緑茶からジンジャーティーまで、人気のお茶8種類とそれぞれの効能

By マイケル・マレー博士、自然療法医

Health Benefits of Different Teas

 

ハーブティーを飲むと多くの健康効果が得られますが、中でも最も広く親しまれているのは、言うまでもなく緑茶と紅茶の原料であるチャノキ(茶の木、学名 Camellia sinensis)由来のお茶でしょう。特に普及しているのは紅茶で、緑茶は年間250万トン近く生産される乾燥茶葉のわずか2割程度に過ぎません。その他にも、カモミールショウガペパーミントルイボスローズヒップなど、味わいながら効能が期待できるお茶がよく飲まれています。

紅茶、緑茶、白茶、抹茶の違い

チャノキを原料とする多種多様なお茶の基本的な違いは、葉と芽の栽培、収穫、加工方法にあります。

紅茶の葉は、摘み取られた後に空気に触れさせることで発酵が進んで形がくずれ、その間にポリフェノールの名で知られる化合物が酸化して文字通り茶色になります。この酸化は、数々の香り高い芳香族化合物の生成にもつながりますが、茶葉に含まれる活性化合物の多くには効能が低い化合物に変換されるという欠点があります。一方、緑茶の場合は、摘み取られたばかりの新鮮な茶葉がカットされて軽く蒸されます。この蒸気が酸化反応を防ぐため、乾燥しても茶葉が緑色のままです。部分的に酸化され、紅茶と緑茶の特徴を併せ持つのがウーロン茶です。

市場には150種類以上の緑茶が出回っており、それぞれさまざまな品質等級があります。例えば、緑茶の一種である白茶は葉ではなく芯(まだ開いていない芽)から作られ、風味・色(淡黄色)ともに緑茶よりもマイルドで、ポリフェノール(活性化合物)とカフェインが少ないのが特徴です。

白茶が淡白なタイプの緑茶なら、超強力型は抹茶です。1というのも、抹茶には特定のカテキン(ポリフェノールの一種)が通常の緑茶の100倍も多く含まれているからです。抹茶を作るには、収穫前の3週間は茶の木に覆いがかけられ、茎と葉脈が取り覗かれて新芽だけが摘み取られ、細かい粉末にされます。色鮮やかな緑色の抹茶は味わいも格別で、普通の緑茶よりもさっぱりと軽い甘みがあります。芯芽からとれる抹茶は最も上質なお茶とされ、日本では古くから茶道で使用されています。

1. 緑茶の効能

緑茶は、紅茶(または白茶)よりも高い効能をもたらします2,3 緑茶にはビタミンやミネラルが含まれているだけでなく、健康づくりの鍵を握るポリフェノールも豊富であることから、紅茶や白茶よりも高い健康効果が期待できます。

緑茶に含まれるポリフェノールのうち最も重要な成分は、カテキンなどのフラボノイドです。乾燥した緑茶の葉には、8〜12%のポリフェノールの他、カフェイン(3.5%)とテアニン(4%)も含まれています。テアニンは緑茶特有のアミノ酸で、カフェインの作用をある程度抑えつつ、落ち着き、精神の明晰さ、集中力を促進する効果があります。

また、緑茶を飲むことで、心疾患や慢性疾患の予防効果および免疫力や肥満へのプラス効果が示されています。3-5ただし、その効果を最大限に発揮できるかどうかは摂取量にかかっており、具体的には緑茶ポリフェノールを十分に摂取することが大切です。緑茶の効果を十二分に引き出すには、1日4〜6杯の緑茶または1〜2杯の抹茶を飲む必要があります。この量は、1日の総ポリフェノール用量(400~600mg)を供給する緑茶エキスの1回量に相当します。なお、緑茶1杯(約240ml)には約30mg、抹茶1杯にはその2倍強のカフェインが含まれていることをお忘れなく。ちなみに、コーヒー1杯には通常この3倍以上である100mgのカフェインが含まれています。

2. 紅茶の効能

紅茶1杯には約50mgのカフェインが含まれており、高カフェインの茶種の一つではありますが、それでもコーヒー1杯の半分程度です。カフェインに加えて、紅茶にはタンニンも豊富に含まれています。この化合物は、緑茶のポリフェノールが結合して比較的大きな分子を形成したもので、皮なめし(Tanning)に使用されていたことからタンニンと呼ばれるようになりました。紅茶に含まれるタンニンやカテキンなどの化合物にも健康効果があります。その例として、テアフラビンとテアルビジンというタンニン化合物は有益な抗酸化物質であり、これらの化合物を多く含む紅茶エキスは血管の健康を促進し、コレステロール値を下げることが示されています。5 

