「ダイモス」中井三郎氏復活!その3 キンゴジ2015 | クラバート・ガレージ

「ダイモス」中井三郎氏復活!その3 キンゴジ2015

●キンゴジ 50㎝ 2015年 DAIMOS

30年ぶりのゴジラ製作であり、現在の最新作である。


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FaceBookにて製作過程を紹介するというデジタル時代ならではの試みがなされた。また、当時使っていたラテックス「怪獣用ラテックス」が現在廃盤となっており、各種ラテックス素材を試行錯誤しながらの製作となった。この辺りにも、今回の復活に連なる時間の流れを感じることが出来る。



製作中の頭部。




中井氏のラテックス怪獣製作方法は黎明期の山田氏と同じく、非常にスタンダードな手法である。今回のキンゴジはプレ製作ということもあり、簡易のアーマチュアが内蔵された。





特筆すべきはこの頭部面構成である。
30年前の84ゴジラに通じる、眉間から口先に流れる特有のラインが中井氏のゴジラであることを強く伺わせる。




口元の丸みが顎部を通り、上腕部、背中、尻尾に繋がることで、非常に美しい曲線を構成している。
この2枚の写真からは特に汲み取れると思う。身体全体が三角を成している84やキンゴジに非常に適したタッチともいえる。

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レジン製ガレージキットは怪獣の彫刻としての表現手段として様々な手法を用いる一方、ラテックス性怪獣の場合何より重要なのがそのサイズである。
50㎝近いラテックスの塊はその質感、量感が、ぬいぐるみの「存在」としての縮尺であることを際立たせる。
情報再現や縮尺としての怪獣模型ではなく、「怪獣存在」なるものを実感できるのだ。

30余年前、かつての山田氏や井上氏の巨大怪獣造型に込められた熱意は、たしかに「怪獣存在」であったし、その記憶は怪獣映画やガレージ黎明期の記憶と渾然一体となって我々の脳裏に焼き付いている。
それを平成のこの世に体感することになるとは思いもよらなかった。

2015年夏、千葉には確かに怪獣が在たのだ。



で、実はこのキンゴジ、我が家にいるのです。
ぐっちゃんのブログでも書かれていますが、当日うちのバルゴンの完成品と交換いたしまして…。

いや、ホントにいいんですか?って10回くらいは聞きなおしましたよ。マジで。

ポンッと与えて頂きました…。いやいまだその事実自体には実感が湧かんのですが、そこに〝在る″んで毎日体感できているのです。ありがとうございます。
そして、中井さんは今後も怪獣を創り続けてくれるそうです。次回作に期待しつつ、〆とさせていただきます。


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