今、 浅井造型 3号モスゴジを再考する の巻
ご機嫌いかがでしょうか。自身でも2作モスゴジをやり、それでもモスゴジを造りたらないクラバート・ガレージ竹添です。
と書いてるくらいモスゴジ好きな私ですが、そもそもモスゴジ好きになったきっかけである井上2号、リアルホビー、ヤマダ氏ラテモデル、特撮コレクションモスゴジは「クラシック」枠として定番化しております。
この辺りは小学校低学年の時に「洗礼」を受けているからもう正常な判断ができないのですが…。まぁそのうちまとめたいと思っています。
では、その小学校「高学年」以降に知ったモスゴジで印象深いのは、井上パラダイス40㎝(未発売)、そして浅井造型3号「岩島」となります。あと、原45cmも凄く好きですね。
まず浅井造型のモスゴジ遍歴を追ってみてみると、みんな大好きA作戦があります。

造型の明確な方向性がみえる「モスゴジA作戦」
バラン1号とともに、文字通りの「ガレージキット」であり、この作品は冬の90年代を送ってきた東宝ガレージファンにとってもエポックモデルでした。
細部ディティールなどより、劇中イメージ優先である井上ファン層に、つまり「濃い怪獣ファン」を魅了させた造型であり、劇中の「歩きモスゴジ」のイメージが最も出ている造型です。
次、2号「寝モスゴジ」
…は、モスゴジ単体として評価がしづらいキットではあります。モスラとセットでこそ、という方も多いでしょう。
しかしですね。
ジオラマモデルとして、画期的表現が込められていることに注目していただきたい。

凄い空間構成「モスラ成虫対ゴジラ」
地に「寝る」モスゴジが凸、宙を舞うモスラが凹を成すという、ジオラマモデルとして普通では考えられない組み合わせを、抜群の空間構築でもって成り立たせている。これ、なにげにメチャクチャ凄いことなんで書いておきます。
30㎝で成虫モスラ戦をやるというのは、井上氏の時代のガレージにあった「遊び心」を00年代にまさかリアルタイムで経験することになるとは思ってみなかったという点でも印象深いです。
で、今回のお題の3号です。
劇中イメージを細分化し、浅井氏の精神性で纏め上げた造型、というのが最も的確な表現になるのではないでしょうか。
そして、このキットがガレージキット全体を視てもかなり稀有なモデルであると私が考えるのは、以下の理由によります。
浅井氏の3号モスゴジは、後部から視た時にわかるように「前傾姿勢をとったときに垣間見える美しい肩の流れ」などは完全に劇中イメージを彷彿とさせます。

モスゴジスーツを後ろから視た際の色気は肩の流れにある。
それら、モスゴジ的特徴は当然のこととして押さえたうえで、自身の精神性を押し出した。
そして、その精神性の部分というのは、非常に日本文化の古典的な部分にある。
そう、浅井氏の好む、鳥山石燕などの妖怪画のイメージを踏まえている。
そしてそれはモスゴジという造型物には非常に合っているんですよ。

浅井造型「モスゴジ3号」
このモスゴジの造型的特徴は以下の通りです。
〝尻尾基部を起点として”斜め前方向に流れる美しい首のライン。
それを抑え込むかのように構えられた腕部、その腕部形状に最も適した形状で彫刻された指の数々。そして、それらの上半身の文字通り「台」となる下半身。
これらは鳥山石燕の「うわん」とほぼ同じ空間構成になります。
そもそもモスゴジスーツ自体が、高野山の金剛峰寺の仏像とほぼ同じラインを持っています(ヤマダマサミ氏著『絶対ゴジラ主義』)。
このように、怪獣のスーツ自体をこれら仏像や獅子舞などいった文化遺産と比較することは我々は当然の如く行っているわけですが、ガレージキットを含む模型分野でそれを行うことはめったにございません。


鳥山石燕「うわん」と浅井造型「モスゴジ」
映像作品の2次創作である怪獣模型を、過去の日本文化と照らし合わせることを、実は、我々は行ってないんですよ。凄く意外なことに。
しかし、その枠に当てはまらない、非常に稀有な例が、井上パラダイス40㎝と浅井氏3号モスゴジです。
この2作、実際ポーズ自体は全然違うのですが、おそらくスタンスの部分でかなり近いところに立っているが故に、その精神性の部分で類似点が出てくるのだと思うんです。
井上氏が鳥山石燕好きという意味ではないですよ。精神性の打ち出し方、という意味でのスタンスです。