3. カモミールティーの効能

カモミールは、キク科の植物(和名カミツレ、学名 Matricaria chamomilla)の花から作られるハーブティーであり、古くから薬用として主に胃腸の不調対策や安眠補助に利用されてきました。6 また、カモミールティーが抗酸化物質の濃度改善や血糖コントロールに有効であることを指摘する研究結果もあります。7 さらに、カモミールの経口製剤を用いた研究では、気分スコアを高め、落ち着きを促し、関節の違和感を和らげる効果があることが明らかになっています。6 

4. ジンジャーティーの効能

ショウガZingiber officinalis)は、食材やお茶としても、栄養補助食品としても、多くの健康効果が期待できる植物です。ショウガは最も研究されている薬用植物の一つで、これまで5千件を超える科学調査が行われています。特によく知られているショウガの用途に、腸けいれんやガスといった軽度の消化器系の不調改善があります。8 このような効果は、その他多くのショウガの効能と同じく、この植物に豊富に含まれる芳香族化合物によるものです。ショウガの主な用途には以下のようなものがあります。

  • 風邪とインフルエンザ。ショウガは免疫機能の向上をサポートし、ウイルス感染症の不快症状をいくらか緩和するのに役立ち、発汗作用があるため悪寒や発熱時にも効果的です。温まりたい時や気分転換したい時などは、ジンジャーティーを飲んでみてはいかがでしょうか。
  • 吐き気、嘔吐、乗り物酔い。 ショウガは、乗り物酔いをはじめ、妊娠、化学療法やその他の原因による胃腸症状などに役立つ可能性があることが臨床研究でわかっています。ショウガは、消化管と脳内の吐き気中枢の間の伝達を遅らせる働きがあります。これは、毒素、ホルモン、胆汁酸を吸収し、中和することによって行われます。8,9 
  • 炎症と関節の健康。 ショウガはかなりの抗炎症作用を発揮するため、関節の違和感を軽減するのに役立つと考えられます。9,10
  • 頭痛。 ショウガには、頭痛を鎮めやすくする効果がいくつもあります。9,10 
  • 月経痛ショウガは、月経の不快感を和らげるのに役立ちます。9 
  • メタボリックシンドローム。ショウガは、代謝、血糖コントロール、減量、コレステロール値などのサポートに効果があることが相当数の研究で示されています。11,12 これらの効果は多数のメカニズムによるもので、例えばショウガの減量効果は、熱発生と脂肪細胞分解(リポリシス)の増加の他、新たな脂肪細胞形成(脂質生合成)、腸の脂肪吸収、食欲の制御によって得られます。12 

5. コンブチャの効能

コンブチャは、キノコ状の菌塊ができることから紅茶キノコとも呼ばれる発酵飲料です。

コンブチャは、紅茶または緑茶に砂糖などの糖質を加えたものにスコビー(ゲル状の菌類)を入れて1週間ほど発酵させて作られます。この発酵過程を経てできるのがプロバイオティクスと抗酸化物質の豊富な飲み物で、消化や炎症を大幅に改善するなど、多くの効能があるとされています。もちろんコンブチャには緑茶や紅茶が含まれているため、お茶そのものの効果も得られるというメリットがあります。

6. ペパーミントティーの効能

ペパーミントはシソ科のペパーミントの葉から作られるハーブティーで、リラックス効果のある飲み物として知られているだけでなく、民間療法として、消化器系の健康、風邪の症状、頭痛、月経痛のサポートなど、幅広い目的で使用されてきました。これらの用途のうち、とりわけペパーミントは消化器系の健康を促進することが近年の研究で裏付けられています。13 とはいえ、ペパーミントの一番の用途は、その香りを楽しむこととストレス緩和効果でしょう。

7. ルイボスティーの効能

ルイボスは、アフリカ原産のマメ科植物であるルイボス (Aspalathus linearis)の葉から作られるハーブティーで、赤い色とまろやかな風味に加え、多くの健康効果があることでも知られています。このハーブはノンカフェインのため、1杯のルイボスティーはお休み前の健康習慣になります。他の植物と同様、ルイボスティーにも抗酸化物質が含まれており、心疾患や慢性疾患の他、加齢性疾患の予防に役立つと考えられます。14 ルイボスに含まれるノトファジンとアスパラチンという2種類の抗酸化物質には、免疫機能を高める働きもあります。また、ルイボスティーには数多くのエイジングケア効果も示されています。

