Mr.ノースのブログへようこそ。今週も、この夏休みにベルリンで開催された高校生の国際会議、J7フォローアップミーティングに参加した日本チームの活躍をレポートします。
3日目はドイツの官房長官に対してプレゼンテーションを行うという、このミーティングのメインイベントがありました。高校生のミーティングに官房長官が参加するなんて日本ではなかなか考えられませんが、これこそがメルケル首相がいかに若者達に期待しているかの表れなんです。ドイツはこの高校生会議に多くの高校生を世界各国から呼び寄せましたが、それは全てドイツの国費によってまかなわれたことからも、ドイツ政府の本気がわかります。
とはいえ官房長官は大変お忙しい身なので、当然全チームのプレゼンテーションを聞く時間はありません。ポスタープレゼンテーションでの投票で上位3チームに入った国と、興味があるテーマでチームを組んで新政策を発表し合って上位3位に入ったチーム、計6チームのみが発表の機会をもらえます。
まず国ごとの発表ですが、これは日本チームが圧倒的な数の票を獲得したため、当然代表に選ばれました。初日のポスタープレゼンテーションが一番人気でしたので、これは当然と言えば当然の結果でした。
どのチームが選ばれるかどうか票を開けるまでわからなかったのは、新政策を提案するプレゼンテーションの方でした。私の生徒のうち2人はJ7サミットメンバーのネットワーク作りを政策としてあげたチームに、残る1人は女性の社会進出を教育で促進する政策を提案したチームに入っていました。ネットワーク作りチームは人数も多く、昨年からすでに活動を始めていたので選ばれると思っていたら、案の定、1位でプレゼン権を獲得しました。問題は女性の社会進出チームです。人数も少なく、予選のプレゼンを行った子のスピーチのインパクトが弱かったからです。結果は、3位でギリギリ、プレゼン権を獲得しました。政策内容が評価されたようです。
このようにして、その日の夕方、いよいよ本番の時を迎えました。官房長官に対する公式なプレゼンなので、日本チームはフォーマルな服に着替え、一足早く会場入りし、一生懸命にイメージリハーサルを行っていました。
時間となり、官房長官が登場。挨拶の中で、2日目に行った今年のJ7についての発表について、日本チームは謝辞をいただいていました。そして、いよいよプレゼンテーションの時間となりました。トップバッターは、ボスターセッション投票1位の日本チームからでした。
3人のパフォーマンスは最高でした。国別の発表は他にフランスとアメリカも行いましたが、内容の濃さ、構成、話し方、タイムマネージメント、全て日本チームの発表の方が優れていました。それは私のひいき目からの感想ではありません。聞いている人達の反応が全く違いました。歓声、笑い、うなづき、そして目の輝き、最後の拍手、
なぜ日本チームのプレゼンテーションは皆んなの心を引きつけることができたのか。それは、この一年の活動が優れていたということもありますが、加えて、発表前の準備や練習時間の差だと思います。日本チームは、聞く人の気持ちになり何をどのように話すかを考え抜き、与えられた時間に収まるように調整し、原稿を見ないでスムーズに言えるように何度も何度も練習したからです。
3日目はドイツの官房長官に対してプレゼンテーションを行うという、このミーティングのメインイベントがありました。高校生のミーティングに官房長官が参加するなんて日本ではなかなか考えられませんが、これこそがメルケル首相がいかに若者達に期待しているかの表れなんです。ドイツはこの高校生会議に多くの高校生を世界各国から呼び寄せましたが、それは全てドイツの国費によってまかなわれたことからも、ドイツ政府の本気がわかります。
とはいえ官房長官は大変お忙しい身なので、当然全チームのプレゼンテーションを聞く時間はありません。ポスタープレゼンテーションでの投票で上位3チームに入った国と、興味があるテーマでチームを組んで新政策を発表し合って上位3位に入ったチーム、計6チームのみが発表の機会をもらえます。
まず国ごとの発表ですが、これは日本チームが圧倒的な数の票を獲得したため、当然代表に選ばれました。初日のポスタープレゼンテーションが一番人気でしたので、これは当然と言えば当然の結果でした。