“魔像”的3号。イノウエ幻40に似る。
この2点に関しては、正直、ガレージキットという枠すら飛び越しているとも言え、一品モノの複製からはじまったガレージキットの本質を最も表しているとも言えます。
浅井3号に関しては「これまで発売されたモスゴジの中で、最も商業模型から離れることが出来たモスゴジ」であるとの視点で、現在は捉えています。
でも!
この頃すでに入り浸ってた俺には!このキット回ってこなかったんだよ!!!
ざけんな!
おしまい
※2つ持ってる人、よければ1つわけてください…。
と書いてるくらいモスゴジ好きな私ですが、そもそもモスゴジ好きになったきっかけである井上2号、リアルホビー、ヤマダ氏ラテモデル、特撮コレクションモスゴジは「クラシック」枠として定番化しております。
この辺りは小学校低学年の時に「洗礼」を受けているからもう正常な判断ができないのですが…。まぁそのうちまとめたいと思っています。
では、その小学校「高学年」以降に知ったモスゴジで印象深いのは、井上パラダイス40㎝(未発売)、そして浅井造型3号「岩島」となります。あと、原45cmも凄く好きですね。
まず浅井造型のモスゴジ遍歴を追ってみてみると、みんな大好きA作戦があります。

造型の明確な方向性がみえる「モスゴジA作戦」
バラン1号とともに、文字通りの「ガレージキット」であり、この作品は冬の90年代を送ってきた東宝ガレージファンにとってもエポックモデルでした。
細部ディティールなどより、劇中イメージ優先である井上ファン層に、つまり「濃い怪獣ファン」を魅了させた造型であり、劇中の「歩きモスゴジ」のイメージが最も出ている造型です。
次、2号「寝モスゴジ」
…は、モスゴジ単体として評価がしづらいキットではあります。モスラとセットでこそ、という方も多いでしょう。
しかしですね。
ジオラマモデルとして、画期的表現が込められていることに注目していただきたい。

凄い空間構成「モスラ成虫対ゴジラ」
地に「寝る」モスゴジが凸、宙を舞うモスラが凹を成すという、ジオラマモデルとして普通では考えられない組み合わせを、抜群の空間構築でもって成り立たせている。これ、なにげにメチャクチャ凄いことなんで書いておきます。
30㎝で成虫モスラ戦をやるというのは、井上氏の時代のガレージにあった「遊び心」を00年代にまさかリアルタイムで経験することになるとは思ってみなかったという点でも印象深いです。
で、今回のお題の3号です。
劇中イメージを細分化し、浅井氏の精神性で纏め上げた造型、というのが最も的確な表現になるのではないでしょうか。
そして、このキットがガレージキット全体を視てもかなり稀有なモデルであると私が考えるのは、以下の理由によります。
浅井氏の3号モスゴジは、後部から視た時にわかるように「前傾姿勢をとったときに垣間見える美しい肩の流れ」などは完全に劇中イメージを彷彿とさせます。

モスゴジスーツを後ろから視た際の色気は肩の流れにある。
それら、モスゴジ的特徴は当然のこととして押さえたうえで、自身の精神性を押し出した。
そして、その精神性の部分というのは、非常に日本文化の古典的な部分にある。
そう、浅井氏の好む、鳥山石燕などの妖怪画のイメージを踏まえている。
そしてそれはモスゴジという造型物には非常に合っているんですよ。

浅井造型「モスゴジ3号」
このモスゴジの造型的特徴は以下の通りです。
〝尻尾基部を起点として”斜め前方向に流れる美しい首のライン。
それを抑え込むかのように構えられた腕部、その腕部形状に最も適した形状で彫刻された指の数々。そして、それらの上半身の文字通り「台」となる下半身。
これらは鳥山石燕の「うわん」とほぼ同じ空間構成になります。
そもそもモスゴジスーツ自体が、高野山の金剛峰寺の仏像とほぼ同じラインを持っています(ヤマダマサミ氏著『絶対ゴジラ主義』)。
このように、怪獣のスーツ自体をこれら仏像や獅子舞などいった文化遺産と比較することは我々は当然の如く行っているわけですが、ガレージキットを含む模型分野でそれを行うことはめったにございません。


鳥山石燕「うわん」と浅井造型「モスゴジ」
映像作品の2次創作である怪獣模型を、過去の日本文化と照らし合わせることを、実は、我々は行ってないんですよ。凄く意外なことに。
しかし、その枠に当てはまらない、非常に稀有な例が、井上パラダイス40㎝と浅井氏3号モスゴジです。
この2作、実際ポーズ自体は全然違うのですが、おそらくスタンスの部分でかなり近いところに立っているが故に、その精神性の部分で類似点が出てくるのだと思うんです。
井上氏が鳥山石燕好きという意味ではないですよ。精神性の打ち出し方、という意味でのスタンスです。

“魔像”的3号。イノウエ幻40に似る。
この2点に関しては、正直、ガレージキットという枠すら飛び越しているとも言え、一品モノの複製からはじまったガレージキットの本質を最も表しているとも言えます。
浅井3号に関しては「これまで発売されたモスゴジの中で、最も商業模型から離れることが出来たモスゴジ」であるとの視点で、現在は捉えています。
でも!
この頃すでに入り浸ってた俺には!このキット回ってこなかったんだよ!!!
ざけんな!
おしまい
※2つ持ってる人、よければ1つわけてください…。