この作品は、色んな感想を持つ方々がいる作品だろう。
何が善で、何が悪なのか、確かに息子との約束はあった……が、人というものはどの程度まで希望を持ち続けることができるのだろう。。。
色んなことを考えさせられつつ、いつまで経っても、なかなか深い霧が立ち込めた心が晴れない。。。僕にとってはそんな作品だった。

この映画のラストは、原作とは異なるオリジナルのものとのこと。
一度、原作を読んでみたい、そう思う。