どのチームが選ばれるかどうか票を開けるまでわからなかったのは、新政策を提案するプレゼンテーションの方でした。私の生徒のうち2人はJ7サミットメンバーのネットワーク作りを政策としてあげたチームに、残る1人は女性の社会進出を教育で促進する政策を提案したチームに入っていました。ネットワーク作りチームは人数も多く、昨年からすでに活動を始めていたので選ばれると思っていたら、案の定、1位でプレゼン権を獲得しました。問題は女性の社会進出チームです。人数も少なく、予選のプレゼンを行った子のスピーチのインパクトが弱かったからです。結果は、3位でギリギリ、プレゼン権を獲得しました。政策内容が評価されたようです。
このようにして、その日の夕方、いよいよ本番の時を迎えました。官房長官に対する公式なプレゼンなので、日本チームはフォーマルな服に着替え、一足早く会場入りし、一生懸命にイメージリハーサルを行っていました。
時間となり、官房長官が登場。挨拶の中で、2日目に行った今年のJ7についての発表について、日本チームは謝辞をいただいていました。そして、いよいよプレゼンテーションの時間となりました。トップバッターは、ボスターセッション投票1位の日本チームからでした。
3人のパフォーマンスは最高でした。国別の発表は他にフランスとアメリカも行いましたが、内容の濃さ、構成、話し方、タイムマネージメント、全て日本チームの発表の方が優れていました。それは私のひいき目からの感想ではありません。聞いている人達の反応が全く違いました。歓声、笑い、うなづき、そして目の輝き、最後の拍手、
なぜ日本チームのプレゼンテーションは皆んなの心を引きつけることができたのか。それは、この一年の活動が優れていたということもありますが、加えて、発表前の準備や練習時間の差だと思います。日本チームは、聞く人の気持ちになり何をどのように話すかを考え抜き、与えられた時間に収まるように調整し、原稿を見ないでスムーズに言えるように何度も何度も練習したからです。
英語での発表ですから、本来はアメリカチームが有利なわけです。実際、彼らのスピーチは、上手でした。アイコンタクト、抑揚、ユーモアの入れ方、感動的な言い回し等、子どもの時から学校で鍛えられてきたのがよくわかりました。特にJ7の代表に選ばれた子達ですから、皆、大統領のように話します。しかし、アメリカチームの発表は残念なものでした。スピーチの間中、聞いている人達のほぼ全員が『早く終わらないかなぁ。』と思っていたと思います。理由は、内容が提案というよりも自分達はこんなにすごいんだという自慢に聞こえるようであったことと、何よりも規定の時間の3倍喋ったことです。
アメリカは、どの国の子達よりも自己肯定感があり、自己主張ができ、スピーチの上手な子を育ててきました。けれど一つ間違えるとそれらは弱点となる、国際会議等色々な国の人達が集まり話し合いを行う場所に行くとそう思うことがよくあります。アメリカの子達が相手の気持ちを考えず、ひたすら自分の言いたいことを主張する場面を何度も見ました。また、英語もスピーチも誰にも負けない自信があったアメリカチームは過信して練習をあまりしなかったことも聞いていてわかりました。その場で思いついたことを次々と喋りダラダラと長くなるスピーチって最悪ですよね。そうならないためには原稿が大切なんです。今回は「官房長官は時間がないから、スピーチは絶対に3分で終わらせるように。」と主催者側から強く言われていたのに、アメリカチームは自分の気持ちに酔ったスピーチをしてしまったので、なおさら何とも言えない雰囲気になってしまったんです。会場の空気も全く読んでいないそんなスピーチに対しても司会者は「印象的なスピーチでしたね。」と言ったので、アメリカチームの子達は、やっぱり自分達が一番だと思ったと思います。
どうですか。聴き手の気持ちを一番に考えてつつ、自分達のやってきた素晴らしい活動を謙虚に紹介し、「もし参考になることがあったら是非やってみて下さい。」と推薦し、最後に「皆んなで協力して頑張りましょう!」と呼びかける日本チームと間逆ですよね。各国の高校生やドイツ政府関係者は、話し手ファーストのアメリカではなく、聴き手ファーストの日本チームに心を動かされたのです。
このように日本チームの発表は大成功に終わりました。次は日本の子達が他国の子達と組んでの政策発表です。そこで彼らはどう動いたか、それは次週です。
つづく