8. ローズヒップティーの効能

ローズヒップは、ローズヒップすなわち野バラの一種であるヨーロッパノイバラ (Rosa canina)の果実を乾燥または粉砕して作られるハーブティーで、ビタミンCの他、多くのフラボノイドやポリフェノールが含まれています。ローズヒップに見られるビタミンCとフラボノイドの組み合わせは、血管と免疫系を強化し、関節の健康もサポートします。15

参考文献:

  1. Sokary S, Al-Asmakh M, Zakaria Z, Bawadi H. The therapeutic potential of matcha tea: A critical review on human and animal studies. Curr Res Food Sci. 2022 Nov 23;6:100396.
  2. Tenore GC, Daglia M, Ciampaglia R, Novellino E. Exploring the nutraceutical potential of polyphenols from black, green and white tea infusions – an overview. Curr Pharm Biotechnol. 2015;16(3):265-71
  3. Zhao T, Li C, Wang S, Song X. Green Tea (Camellia sinensis): A Review of Its Phytochemistry, Pharmacology, and Toxicology. Molecules. 2022 Jun 18;27(12):3909.
  4. Chen J, Zhang Z, Yu P, Gan W, Ren K, Zhang F, Chen F, Wang M, Bao J, Wang T. Beneficial effects of green tea on age related diseases. Front Biosci (Schol Ed). 2020 Jan 1;12(1):70-91. 
  5. Brimson JM, Prasanth MI, Kumaree KK, et al. Tea Plant (Camellia sinensis): A Current Update on Use in Diabetes, Obesity, and Cardiovascular Disease. Nutrients. 2022 Dec 21;15(1):37. 
  6. El Mihyaoui A, Esteves da Silva JCG, Charfi S, et al. Chamomile (Matricaria chamomilla L.): A Review of Ethnomedicinal Use, Phytochemistry and Pharmacological Uses. Life (Basel). 2022 Mar 25;12(4):479.
  7. Zemestani M, Rafraf M, Asghari-Jafarabadi M. Chamomile tea improves glycemic indices and antioxidants status in patients with type 2 diabetes mellitus. Nutrition. 2016 Jan;32(1):66-72. 
  8. Nikkhah Bodagh M, Maleki I, Hekmatdoost A. Ginger in gastrointestinal disorders: A systematic review of clinical trials. Food Sci Nutr. 2018 Nov 5;7(1):96-108. 
  9. Unuofin JO, Masuku NP, Paimo OK, Lebelo SL. Ginger from Farmyard to Town: Nutritional and Pharmacological Applications. Front Pharmacol. 2021 Nov 26;12:779352. Kim S, Cheon C, Kim B, Kim W. The Effect of Ginger and Its Sub-Components on Pain. Plants (Basel). 2022 Sep 2;11(17):2296.
  10. Ballester P, Cerdá B, Arcusa R, et al. Effect of Ginger on Inflammatory Diseases. Molecules. 2022 Oct 25;27(21):7223.
  11. Wang J, Ke W, Bao R, Hu X, Chen F. Beneficial effects of ginger Zingiber officinale Roscoe on obesity and metabolic syndrome: a review. Ann N Y Acad Sci. 2017 Jun;1398(1):83-98.
  12. Ebrahimzadeh Attari V, Malek Mahdavi A, et al. A systematic review of the anti-obesity and weight lowering effect of ginger (Zingiber officinale Roscoe) and its mechanisms of action. Phytother Res. 2018 Apr;32(4):577-585. 
  13. Mahendran G, Rahman LU. Ethnomedicinal, phytochemical and pharmacological updates on Peppermint (Mentha × piperita L.)-A review. Phytother Res. 2020 Sep;34(9):2088-2139. 
  14. Nogueira Silva Lima MT, Boulanger E, Tessier FJ, Takahashi JA. Hibiscus, Rooibos, and Yerba Mate for Healthy Aging: A Review on the Attenuation of In Vitro and In Vivo Markers Related to Oxidative Stress, Glycoxidation, and Neurodegeneration. Foods. 2022 Jun 7;11(12):1676.
  15. Ayati Z, Amiri MS, Ramezani M, et al. Phytochemistry, Traditional Uses and Pharmacological Profile of Rose Hip: A Review. Curr Pharm Des. 2018;24(35):4101-4124.

 

 

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