怪獣ガレージの本質を視る(新ブレランサントラ感想編) | クラバート・ガレージ

怪獣ガレージの本質を視る(新ブレランサントラ感想編)

ブレラン新サントラの感想書いてたら怪獣ガレージの本質とかまで入ってきちゃったので2つに分けます。

えーと、結論から言いますとですね…「ようここまで拾ってきたわ(笑)」ってとこです。



絶対買う価値はあります。安いしね。
音情報の再現率は圧倒的です。

今本編と合わせて聴き比べてますけど、たぶん、ヴァンゲリスの正規盤より実際の映画のスコアに近いですよ。

正規盤に収録されなかったバッティ戦のBGMの再現はほぼ完ぺきに近い(正規盤に収録されなかったゆえの『補完』の気持ちが働いたのか)。
劇中、プゥ~ンピロピロピロみたいな音や、ドコドコした銅鑼の音が聴こえますよね。アレも全部入れてます。

ただ、アルバムとして再編集してあるヴァンゲリス盤の方が、たとい音数が少なかろうと、シーンと音があってなかろうと、トラック数が少なかろうと、ブレードランナーのサウンドトラックとしては本質に近いように思います。
「本人なんだから当たり前だろ!」って言われそうですけど、繰り返しますが、情報量、再現性は今回の盤が近いんですよ。

じゃあ何が違うのか。中身です。

ヴァンゲリスの精神性と、今回の盤を再現した方の精神性です。

視覚以上に敏感な感覚である「聴覚」であるが故に、聴こえる範囲内でもその精神性は出てます。

前述したように、「執拗なまでに拾ってきた細やかな音の響き」が若干耳に残ります。
ここから想像できる送り手の精神は、「ここまで拾ってきたぜ」って自意識が僅かながら出てきて…その辺りでファンサイドの心理も作用、上手くバランスをとって微調整…てな感じかな。

アルバムとしてコンセプトの近い「JAWS新録盤(完全盤ではなく、2000年ころに出たやつ)」ほどの嫌味は感じられない。

この点において、送り手の真摯なスタンスは感じることが出来ます。
ヴァンゲリスへの敬意と、それ以上にブレランのファン心を感じます。

誠実な方なんでしょうね。

アルバムとしての、そして楽曲としての完成度、雰囲気、聴きやすさを重視するアーティスティックなヴァンゲリス盤、映画のスコアを映画のまま聴きたいコレクター盤。

神の手による編集盤と、ファンの手による完全再現盤と言い換えても良いでしょう。

ここまで来るともうあとは「好み」かな。

これもまたガレージらしい纏め方ですね(笑)。

怪獣編につづく!